子どもが生まれたとき、私たちは同時に「お母さん」と「お父さん」になりました。
でも、同じように二人で親になったはずなのに、気づけば「なんで分かってくれないの?」って旦那様に思うことが増えていく。
旦那様には悪気がないのに、ママは「私ばっかり」と感じてしまう。
ほんの少しのズレが、やがて“心の距離”になることもありますよね。
でもどっちが悪いというわけじゃなく、男女の感じ方・考え方の違いから起きている自然な反応なんです。
今日は、「育児期にすれ違いやすい夫婦の心の距離」をカウンセラーの視点からひもといていきますね
「私ばっかり頑張ってる」と感じるとき、心の中で何が起きているのか
・「やらなきゃ」が止まらないママの心理
子どもが生まれると、女性の中に“母性のスイッチ”が入るようです。それは「守る」というモードです。子どもの安全を最優先に考える本能的な反応なの。
でもそのスイッチが強すぎると、
「自分がやらなきゃ」「夫に任せると心配」
って、全部を抱え込みすぎてしまうことがあります。
本当は、休みたい。でも“母親なんだから”と自分を責めてしまう。そんなママの「頑張りすぎ」は、優しさの裏返しなんですよね。
・「助けて」が言えないのは、弱いからじゃない
多くのママは「頑張ってるね」と言われるよりも、「いつも見て知っているよ」「分かってるよ」と寄り添って欲しいんじゃないかな。
でも男性は「どうしたらいいの?」という “解決モード”で動いちゃう。
女性が“共感”を求めているときに、男性が“アドバイス”。
それが、「分かってくれない!」という怒りや悲しみに変わっていく。
つまり、すれ違いの正体は“愛情の欠如”ではなく、
承認のズレ
なんですよね。
夫が“他人みたい”に見えるのはなぜ?
・男性が動けなくなるのは「否定される怖さ」があるから
男性は、女性に信頼されていると感じるときに一番動けるものなんですよね。
ところが、ママはつい無意識に出しちゃうんです。
「もういい、自分でやる」「どうせ分かってないでしょ」というサインね。
それは、夫にとって “否定” に聞こえてしまうようなの。
すると、彼の中で、
「やっても怒られる」「どうせ失敗する」
と怖さが生まれ、そのまま“何もしない夫”に見えてしまう。
でも本当は、「関わらない」んじゃなくて「怖くて動けない」んです。
・「手伝う」ではなく「一緒に育てる」と意識を変える
「夫婦はチーム」
なんですよね。
ママが監督で、パパが助っ人ではありません。どちらも“同じチームの選手”。
「手伝ってくれてありがとう」ではなく、
「一緒にやってくれて嬉しい」と伝えるだけで、夫の中の“自分も家族の一員だ”という感覚が戻ります。
男性は“頼られること”で愛を感じる生き物です。それをほんの少し意識するだけで、関係の空気は変わります。
“親”である前に“夫婦”でいるということ
・子どもがいても恋人みたいでいていい
子どもが生まれると、ママはどうしても“お母さん”モードになりやすいです。それは自然な流れです。
でも、夫婦が完全に「親だけ」になってしまうと、心理学的には「安心しすぎた関係」になって、ときめきや優しさが薄れていくものなのね。
だからこそ、日常の中に少しの“ふたり時間”を戻してほしい。
「今日ちょっとコーヒーでも飲む?」
そんな小さな声かけで、空気がやわらかく変わります。
・完璧より「チームで育つ夫婦」を目指そう
完璧なママ、理想のパパを目指すより、「ドタバタでも笑えるチーム」でいること。
心理学では、人の心は「安心できる場所(安全基地)」があると、自然に回復し、成長できると言われています。
あなたが笑えるときも、泣けるときも、隣で“同じチームの仲間”としていてくれる夫。それが、子どもにとっても一番の安心になります。
夫婦関係は、勝ち負けでも、我慢でもなく、“一緒に育っていく”プロセスなんです。
子育て中のすれ違いは、誰にでも起きるもの。それは、愛が足りないからではなく、「愛の伝え方」が違うだけ。
お互いに「初めての親」だからこそ、うまくいかないことも、笑い飛ばしていいんです。
少し立ち止まって、「夫婦でこの子を育てていくんだ」と思い出せたら、きっと今日よりも、優しい気持ちでいられると思います。
今回の私の記事が、子育て中の皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。
次週は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。