「今日もまた、子どもにきつく言ってしまった…」
「本当は優しくしたいのに、気づいたら怒鳴っていた」
そんなふうに、ご自身を責めてしまっているお母さんはとてもたくさんおられるようですね。だけどまず最初に伝えたいのはね。
そのイライラは“あなたが悪いから”じゃないのね。
心がただ、いっぱいいっぱいになっているサインなんです。
私たち人は、理由もなく怒ったり悲しんだりすることはありません。お母さんが子どもにイライラしてしまうには、必ずなんらかしらの理由があるものです。
今日は、その “本当の理由”と、今日からできる優しい向き合い方をお伝えしていきますね。
子どもにイライラしてしまう「本当の心理」
・子どもは“いちばん安全な相手”だから感情が出る
私たちって、大人に対して日頃そんなに頻繁に感情が出ることはありません。社会ではむしろ、それを抑えつけて表面上は冷静に対処することが多いと思います。
相手を傷つけないように、不快にさせないように、社会人として大人の対応を…。
そんな緊張感もあると思います。
だけど、私たち人は安心できる相手だと本音を出しやすいものなの。
自分の子どもって特に安全圏内の人間なんですよね。
「絶対に自分を裏切らない存在」
そんなふうにどこかで感じているものです。
だからこそ、大人相手には飲み込んでしまう怒りや悲しみが、子どもにはそのまま出てしまうことがあるんですよね。
・ イライラの下の“本当の気持ち
心理学的には、怒りというのは感情の「蓋」と言われていて、必ず「下の感情」があるんですよね。
・不安
・罪悪感
・孤独
・認めてほしい気持ち
でもそれらの感情は繊細で、私たちはなかなかうまく扱うことが出来ない時がたくさんあるんです。そしてそのままうまく扱えず、気持ちがいっぱいになったそんな時、一番表現しやすい“怒り”という形で外に出てしまうようなんですね。
実は、夫婦関係が影響していることも多い
・子どもに怒ってしまうのは「大人には言いづらいから」
夫には言えないけど、子どもには言えてしまう。これは多くのママが抱えるパターンです。
・夫には理解してもらえない気がする
・踏み込むとケンカになりそうで怖い
・話しても響かない
・私が我慢すればいい
こうして飲み込んできた気持ちが、
安心できる相手=子ども
に向かってしまうことがあるんです。
・子どもが“夫婦の間のバランス”に使われてしまうことも
例えばね。
夫婦の間にちょっとしたすれ違いや言えないモヤモヤが溜まっているとき。その緊張を “直接 相手にぶつけるのは怖い” “揉めたくない” と感じると、人は無意識に、
「安全な相手」
に気持ちを向けてしまうことがあります。
そこで起こりやすいのが、心理学でいう 家族のトライアングル(三角関係)。
本来は夫婦の問題なのに、そこに、子どもが第三者として巻き込まれ、夫婦のバランスを取るための役割を担わされてしまうことがあるんですね。
・夫に言いたい不満を子どもにイライラとしてぶつけてしまう
・子どもの態度や行動が気になって仕方なくなる
・子どもに問題が起きることで、夫婦が一時的に“まとまる”
こうした構造ができると、表面上は「子どもにイライラしている」ように見えても、実はその奥には、夫婦の関係の緊張や溜まった感情が隠れていることも少なくありません。
でもこれは、親の良し悪しの問題ではなく、私たち人が無意識にやってしまう、とても自然な心理の動きです。
むしろ、
「もしかして今、私の中に別のストレスがあるのかも」
と気づけること自体が、家族の関係を整える大きな第一歩なんですよね。
今日からできる優しい改善ステップ
・まずは「イライラの出どころ」を知る
ノートでもスマホのメモでもOK。少しだけ自分の心を覗いてみて。
・私、本当は何に疲れてる?
・誰にわかってほしい気持ちがある?
・子どもに出てしまった怒りの“元”は何?
これだけでも、感情はスッとおさまっていきます。
・子どもとの関係を「管理」ではなく「安心」に戻す
怒りやコントロールが増えるとき、ママの心は不安や孤独でいっぱいになっています。
そんな時は自分に安心を与えてみて。
・家族とのスキンシップを増やす
・できたことをひとつ褒める
・夫や子どもに「大好きだよ」と言う
・家族や自分自身でもいいから、3秒だけ抱きしめる
こうした“小さな安心”を積むと、ガミガミもコントロールも自然と減っていきます。
・夫と「ぶつからない関わり方」をひとつだけ増やす
いきなり仲良し夫婦になろうとしなくて大丈夫。
・「今日これあったよ」と報告だけしてみる(聴いてもらうというより、報告するという意識の方が楽かな。)
・ひとこと「ありがとう」を増やす
・家事や育児の“小さなお願い”をして、大きく感謝
夫婦の距離が少し近づくだけで、子どもに向いていたイライラはスッと消えていきます。
子どもにイライラしてしまうあなたは、ダメなお母さんでも、怒りっぽい人でもありません。心がいっぱいいっぱいになって、安心できる相手にだけ本音がこぼれているだけです。そしてそれは、あなたがそれほどまでに頑張ってきた証拠でもあるんです。
少しずつ、子どもにも、旦那様にも、そして何より“あなた自身”に優しさを向けてあげられますように。
今回の私の記事が、子育て中の皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。
次週は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。