マイペースな子どもをもった親の不安と戸惑い

マイペースな子どもを育てていると、「どうしてこんなに時間がかかるんだろう」と感じることがありませんか?

昨今は多様化の時代で「個性を尊重しましょう」などと、SNSなどで書かれている記事があり、頭では「個性」と分かっていても、つい急かしてしまう自分に戸惑うことや親としてこれでいいのだろうか、と思うこともあるでしょう。

なぜこんな気持ちになるのでしょうか?
親も人間であり感情というものがあるからです。

子どもの個性をできるだけ尊重しながら、親としての感情も大切にするにはどうしたらよいのか、今日はそのヒントについてお話したいと思います。

 

何かに没頭する時間は、子どもなりの心の整理時間かもしれない

マイペースな子どもを見ていると、何かに没頭している時間が長く、「まだ終わらないの?」と感じてしまうことがありませんか?

私はよくありました。

例えば絵を描くことに没頭していて声をかけても返事がなく無視されているような気持ちになり、親として「いつまでやっているの?」とイライラする気持ちになることもよくありました。

心理学では、この「没頭」は子どもが気持ちを整理し、次の行動に切り替える準備時間と考えられています。

わかりやすくいうならばクールダウンの時間となります。

立ち止まっているように見える時間も、子どもにとっては必要なプロセスなのです。

親としてできるのは、完全に止めずに見守ることですが、あくまで見守ることは理想論だと感じることもあります。

それが簡単にできるのなら不安な気持ちや戸惑いにもならないと思います。

生活リズムなど守るべき枠を考える必要性はあると思いますし、まずは心の中で「今は整えている時間だ」と理解して待つことで、親の不安も少しずつ落ち着いてきます。

 

親の不安は「子どもの問題」ではなく「見通しのなさ」から生まれる

宿題や生活リズム、将来への心配など、先の見えない状況は親の不安を強くします。

「何しているの?」とつい声をかけてしまうのは、子どもを責めたい気持ちからではなく、親として安心したい気持ちの裏返しです。

まずは、自分の不安がどこから来ているのかに気づくことが、葛藤をやわらげる第一歩になります。

あなたの不安はどこからきていますか?

 

理解しきれなくても、そばで待つことの大切さ

どんなに観察しても、子どもの全ての気持ちや行動を理解することはできません。
集中して絵を描く姿も、親には「なぜそこまで?」と恐怖や不安に見えるかもしれません。

それでも、無理に急かしたり介入したりせず、そばで見守ることは、子どもの個性を尊重する上でとても大切ですが、そこも難しいところでもあります。

心理学では、子どもが安心して「自分のペースで行動できる時間」を持つことが、自己肯定感や集中力の育成につながるとされています。

親が完全に理解できなくても、「今はこの子なりに整えている時間だ」と受け止めて待つことが、親子関係を穏やかにし、子どもの成長を支える第一歩になります。

親の不安や戸惑いは、決して間違いではなく悪いことでもありません。

なぜなら子どもにたいする愛情があるがゆえのことだからです。

「つい急かしてしまう自分」も、「尊重したい自分」も両方正直な気持ちです。

大切なのは、葛藤に気づきながら、子どもの個性を尊重して見守ることで、その積み重ねが、親子双方の安心と信頼を育んでいきます。

 

親の感情を押し込めないことも、子どもへの大切な関わり

「また急かしてしまった」
「優しくできなかった」
と自分を責めてしまうこともあるでしょう。

けれど、親の感情をなかったことにしようとするほど、苦しさは増えてしまいます。

大切なのは、
「私は今、不安なんだな」
「先が見えなくて焦っているんだな」
と、自分の気持ちに気づいてあげることです。

感情に気づくだけでも、子どもへの言葉のトーンや関わり方は少しずつ変わっていきます。

 

「マイペース」は弱さではなく、力になることもある

今は時間がかかっているように見えても、自分のペースで納得しながら進める力は、将来大きな支えになることがあります。

周囲に流されず、自分の感覚を大切にできることは、これからの時代に必要な力でもあります。

親がすぐに安心できる結果は見えなくても、子どもは確かに自分の中で育っています。

完璧に理解しなくても、完璧に見守れなくても大丈夫です。

迷いながら、戸惑いながらでも、子どもを思っているその気持ち自体が、親子の関係を支えていきます。

あなたの子育てを応援しています。

 

次回は、吉村ひろえカウンセラーです。
どうぞお楽しみにしていてくださいね。

 

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恋愛、人間関係全般のカウンセリングを得意とし、安心感と受容をクライアントに常に提供し、何でも話せると好評。より楽に心が軽くなるカウンセリング。感受性が高くクライアント本来の輝きを導き出すことも得意。カウンセリング信条は「諦めなければ願いは必ず叶う」である。