イラつく相手と出会った時は自分を知るチャンス

私たちは本来、気分よく仕事をしたい、日常生活を過ごしたいと思っていますが、イライラしてしまう相手に出会うことがあります。
職場であれば部下に対して、「どうしてそれができない?」「なぜそうなる?」「そうじゃないだろ」と些細なことにイラついたり、憤りを感じることもあるでしょう。
同僚、先輩には、「もっと協力してくれないかな」「言い方を考えてくれないかな」などと思うこともあるかもしれません。

相手の態度や対応によっては声を荒げてしまい、気まずい思いをしたり、そんな態度をとってしまった自分に嫌悪した経験を持つ方もいらっしゃると思います。

誰かに対してイラつくことは自分自身を不快な気持ちにさせてしまいます。
そんな気分で仕事や何かをするのは楽しくもないですし、イラついているとミスを誘発することにもなりかねません。

誰かにイライラする時、それは自分がもっている考え方や価値観が異なっているから起きるものです。
言い換えれば、心の奥にある自分にとっての常識、思い込みに気づくきっかけになるのです。

自分が誰かに、何かにイラついてにしまう時、自分自身について知るチャンスと捉えてみるといいのではないでしょうか。

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どんな時、どんなことにイラつきますか?

あなたがイラつくポイントは何でしょうか。
今までにあったことを思い出して

たとえば、
・挨拶をしない
・遅刻する
・すぐ言い訳をする
・周りのことを考えない、協調性がない
・ほんの少し体調が悪いとすぐ休む

など、ほんの一例ですが、もし相手が変わっても同じようなことでイライラしたり怒りを感じるのであれば、それは自分を知る大切な手がかりとも言えます。

イラついた気持ちの下にあるものは何でしょうか。

あなたがイラついた気持ちの下にあるものを考えてみましょう。

たとえば、朝出社していつも挨拶をしない人がいるとして、その人に対して「挨拶ぐらいしろよ」と少し怒りを感じるとすれば、あなたは「挨拶はするべきもの」と強く思っているのかもしれません。

会議の日程を決めるのに各々が自分の都合ばかりを優先している時、もしかしたらあなたは自分の予定を調整してでも日程を合わすことが多いなら、あなたは人の都合に合わせてあげたい、合わせなきゃいけないと思っているのかもしれません。

電車遅延でしょっちゅう遅れてくる人や始業2,3分前に毎朝出社する人を見ると、始業30分前には必ず席についているついているあなたからすると、「電車が遅れることも考えて早く家をでればいいじゃない」なんて思うかもしれません。
その苛立ちの下には「会社に遅刻はしてはいけないもの」「始業時間にはすぐ仕事を始められるよう早めに出社して準備をしておくべき」という気持ちがあるといえます。

あなたのイライラの下にある本当の思いに何か気づけたでしょうか?

多くの場合、イライラの下にあるものは「こうでなければならない。」「こうすべき、こうあるべき」「〜してはいけない」というあなたの中にある強固な常識やルールといったものになります。

あなたの中にある常識やルールを守らない人、軽んじている人に出会うと、「私はこんなに頑張って守っているのに、そんな簡単に守らないなんて許せない!!」と心のどこかで感じているのです。

隠れていたあなたの常識やルールは本当に必要なものですか?

イライラの元がわかると、今までとは違うことを選ぶことができます。
先に述べた遅刻の話でいうと、誰かの遅刻を見てイライラするのが「遅刻はいけないもの」と強い信念を持っていたのなら、それを少し緩めることで気持ちは少しラクになります。

遅刻はいけないこと⇒遅れてしまう状況もある、ギリギリの出社でも人によっては始業時間から仕事を始められることもあるのかもしれない。
こんなふうに緩めてみると、感じ方が変わってくるのではないでしょうか。

仕事とはかけはなれた例えになりますが、たとえば卵焼きの味付けなどは地域によって甘いものかしょっぱいものか違いがあるといいますよね。
あなたが育った地域や家庭での味付けによって、「卵焼きは甘いものだ」と思い込んでいると、しょっぱい卵焼きを口にした時に「こんなのあり得ない。卵焼きじゃない」と怒りたくなるかもしれません。

だけど、地域によって味が違うんだということを知ったなら、「これも卵焼きなんだ」と思えますよね。
そうすると、許容範囲が広がりますし、自分の好みも再認識できるわけです。

やってみたけれどやっぱり自分の決めているルールや信念は変えられないと思うならそれでもいいのです。
ただし、あなたにとっての正しいことが必ずしも心地よいわけではないかもしれないことは心に留めておいてくださいね。

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自分がいつのまにか身につけてしまった常識、ルール、価値観ゆえにイライラや怒りを感じやすいとしたら、それを新しいものに変えてもいいのです。
イライラを感じやすい自分から、穏やかな気持ちで日々を過ごす自分になると気持ちが自ずと余裕も生まれ、人に対して柔らかな態度で接することもできるようになります。
そうすると円滑な人間関係も構築しやすいものです。

イライラする相手や何かは、新しい自分になるための手がかりとしてみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己否定、自己嫌悪、疎外感、自己肯定を得意とする。「その方の心に寄り添い、一番の味方でいること(安心感)」をモットーに、わかりやすい言葉で恋愛問題や対人・自己との関係を紐解き、改善・生き易さへと導いている。  東南アジア2カ国での生活経験もあり、国や文化の違いについても造詣が深い。