なぜ私は傷つく恋愛ばかりを繰り返してしまうのか?
また同じような人を好きになってしまった。
大切にされない恋愛をなぜか繰り返してしまった。
そう感じたことはありませんか?
恋愛で何度も傷ついているのに、気づけば似たような相手に惹かれてしまう。そんな自分を責めてしまう人はとても多いです。
でも、これはあなたの心が弱いからでも、見る目がないからでもありません。じつはそこには、深い心理的な理由があるのです。
◆傷つく恋愛は、無意識の選択
恋愛は感情が強く動くものだからこそ、私たちは理屈だけでは説明できない選択をしてしまいます。
たとえば、優しくて誠実な人よりも、少し冷たくて追いかけたくなる人に惹かれてしまう。あるいは、傷つくとわかっていながら、連絡の来ない相手を待ち続けてしまう。
これらは、あなたの無意識の中にある心のパターンが影響していることが多いのです。誰かに大切にされた経験が少ないほど、それを受け取ること自体に抵抗が出てしまうこともあります。
また、情熱や刺激を「愛」と誤解してしまうこともあります。不安定さや不確実さのなかで感じる高揚感を、愛情と勘違いしてしまうことがあるのです。
◆過去の体験が恋愛に影響している
心理学では、幼少期の家族との関係が、その人の人間関係や恋愛傾向に強く影響すると考えられています。
たとえば、子どもの頃に親からの愛情を十分に感じられなかった人は、私は愛されない存在だという思い込みを心に抱えてしまうことがあります。
その思い込みが根っこにあると、大人になってからも大切にされない恋愛を自ら選んでしまう傾向が出てくるのです。
冷たくされたり、ぞんざいに扱われたりすることで、むしろ安心するような心理も働きます。なぜなら、それがあなたにとって慣れ親しんだ愛の形だからです。
また、親が感情的に不安定だったり、否定的な言葉を日常的に使っていた場合、自己肯定感が育ちづらくなります。
すると、大人になってからも大切にされることに罪悪感を感じる、幸せになってはいけない気がするといった感覚がつきまとうのです。
自分がどのような家族関係の中で育ってきたのかを振り返ることは、恋愛の傾向を読み解く上で大きなヒントになります。
◆自分の内側を映す鏡としての恋愛
私たちは無意識のうちに、自分の心を相手に映し出します。これを心理学では投影と呼びます。
たとえば、自分のことを無価値だと思っていると、相手にその思いを映し出し、私は大事にされない、こんな私を好きになる人なんていないと感じてしまう。
そしてその心の状態にぴったり合うような相手を引き寄せたり、選んでしまったりするのです。つまり恋愛とは、自分自身の心を写す鏡のようなものでもあります。
自分をどう扱っているかによって、相手からの扱い方も自然と似たようなものになってしまうのです。
自分を粗末に扱えば扱うほど、相手も同じようにあなたを軽んじる可能性が高まります。反対に、自分を丁寧に扱うようになれば、その変化に合う相手と出会いやすくなっていきます。
◆恋愛を通して癒されるということ
傷つく恋愛を繰り返してしまう人にとって大切なのは、まずそのパターンに気づくことです。
自分がどんな相手を選びやすいのか。
その相手に対して、どんな感情を抱いてきたのか。
そこには必ず理由があります。そしてその多くは、過去に自分が経験した心の傷や満たされなかった思いと深く関係しています。
カウンセリングなどを通してそのパターンを丁寧にひも解いていくことで、自分は悪くなかったのだと感じられるようになり、心の深い部分で癒しが起こっていきます。すると自然と、これまでとは違う相手や関係性を築けるようになっていくのです。
本当の意味で癒しが進んでいくと、かつて惹かれていたような相手に魅力を感じなくなることもあります。それは、あなたの内側が変化した証拠でもあるのです。
◆新しい恋愛を選ぶ力を育てるために
あなたはもう、我慢しなくていいし、傷つかなくていいのです。本当の愛は、あなたを不安にさせたり、無視したり、傷つけたりしません。
まずは、自分が何を望み、どんな扱いをされたいのかを、はっきりと自覚すること。そして、自分に優しく、丁寧に接すること。
それができるようになると、あなたの心は変わり、選ぶ相手も自然と変わっていきます。恋愛はただ傷つくものではなく、自分を知り、癒していくプロセスでもあります。
あなたが本当に望む愛を選べるようになる日が、必ずやってきます。そのときは、これまでの経験すら、自分を知るために必要なものだったと感じられるでしょう。
その一歩は、自分を大切にするところから始まるということを、どうか忘れないでください。
(完)