「なぜ結婚したいのか」を問い直す
「どうして結婚したいんだろう」
婚活を続けていると、ふとそんな疑問にぶつかることがあります。
最初は「幸せになりたい」「家族を持ちたい」と思って始めた婚活でも、時間が経つうちに「早くしなきゃ」「選ばれなきゃ」という焦りに押され、本当の目的が見えなくなってしまうことがあるのです。
今回は、婚活のゴールを見失わないために、「結婚したい理由」を改めて見つめ直す心理学的アプローチをお伝えします。
◆結婚の「外的理由」と「内的理由」
心理学では、人の動機には「外的理由」と「内的理由」があるといわれます。
外的理由:「親に言われるから」「年齢的に急がなきゃ」「友達がみんな結婚しているから」など、周囲の目や状況に影響される理由。
内的理由:「安心できるパートナーと人生を共にしたい」「支え合える関係を築きたい」「自分らしさを大切にできる家庭を作りたい」など、自分の心から湧き上がる理由。
外的理由だけで婚活を続けると、心はどんどん疲れてしまいます。逆に、内的理由を意識すると、婚活は「義務」ではなく「自分の幸せに向かう選択」になります。
◆「結婚=ゴール」という思い込み
婚活をしていると「結婚=ゴール」と思いがちです。でも、結婚は人生のゴールではなく、新しい生活のスタートです。「とにかく結婚できればいい」という思い込みは、相手選びを焦らせ、自分に合わない相手を受け入れてしまう原因にもなります。
本当に大切なのは「結婚してどんな生活を送りたいか」「どんな気持ちで毎日を過ごしたいか」という具体的なイメージです。結婚は肩書きや形ではなく、日々の小さな安心や喜びを育てていく営みなのです。
◆「結婚したい理由」を見つめ直す3つのステップ
ここでは、婚活を迷いなく進めるために「結婚したい理由」を整理するステップをご紹介します。
・他人の声と自分の声を分ける
親や友人からの言葉、世間の価値観。それらを「外の声」として紙に書き出します。次に「私が本当に望んでいること」を別の欄に書きましょう。他人の声と自分の声を分けて見える化すると、本当の願いが浮かび上がってきます。
・結婚後の一日をイメージする
朝起きて、隣にいるのはどんな人でしょうか。休日はどんな時間を過ごしているでしょうか。ありありと日常をイメージしてみると、「私が結婚に求めているもの」が明確になります。これはビジョンを描く心理的なワークで、不安を和らげる効果もあります。
・結婚以外の幸せも思い出す
友人と笑う時間、好きな趣味に没頭する時間、仕事での達成感。結婚だけが幸せの源ではないと気づくことは、婚活の焦りを和らげる大切な視点です。幸せを多面的にとらえることで、結婚を「自分の人生をさらに豊かにする選択」として前向きに考えられるようになります。
◆ケースから学ぶ「本当の理由」
ある30代後半の女性のクライアントさんは、強い焦りから「早く結婚しないと」という思いに突き動かされていました。ところが、よく話を聞くと「親に安心してほしい」「周囲から遅れていると思われたくない」という外的理由が大きかったのです。
そこで一緒に取り組んだのは「結婚後の一日をイメージする」ワークでした。彼女は「朝、一緒に朝食を食べて、休日は近所を散歩できる関係がいい」と気づきました。華やかな条件ではなく、安心できる日常を望んでいたのです。
それ以来、彼女は相手探しの軸が「周囲からの評価」から「私の心が安心できるか」に変わりました。すると婚活の疲れが軽くなり、「私に合った人を見つけるのが楽しみ」と言えるようになったのです。
◆まとめ 「私の幸せ」を基準にする
婚活を続ける中で、焦りや不安に飲み込まれると「なぜ結婚したいのか」を見失いがちです。でも、本当に大切なのは「誰かに選ばれるため」ではなく、「私が幸せを感じられる関係を築くため」に結婚を望むこと。
外的理由ではなく内的理由を軸にする。結婚後の具体的な日常をイメージする。結婚以外にも幸せがあることを思い出す。これらを意識すると、婚活は義務ではなく「自分の人生を豊かにする選択」へと変わります。
どうか忘れないでください。あなたが結婚を望む理由は、他人に証明するためではなく、あなた自身が幸せに生きるためのものです。
私はどんな幸せを選びたいのか。その答えを見つめ直したとき、婚活はきっとあなたの心にやさしい道になります。
(完)