子どもへの願い
我が子への願いとして
・健康であってほしい
・自分や周りを大切に出来る子であってほしい
・たくましく生きる力を身につけてほしい
・自分らしく意欲的に生きてほしい
など、いろいろな思いがあると思います。
「いつも元気で明るく、優しい子に育ってほしい」
多くの親が子どもに願っているのではないでしょうか。
けれど子どもも当然、落ち込むことはあります。
・友だちとケンカした
・先生に怒られた
・テストの点数が悪かった
・失敗を経験した
そんなとき、辛そうな子どもを見ていると
「なんとかしてあげたい」
と親が子どもの問題を解決してしまいたくなったり
「落ち込んでいても仕方ないから前向きになろう」
と子どもの今の気持ちよりも親の要望を押し付けてしまいたくなることもあるかもしれません。
落ち込みを乗り越えて成長する
私たちの心は、失敗や挫折、落ち込みを経験し、それを乗り越えようとするときに大きく成長します。
それは大人も子どもも同じです。
親は、子どもが落ち込んで辛そうにしている姿を見るのは苦しいのでなんとか救ってあげたい、早くそこから立ち直ってほしい。
そう願うかと思います。
当然の心情です。
けれど、子どもが落ち込んで傷ついたときは、しっかりその落ち込みと傷つきに子ども自身が向き合うことによって、子どもの心が成長するのです。
子どもが辛い経験をしていると、親としてはどうしても心配が先立って過剰に反応してしまい ”転ばぬ先の杖” になってしまうことがあります。
ですが、子ども自身が味わう痛みの感情があるからこそ、人の痛みや弱さにも寄り添えるようになっていくのです。
いつもあなたのことを思っている
子どもが落ち込んでいるとき、親としては子ども自身がその体験からなにかを学び取って乗り越えるのを、信じて待つしかないわけです。
なんとか助けてあげたい、力強く乗り越えてほしい、と願うものですが、子どもの心の状態をコントロールは出来ません。
優しい子は親を安心させたくて元気なフリをすることもありますが、それは子どもにとっては大きな負担になります。
本当の辛い気持ちに蓋をして無理をしてしまうので、子どもの自分という輪郭がどんどん曖昧になって感情や感覚がわからなくなってゆくのです。
子どもが元気なときも、そして落ち込んでいるときも ”ちゃんと見守られている” そんな親の思いが、言葉にしなくても子どもに伝わっていればそれがベストです。
元気がないな、なにか落ち込んでいるな、と思ったときは「なにがあったの?」「どうしたの?」と無理に聞き出そうとせずに子どもから話しやすい雰囲気をつくってみることをおススメします。
「ケーキ買ってきたから一緒に食べよう」
「大丈夫? いま、どんな気持ち?」
そんな声掛けでも気持ちは伝わると思います。
聞き役に徹する
子どもに元気がないと親としては気掛かりですが、こういうときはひたすら聞き役に徹することが大事。
子どもが話しだしたら、良いも悪い正しい間違いなどのジャッジもアドバイスもせずに、出来るだけ子どもの気持ちに寄り添い共感しながら話しを聞きます。
「んー、それはちょっとワガママだな」
「それは違うでしょう」
もし内心そう思ったとしても、子どもが感じているであろう悲しみや惨めさ、不甲斐なさや悔しさなどの感情をすべて吐き出して、受け止めてあげることが最優先なのです。
心のなかの不安、不満、歯がゆさなど、モヤモヤとしたものをしっかり受け止めてもらったという実感があると子どもは安心します。
今の、ありのままの自分でOKなんだと思えるからです。
この安心感と自己肯定感が心の基礎がしっかり出来上がってきます。
そうすると親がアドバイスしなくても子どもは自分の力で乗り越えよう、立ち上がろうとするのです。
人間的にもグンと成長します。
親にとって、子どもが落ち込んだり傷ついたり悲しむのはとても怖いことです。
けれど、そういうときは親の ”黙って見守る強さ” を子どもによって鍛えられています。
親も、子どもと一緒に葛藤を乗り越え心が成長する機会になります。
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来週は、朝陽みきカウンセラーがお送りいたします。
どうぞ、お楽しみに♪