「教える」よりも「見せる」子育て

「優しい子になって欲しい」
「思いやりのある人になって欲しい」
親としては、そう願うことってありますよね。
だからこそ、「優しくしなさい」「ちゃんと謝りなさい」って、つい言葉で“教える”ことに力が入ってしまいがちです。
私も息子が幼い頃はよく言ってました。「そういう時は謝るんだよ」って。
確かに言葉にして教えることもたくさんあるのは事実です。
でも実は、小さな子どもほど、“言葉”ではなく“姿”から学んでいることが圧倒的に多いものなんですよね。
今日はそんなお話です。

 

子どもに“教える”ことに、疲れていませんか?

・「ちゃんと教えなきゃ」の呪い

子育ての中で、「ちゃんと教えなきゃ」って力が入ってしまうことって誰しもあるかもしれません。
「ありがとうは?」「ほら、謝って」
子どもに大切なことを伝えたいと思うほど、つい言葉で“教え込もう”としてしまうものだと思います。
頑張って、真面目に、子どもの目を見てしっかり伝えてる…はずなのに、思うように伝わらなくて、そんな空回りに疲れてしまう日ってないでしょうか。
これは私も何度も経験したんですよね。

・子どもは、言葉より“姿”を見ている

でもある時、ふと気づいたのね。
一番影響を与えていたのは、私の「言葉」じゃなくて、日々の「姿勢」だったということに。
息子が成長する過程で、何度も思いました。
「夫と同じような考え方するなぁ」
「夫と似たようなこと言うなぁ」
でもそれは、夫が教え込んだ…わけではなく、関わっている間に勝手に影響を受けているんですよね。
きっと夫だけじゃなく、私から影響を受けていることも多いと思います。

私が夫と関わっているとき、ママ友と話してるとき、息子と遊びに行った時。
私の全ての言葉、行動、感情がきっと何らかの形で影響を受けているんだと思います。
子どもは言葉には出さなくとも、ちゃんと見て感じているんでしょう。

子どもって、本当に敏感で繊細です。
幼いほど、言葉よりも、“空気”を感じ取っているものなんですよね。

 

“伝える”より“伝わる”を大事にしたい

・「優しい子に育てたい」は、日常の中にある

「優しい子になって欲しい」
「人に思いやりを持てる子に育って欲しい」
そんな願いは、どの親御さんもきっと同じだと思います。
でもそう願えば願うほど、私たちは「教えよう」としてしまうのではないでしょうか。

大切なのは、
親が子どもに“優しくしなさい”と伝えることではなく、
親が日常の中で自然に見せている優しさ。
その姿そのものなんですよね。

お母さんの、子どもを黙って抱きしめる姿。関わるときの笑顔。
お父さんの、スーパーのレジで、「ありがとう」と言う姿。何も言わずとも自分から動く積極性、行動力。
そんな一瞬一瞬が、子どもにとって、自然と“お手本”になっていると思います。
そして私たちもそう育ってきたから、優しさが何であるかよく知っているし、思いやりを持っています。それが人との関りに大事であると分かっているから、その思いを子どもに伝えたくなるんだと思うんですよね。

・“伝わる”には、時間がかかっても大丈夫

「何度言っても出来ない」
「全然わかってないみたい」
そんなふうに焦ることはたくさんあると思います。

でも“伝わる”には時間がかかります。
そして、それでいいのではないでしょうか。

急がなくていい。
教え込まなくていい。
大人がまず日々の中で、心を込めて関わっていれば、子どもは必ず、見て、感じて、育っていくと思います。

 

イライラしたって、謝れなかったって大丈夫

・親だって完璧じゃない

「今日も怒り過ぎちゃったな…」
「素直に謝れなかった…」
そんなふうに、自分を責めることってあると思います。
子どもに正しく伝えたいのに、うまくいかない。
そんなときほど、しんどくなってしまいます。

でもね。
大丈夫です。
謝れない日があっても、イライラしてしまう日があっても、あなたはちゃんと“伝わる関り”をしているんです。
大切なのは、完璧な親でいることじゃなくて、失敗した時に、立ち止まって振り返ろうとする気持ちではないでしょうか。

・今日のあなたの姿が、子どもの学びになる

例えば寝る前に、「さっきは言いすぎちゃったね。ごめんね。」ってぽつりと言えたら、それで充分ではないでしょうか。
その姿は、子どものこころにちゃんと届きます。

子どもは、言葉で教えられたことよりも、「感情のやりとり」から学ぶものです。
まだ理屈や理論が分からない時期だから特にね。
「あなたの将来のために」「大きくなったら」という話もあるあるですが、こういう話も、何を言っているのかは全くわからないと思うのですが、大人が真剣に話していることは伝わるんです。“深刻な空気感”を感じるからね。

今日うまくいかなかったとしても、「今日のあなたの姿」は、ちゃんと子どもにとっての“学び”になっているものです。
だからどうか。
子どものことで悩み、考え、努力し続けている自分の姿を信頼して、今まで通り子どもと関わってあげて下さいね。

今回の私の記事が、子育て中の皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。

次週は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

 

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About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。