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Lecture.823-3

あなたの大切な人をもっと大切にするために(3)〜あなたが「愛」に触れられない理由〜

講師:浅野寿和

どこか私たちの心の中で「ネガティヴなセルフイメージが出来上がっている」と、どうしても「自分の内面ばかり見ている」状態になってしまうことが多いんです。こんな私はきっと愛されない、こんな私ではダメなのではないか?この不安を開放すれば相手にきっとネガティヴな影響しか与えない・・・そんな今の私がよくない、と感じていることなんですね。
このような心の状態がつづいていると、大切な人との問題を深刻にしていき、あなたが本来感じたい愛情を感じられない理由になっていることが少なくないのです。そして、本当は愛したいけれど、もう怒るしかない、拒絶するしかない・・・といった状態になることもあるのですね。

Keywords
怒るしかない 防衛 自己価値 痛み 愛 

■今回は「本当は大切にしたい人を、大切にできない葛藤」についてもう少し突っ込んでテキストを書かせていただきます。

まず一つの事例を使ってお話ししたいと思います。

例えば以下のようなパートナーシップのご相談があったとしましょう。

K子さん(仮名:30代女性)が、このような恋愛のご相談をくださったとします。

「結婚を予定していた彼と大ゲンカしてしまったんです。私もマリッジブルーというか不安が募っていたんですけど。
そもそもケンカのキッカケは些細なことなんです。でも、つい私も感情的になっちゃって、彼も怒りだして。
それから彼にSNSやメッセージを送っても、電話をしてもなかなかつながらないんです。もう不安で不安で。なんであんなことをやってしまったんだろう・・・と後悔ばかりで。
彼にはちゃんと謝りのメールをしたんですけど・・・。あれだけ仲良くしていたのに突然こんなことになるなんて。」

例えば、こういった問題と直面すると悲しみや怒り、不安やどこにぶつけていいのかわからないモヤモヤも生まれると思うんですね。こういった感情に心を傾けることを私たちカウンセラーは行うことがあります。

が、これは問題が起きた結果、ご相談者様に芽生えた感情と考えることができますね。

 

ここでもしこの問題を「K子さんに分離感が必要だったのでは?」という視点で見つめていくとこのように考えることはできないでしょうか?

「彼が連絡を取らない・・・つまり結婚を約束したその人と分離してでも守らなければいけない気持ちがある」としたら?

この「分離したい=感じたくない隠しておきたい気持ち」と思う気持ちがあるから、今、問題が起きていると考えることができるんです。

しかし実際のK子さんはそう冷静になれるわけではなく、K子さん側には「愛されていない?」「結婚を嫌がられた?」「私って駄目な女性なの?」といった疑いがたくさん沸いてきます。

でも実はこのK子さんの疑いこそ、「彼の前で隠して置きたかった・表現できなかった気持ち」であった・・・そんなケースも多いんですよね。

どこかK子さんは彼を思い、二人の幸せを考えたとき、「自分の中の不安・疑い」を表現しなくなったようなんですね。なぜなら「幸せになるはず!」とK子さんも感じていたし、「自分の中の不安を表現して彼に嫌われたら、引かれたらどうしよう・・・」と感じていた可能性があります。こうやって自分の不安を隠す人って少なくないですよね。

ただこの状態は、K子さんは今、彼とケンカして「距離ができている状態」で、その抱えていた不安を感じているのかな、と見ることができるのですね。

それほどまでに彼の前で「本当に感じている気持ち」を伝えられなかった。我慢するしかなかった。

だから、どうしても本音の部分がコミュニケーションできなくて、結果的に「愛情」からお互いに遠のいてしまう、という事例の一つです。

 

■こういったことは本当に私たちの大切な人との関係でよく起こることです。

他の事例では

「ご主人の仕事のことがきっかけで(例えば仕事を辞めたい、うまく行かないという悩みで)つい夫と激しい言い争いをしてしまう。夫はおとなしい人なので私が一方的に起こるしかない状態で、夫婦関係は最悪になり、私ももう一緒にいることが苦しくなっている。私が怒らなきゃいいとは分かっているんですけど、どうしても・・・。けれど、別れたくないんです・・・」といったケース。

この場合、表面的には「一緒にいたいならご主人に怒ることをやめれば?言いすぎじゃない?」というアドバイスができそうです。それが間違いではないでしょうが、心の面からみると、それだけではどうにもならないことがありそうなんですね。

この場合は、女性側が大切にしたい夫に対して「怒って自ら分離せざるを得ない理由」があるのではないかな?という見方をしていきます。

その内面には「夫のために何もしてあげられない」という無力感や、「愛してあげられない私」という女性ならではの無価値感(自分には価値がないと感じる感情)が大きく膨れ上がっている可能性だって否定できないのですね。

しかし、女性がそれを受け入れて「私は無力で何の価値もない女性だ」と感じてしまえば・・・どうなんでしょう?夫に愛されると思えるでしょうか?これからも一緒にいられると感じ取れるでしょうか?

だから、怒るしかない・・・という構図。怒って、本当に感じている女性の中の疑いを感じないようにブロックしいているんですね。「怒りは感情のフタ」であり、怒ることは、本来感じている感情をブロックするという作用がありますから。

しかし、冷静に考えてみれば・・・「愛しているのに怒るしかない」とは、とても切ないことですよね。であっても、「私はもうこれ以上一緒にいられない」「愛されている実感を失ってしまう」と、夫に対して思いたくないからこそ、怒る。そこで素直になってしまったら、自分が崩れてしまいそうで怖い。

もしそうであれば、これは相当に苦しい状態に追い込まれていると言えますね。

 

■なお、この2つのケースに共通していること。

それは「すでに自分の中でネガティヴなセルフイメージが出来上がっている」こと。

こんな私はきっと愛されない、こんな私ではダメなのではないか?この不安を開放すれば相手にきっとネガティヴな影響しか与えない・・・そんな今の私がよくない、と感じていることなんですね。

この状態を、私たちの心理学では「自分の内面ばかり見ている」状態と呼びますが、この状態がより問題を深刻にしていき、あなたが本来感じたい愛情を感じられない理由になっていることが少なくないのです。

>>>『4.あなたの大切な人をもっと大切にするために(4)〜私は素晴らしいと感じること〜』へ続く


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