今回は、燃え尽き症候群(バーンアウト)はなぜ起きるのか?
心理的な仕組みと回復のステップを、やさしく解説します。
「がんばれない自分」を責めていませんか?
「ちょっとしたことで、イライラすることが増えて、ケンカが多くなった」
「お休みになると、ベッドから起き上がれない」
どうしたら「元の自分」に戻れますか?
こういうとき、私たち心理カウンセラーは、こんなことをお伝えすることが多いのです。
燃え尽きの正体は「枯渇」ではなく「防衛反応」
「慢性的なストレスに対して、心と体が出した最後の防衛反応」
自動ブレーキが作動している状態なのですね。
「エンジンが焼き切れてしまうような生き方」から「自分も大切にする生き方」へシフトチェンジしていくこと。
それが、本当の意味での回復につながっていくのですね。
体や心が限界に近いとき、人は「以前の自分」を基準にして、今の自分を「ダメな状態」と見なしてしまいやすくなるのです。
回復への4ステップ
バーンアウトからの回復には、段階があると言われています。
今回は4つのステップに分けてご紹介しますね。
実際の回復には、このステップ1〜4を行きつ戻りつしながら、ゆっくりと回復していくことが多いようです。
あなたに合うステップをよかったらお試しくださいね。
ステップ1:自分に気づいてあげること。
頑張り屋さんが心や体を立て直していくためには、
なにより自分が「限界にいるんだ」と気づくことが大切だったりします。
なぜなら、自覚ができないと
もっと頑張れるはず、と追い込んでしまいがちですからね。
よかったら、自分に言ってあげてください。
「疲れた」と言っていいよ。
「しんどい」と感じていいよ。
「もう無理」と思っていいよ。
まず、あなた自身が、自分の状態に気づいてあげることが大事ですよ。
ステップ2:「休息」の時間を作る
バーンアウトからの回復に最も必要なもの。
それは「休息」です。
人によって、必要になる休息の時間は違います。
とにかくたっぷりと、休息を取っていきましょう。
とはいえ、特別なことをしなくても大丈夫です。
・好きな温度のお風呂に、ゆっくり浸かる
・誰とも話さない時間を持つ
・大好きな音楽を、ただ聴く
・空を、ただ眺める
「これをして何になるの?」と思うような小さなことでも、構いません。
「自分の気持ちが、ほんの少しだけでも軽くなりそうなこと」を日常に取り入れていきましょう。
それが、回復の種になりますよ。
がっつりとお休みが取れるのであれば
旅行などに出掛けて、日常から離れるのも効果的。
頑張り屋さんほど「休んだら、もう頑張れないのでは」と感じがちだとは思うのですが
たっぷりと休むことができた分だけ、回復は早くなります。
焦りを感じているときほど、休息を自分に与えてあげてくださいね。
ステップ3:「つながり」を少しずつ取り戻す
バーンアウトが進むと、人との関わりがしんどくなることが多いようです。
人が嫌いになったのではなく、自分を守るために距離を取っているのですね。
ですから、無理に社交的になろうとしなくていいのですが
できるときには、安心できる人と、ほんの少しからいいので「つながること」を試みてみてください。
たとえば、連絡をとってみたり、
話を聞いてもらう時間を作ってもらったり。
相手に、何かを解決してもらわなくていいんです。
「自分を大切に思ってくれている人が、いてくれている」そう感じられるだけで、十分。
そのつながりが、少しずつ、心を回復してくれますよ。
ステップ4:「今の自分のやりかたを一緒」に見つける
これが、最後で最も大切なステップです。
バーンアウトから回復しようとするとき、多くの人が「あの頃の自分に戻りたい」と思います。
でも、考えてみてください。
「あの頃の自分」がいたからこそ、今ここに来てしまったのではないでしょうか。
バーンアウトは、あなたの心があなたに送った「もう同じやり方では続けられないよ」というメッセージです。
だから、本当の回復のプロセスとは
「前と同じやり方に戻ること」ではなく、
「今の自分に合うやり方を、一緒に見つけていくこと」
これから関わる人たちと一緒に。
燃え尽きた自分自身と一緒に。
新しい環境や関係を作り直すこと。
その変化の中に、本当の回復がありますからね。
あなたはもう、十分やってきた
ここまで読んでくれたあなたに、最後に伝えたいことがあります。
燃え尽きるほど頑張ってきたということは
それだけ、誰かを大切にしてきたということ。
それだけ、責任を果たそうとしてきたということ。
それだけ、真剣に生きてきたということなのです。
生き方を整えたからといって、その事実は一切なくなりませんし、
大切な誰かを、裏切ることにもなりませんから、
ぜひ、ここからは、自分にも優しさを向けていただけたらと思います。
あなたの心が、また少しずつ、温かさを取り戻していきますように。
参考になれば幸いです。
(完)