こんなにイライラするのは、私だけ?

お母さんの立場でなかった頃は、ずっと厳しい目で見ていたと思います。
自分の子どもに厳しく関わっていたお母さんたちに対して。
なんでそんなにイライラをぶつけるんだろうって。
まだ独身時代のことです。
でも子どもが出来たら自分も時々そうなっていました。だけどこういうのは親にならないと分からないことかもしれません。
経験すると嫌と言うほど思い知らされる。そして分かるようになりました。
これはすごく深い親の愛情ゆえなんだってこと。
今日はそんなお話です。

なぜ子どもの一言に、こんなにイライラしてしまうの?

・子どもは悪気がないのに、親だけが爆発する不思議

「早くしてって言ってるのに!」
「もう何回言ったらわかるの!」
「ちゃんと聞く気があるの!?」
って。気づいたら声を荒げてしまって、その時は本当にすごいイライラしてしまっている。
だけど子どもはどこ吹く風??
親のイライラをよそに、子どもにとっては親の怒りよりも、いつの間にか友だちと通信ゲームとか。反省してるようでしていないようにも見えてしまう。
そういうのを見ると更にイライラしちゃうこともあるよね。
親になれば誰だって経験することではないでしょうか。
けれど、しばらくして冷静になると、
「ああ、また怒っちゃった…」って、親の方はすごく落ち込んでしまう。
これ、ほんとに“子育てあるある”ですよね。
子どもはケロッとしてるのに、親だけがぐったりしちゃうんです。

 

・「嫌いだから怒ってる」わけじゃない

そんなイライラしてしまう日々の中、怒りすぎる自分に対してふと思ってしまう。
「私って母親失格なのかも」
「他のお母さんはきっと、もっと上手にやっているんだろうな」
そんなふうに責める方も多いです。
自分の子どもだけがこんなに言うことを聞かない。
この子だけが、こんなにいつも同じことを言われてそれがずっと出来ない。
それは、私が母親としてなにか大きな欠点があるからだろうか。
私は子どもを愛せない親なんだろうか。
そんなふうに考えてしまう方もおられます。本当にしんどいよね。
でも実はそれ、子どもを愛せないとか、子どもを嫌いだからじゃないんです。
ましてや、あなたに欠点があるとかないとか、そういうことじゃないんですよね。
心理学的に見ると、もっと別の理由があるんですよ。

 

イライラの正体は、“自分の中の小さな自分”

・子どもの姿に、忘れていた昔の自分が重なる

例えば、子どもが宿題をやらずにダラダラしているとき。
その姿に、自分が子どもの頃に「ちゃんとしなさい!」って、自分のお母さんやお父さんに言われた記憶が重なることがあります。
「やらなきゃダメ」「ちゃんとしなきゃダメ」と言われ続けてきた自分。
その自分が刺激されるから、つい目の前の子どもにも強く反応してしまうんですよね。

 

・怒りは“心を守るサイン”だった

怒りというのは、防衛反応なんです。
「これ以上イヤな思いをしたくない!」という心の中の小さな自分が、必死に自分を守ろうとしているの。だから子どもに怒っているようで、実は自分を守っていたんですよね。
親って子どもと接していると、自分のこころの中の幼い頃の記憶と無意識に繋がってしまうことがあるんです。
ちょっと難しいけれど、意外な見方かもしれません。

 

怒ってしまう親ほど、実は子どもを愛している

・怒りの奥には『大事にしたい』思いがある

子どもを放っておけないからこそ、親は怒ります。
これが他人の子であれば、そこまでの怒りは出ませんし、むしろ優しく出来るかもしれません。自分の子どもほどの感情が入らないですからね。
「ちゃんと育ってほしい」「困らないようにしてあげたい」
そういった思いは、自分の子どもには強く出るものです。その思いゆえ声を荒げてしまうんです。それは親になれば、多くの方が経験してしまうものなんですよね。

 

・イライラは、自分を癒すきっかけにもなる

怒ったあと、「あぁ、やっちゃった」と自己嫌悪になるかもしれません。そんな自分をすごく責めてしまうこともあるかもしれません。
でもそれは、あなたの中の小さな自分が「気づいて」とサインを出した証拠でもあるの。「私、よくやってるよね」「愛してるから反応しちゃうんだ」
そう受け止められたら、イライラはただの失敗じゃなく心を癒すきっかけになります。

皆さんそうなんです。子どもへのイライラは、子どもを愛してないとか嫌いとか、自分がいい母親じゃないとか、自分の子育てに問題があるとか、そうじゃないよ。
むしろ愛しているからこそ、私たち親は反応しちゃうの。
そしてその怒りの奥には、“ずっと頑張って来た昔の自分” がいるの。
だからそんな自分を責めるどころか、認めて応援してあげて欲しいです。
イライラがあるほどに、あなたはあなたなりに一生懸命頑張って来たの。それは間違いない事実ですからね。

今回の私の記事が、子育て中の皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。

次週は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

 

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About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。