「お母さんが面倒すぎる!」の心理的な対処法

苦手意識を軽減させるため、あなたにできることがあります

母子関係の問題は、母は大人で自分は子どもだという認識によって生じることがあります。
「もっとこうしてほしい」「なぜしてくれないんだ」という不満は、自分には現状を変える力がないので、お母さんに変わってほしいという思いであるといえますが、大人のあなたはそんなに無力なはずはないのです。

お母さんが面倒すぎる。あなたは、そんなふうに感じることがありませんか?

頻繁に連絡してくる。
いつも同じ愚痴を聞かされる。
いまだに私の行動にいちいち文句を言う。

もう、面倒すぎる!
そんなあなたに、今日は心理的な対処法をご紹介します。

◇ お母さんが面倒すぎる!の心理

お母さんが面倒すぎる!と感じる心理として代表的なのは、「私をひとりの大人として認めてくれてないじゃないか!」という怒りです。

たとえば、お母さんがお父さんやご近所さんの愚痴を延々と言ってくるなどという場合、子どもの頃のように私が黙って聞いてあげると思って、いい気になってるんじゃないの?と思ったり。

最近お付き合いを始めたあなたの彼氏について文句を言ってきたり、転職したいとあなたは言ってるのに今の会社でもっと頑張ったほうがいいんじゃないの?と口を出してきたり。

もう子どもじゃないんですけど!放っておいて!
と言っても埒があかないし、イライラがマックスだという方もいらっしゃるかもしれません。

・かつては他に方法がわからなかった

お母さんが大好きで、お母さんがすべてで、お母さんが正だったあの頃、お母さんを助けたくてたくさん話しを聞いたかもしれません。お母さんに好きになってもらいたくて、お母さんの言う通りにしてきたかもしれません。

成長してみると、お母さんは正しいわけじゃないとわかったのに、今もなお、かつてのように私に従順でいることを求めているようで、それがどうにもウザイ。成長した私を認めてくれないのね、と思うとせつなくも悲しいと感じる人もいるかもしれません。

お母さんを好きなのは変わらないし、お母さんを助けたい気持ちはあるけど、今までのやり方ではキツイ。かつてはお母さんの言う通りにするしか他に方法がわからなかったけど、別のやり方があるなら知りたい。そんな気持ちかもしれません。

◇お母さんが面倒すぎる!という思いを軽減するための対処法

お母さんが面倒すぎる!という思いを軽減させたいならば、以下の対処法をためしてみることをおすすめします。

・「くれてない」と文句をいってることに気づく

お母さんが面倒すぎる!と感じるとき、あなたが心の中で「くれてない(もらえてない)」と文句を言っていることに気づこうとしてみてください。

「私をひとりの大人として認めて【くれてない】じゃないか!」

「私のことを愛して【くれてない】じゃないか!」

など、お母さんを面倒すぎると感じる気持ちの下にある文句に意識を向けてみましょう。

文句があると思いたくない、思ってはいけない気がするという方もいらっしゃるでしょう。しかし文句があるのは悪いことではありません。

文句があるのに無いふりをするより、よほど良いのです。なぜなら文句があると気づくことができれば、次のステップに進めるのですね。

・「くれてない」ものを、あげる

「くれてない」という文句に気づけたなら、お母さんが「くれてない」ものを、お母さんにあげようとしてみましょう。

たとえば「愛してくれてない」と文句があるならば、愛してもらおうとするのではなく、逆に愛そうとするということです。

私たちの心は、物理的な法則と逆で、与えれば与えるほど増えるといわれています。

愛して「くれてない」という文句は、愛が不足していて苦しいから、その人から愛をもらわなければならないと感じているといえるのですが、

愛は「もらう」のではなく「与える(あげる)」ことで、自分の中の愛が増え、不足感にともなう苦しさや文句を軽減させることができるのですね。

◇面倒すぎるお母さんを克服する秘訣は、お母さんをひとりの大人として認めてあげることです

面倒すぎるお母さんを克服する秘訣は、ひとりの大人としてのあなたが、ひとりの大人としてのお母さんを認めてあげることです。

つまり大人同士の関係になることです。

お母さんを親(大人)、自分は子ども、ととらえると(もちろん親子であることに変わりはないのですが)、子どもポジションのあなたは依存の立場をとることになり、大人ポジションの親は私に何かをしてくれるべき人だと感じます。

何かをしてくれるべき人は、「思ったようにはしてくれない人」と不満に感じてしまうので、面倒なお母さんには逆に、ガミガミ文句を言ってしまうこともあるかもしれません。

ガミガミ言いたいわけじゃないのに言ってしまったと落ち込むこともあるでしょう。

そうならないためには、大人同士の関係になると良いようなんですね。

具体的にはあなたの親友に対する態度をイメージしてみてください。

親友が頻繁に連絡してくるなら、「忙しくてあまり時間を割けないけど、いつもあなたのことを思ってるからね」なんて言うかもしれませんよね。

親友から愚痴を聞かされるなら、「大変な思いをしてるのね」と寄り添ってあげようとするかもしれません。

親友があなたのプライベートに必要以上に口出ししてくるなら、「心配してくれてありがとう。でも自分のことは自分で決めるね。」と返すかもしれません。

大人同士の関係は、適切な心の距離感を意識しながら、相手も自分も大切にすることではないでしょうか。

子どもの頃のやり方ではなく、大人としてお母さんを大切にできるようになったときに、お母さんが面倒すぎる!と苦しむことが減っていくのかもしれませんね。

難しいなと思うときは、ひとりでやらずに、カウンセラーなど信頼できる人にサポートしてもらってくださいね。

(完)

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この記事を書いたカウンセラー

About Author

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。 「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。