「やっぱり学ぶべきは、アイツやん!!」
 そう思って洗い物をしている途中、握っていた食器洗いのスポンジをシンクに投げつけていました。
 パートナーシップの問題で、ヘトヘトに疲れきっていた当時、たまたま見つけたこのカウンセリングサービスの心理学講座。
 それを熟読し、自分でいろいろ試してはみたものの、状況は良くならず
 「そんなに癒し癒しというのなら癒してもらおうじゃないか。
 愛と親密感?そんなものがあるのなら感じさせてもらおうじゃないですか!」
 と通いだしたカウンセリングサービスの母体である神戸メンタルサービスのカウンセラー養成スクール。 (養成スクールでは、まずは自分自身を深く癒すことに取り組みます。
)
 ある日の講座終わりに、
 ・いかに元夫がとんでもないことをやらかしたか
 ・どれだけの暴言を私に吐いたか
 ・それについて心理学的にどういうことが言えますか?
 と、弊社社長の平に訴え、質問しました。
 社長は黙って耳を傾けたのち、一言
 「そこから君が何を学ぶかやなっ」
 その後もうひと仕事残っていたのか、他になにか予定が入っていたのか、社長はスタスタと足早にその場を去って行ったのでした。
 何かを期待していたワケではないのですがもう少し、励ましの言葉であるとか、労いの言葉であるとか、元夫の心理であるとか、ナニゲに同情的な言葉が返ってくるだろうと思っていたところ、まさかの
 「君が何を学ぶかやなっ」
 と、キッパリあっさり。
 しかも若干爽やかだったような・・・
 けれど、なにか一瞬 「ハッ!!」 としたのです。
 何かに気付かされたような、気付いた瞬間かき消されたような・・・
 それから 「君が何を学ぶか」 の言葉が頭から離れません。
 「私が?そんな踏んだり蹴ったりの目に遭った私が学ぶ?
 いやいや、なにを学べとおっしゃるのだ?もう、精も根も尽き果てたわよ?」
 「浮気したのは元夫で、嘘をつき倒していたのも元夫で、私は悪いことはしていないはず。
 なのに学ぶ?私が???」
 グルグルと3日程考え込み、さっぱり意味が解らず、とうとう洗い物をしているときに
 「やっぱり学ぶべきは、アイツやん!!」
 と思わず声が出て、食器洗いのスポンジをシンクに投げつけたのでした。
 「私が学ぶのではなく、ヤツが学んだらいいねん!
 嘘はつくわ、浮気はするわ、その曲がった根性を叩きなおし、人としての心を取り戻すべきはあの男であり、私ではなくアイツがスクールに通うべきだ!!」
 と、そう結論付けてから途中で投げ出した洗い物の続きへと取り掛かったのでした。
 今なら解るのです。
 私が学ぶことはたくさんあった、と。
 いえ私にとっては、学ぶべき、と言ったほうが正しいかもしれません。
 あの頃の私は元夫の言動に囚われ、自分の痛みにしか目を向けれず、全ては元夫のせいだ!と自分の正当性を主張していました。
 けれど、そういう時期も必要であったのだろうと思うのです。
 痛みにどっぷり浸かり、苦悩し、怒りに翻弄され、誰に何を言われようと 
 「さっぱり解らん!」 
 と、スポンジをも投げつけてしまう時期。
 ・・・まぁ、無いに越したことはないですが。
 けれど、「君が何を学ぶか」 という言葉はずっと私のどこかに引っ掛かっていました。
 そこにはいろんな意味が含まれていたのだと思います。
 『自分の本当の感情に素直になってごらん』
 ということかもしれないし
 『人を恨むより理解する目を持ってごらん』
 ということかもしれないし
 『被害者意識の中に留まらずとも君はそこから抜け出す力を持っているだろう』
 ということかもしれません。
 誰かに言われたひとこと、なにかで読んだ一節に、「ハッ!」 と思ったり 「おぉ~」 と感心したり 「ムッ!」 ときたりすることもあるかもしれません。
 ですがその時は解らなくても、そういう言葉は後から 
 「そうかっ!そういうことだったのか!!」 
 と気付きや学びをもたらしてくれることが多いです。
 それを実感した時、なぜかしら腹の底から笑いが込み上げてくるような感じでしょうか。
 みなさんもそんな、なにか引っ掛かる一言に出会ったときはその言葉を大事にしてみてください。
 その時は受け入れがたくとも、です。
 すぐには腑に落ちなくても、後から 「なるほど!」 と思うことがあるかもしれません。
 そうなったら儲けモノです。
 ただ、私に気付きをもたらし、学びにすることが出来るきっかけとなった社長のあの一言が、
 『コイツの話はいつも長い。お腹も空いてるし、早くこの場を切り上げよう』 
 という考えから出た一言ではなかったことを切に願う今日この頃であった・・・。
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2件のコメント
昨日私の相談に回答いただいたものを読ませていただき、色々な事をまた考えていました。
今日、このコラムを読み、気づいている事がたくさんありすぎるほどあるのに、どうしても気持ちがついていかず、また同じ状況に居続けている自分が嫌になってきます↓
すみません、なんだか中途半端なコメントになってしまいました。
ききさん、コメントありがとうございます。
ききさんの心がいっぱいいっぱいで動けなくなってしまっているのかもしれませんね。
よかったら、心の荷物を降ろすお手伝いをさせてくださいね。
ききさんの幸せを願っています。