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Lecture.873-3

別れと再生の心理学(3)〜手放すには「自己承認」がカギを握ってる〜

講師:池尾昌紀

別れた相手への執着を手放すために大切なのは「今の自分にオッケーを出してあげること」。
執着は人である以上、必ずしてしまうものです。なかなか手放せない自分を責め続けることが手放しを遅らせてしまう原因。そんな自分を受け入れてあげること、そして、手放せないほど人を愛せた自分を認めてあげます。
また、手放しの強敵である「後悔からの自己攻撃」に対しては、ベストを尽くした自分を見つけてあげることで対処していきます。そこには頑張った自分、役に立った自分が必ずいるのです。

Keywords
別れ 失恋 離婚 執着 手放す 

◎今の私に「そのままオッケー」を出してあげる大切さ

前回、執着を手放すために大切なものは「自己承認」であると書きました。

この連載第3回ではそれを具体的にお伝えしていきます。

この連載の第一回で「生きている以上、何かに執着してしまうのは当然」と解説しました。

執着というのは人である以上、必ずするものです。

私はカウンセリングや講座の中で「だって人間だもの」ってお話しています。

まずはここから始めていきましょう。
執着するのは当たり前。手放せないのも仕方ない。
だって人間だもの。

だってそれだけ好きだったんだもの。

そうやって「執着している」「手放せない」ことそのものを、そんな自分を、認めてあげてください。

次に、前回お話した「寂しさ」を感じていることについても認めてあげます。

寂しいに決まってるじゃない

寂しいと思うのが当たり前

そうやって、認めていきます。

ネガティブな感情、それを感じている自分に対して、そのまま丸っとオッケーを出してあげる。

仕方ないじゃないか、感じて当たり前、と認めていくことは、それだけで心を少しずつ軽くしていきます。

なぜなら、こうして自分を認めている時は、自己攻撃を減らせているからなんです。

◎「後悔からの自己攻撃」には「今までの自分のがんばりを認める」を使おう

さて、残っているのは前回「手放す」最大の難関と説明した「後悔からの自己攻撃」です。

後悔に対しては「今での自分のがんばりを認める」ことで対処していきます。

後悔というのは、別れの原因になったであろう、やり残しや、失敗、もっと別のやり方をすればよかった、などのネガティブな思いから来ています。

しかしながら、別れた相手と付き合ってきた時間の中で、あなたが相手にしてあげたこと、喜ばれたこと、役に立ったことは必ずあります。

ところが、後悔からの自己攻撃をしている時は、そうした「自分のいいところやがんばり」を全く見ていません。

別れたことで、全て帳消しどころかマイナスになった気分になっています。

でも、そんなことはありえないはず。

ですから、それを思い出すために、「今まで自分がやってきたこと、がんばってきたこと」をリストアップしていきます。

例えば、
・彼が仕事で落ち込んでいる時に、わざわざ会いに行って励ましてあげた
・夫に毎日お弁当を作ってあげていた

・仕事をしながら家事を一生懸命やっていた

そんな風に、相手のためにしてあげたこと、喜んでくれたこと、役になったこと、がんばったことなどをリストアップしていきます。

おすすめは、一人でやらないで、誰かに手伝ってもらうこと。

信頼できる友人などと一緒にリストを作ることです。

とにかく、何を思い出しても「後悔からの自己攻撃」につなげてしまいますから、いいところを探すのがとても大変です。

また、自覚してないのに、相手の役に立っていたり、助けていたことがたくさんあるのですが、自分では当たり前だったり、何気なくやっていることが多いので、気がつかないのです。

ですから、あなたのことを理解してくれている人と一緒に作ることをおすすめします。

そのリストを見ながら、がんばった自分を褒めて、認めてあげようと思ってみてください。

十分じゃなかったかもしれないけれど、その時、あなたはベストを尽くしてやっていたはずなのです。

相手や自分を責めているうちは、辛い気持ちを抱えたままになってしまいます。

責めるのではなく「あの時ベストを尽くしたはず」「これだけがんばってきたんだから」と自分を認めてください。

こうして自分を認める作業をしていくことは「自分を許す」ことをやっていることなんですね。

その積み重ねが「許し」を進め、「手放し」を進めていくことに役立ちます。

◎喪失直後は執着を手放すための「準備をする時間」が必要

ところで、ここまでのお話は、失恋や別れた直後には使えないことがあります。

別れた直後というのは、一種のショック状態になっている場合も多く、こうした時は全く心に余裕がありません。

そんな一杯いっぱいの状況の時には、執着を手放す方法に取り組む前に、その準備をしていく時間を取る必要があるのです。

この時期に必要なのは、その準備ができるまでの時間を稼ぐこと。

喪失直後はあまりにも苦しすぎるので、苦しみが落ち着くまでの時間を稼ぐことに取り組んだ方がいいのです。

一ヶ月程度の「期間限定」の前提付きで、友達と飲みに行ったり遊びに行ったりする、仕事に熱中する、趣味に打ち込むなど、しばらく気持ちをそらすことに時間をかけます。

その他には、友達などに気持ちを聴いてもらったり、泣ける時にはたくさん泣いたりして「感情を感じる時間を作る」こと。

また、疲弊している時も多いので「休む・気分転換をする」こと。

こんな取り組みをしながら、落ち着いたら手放すやり方に移行していきます。


>>>『別れと再生の心理学(4)〜具体的な手放しの方法・幸せになるために〜』へ続く

関連する講座へのリンク集
873-1.別れと再生の心理学(1)〜執着を手放すという視点〜
873-2.別れと再生の心理学(2)〜手放すための強敵は「後悔からの自己攻撃」〜
765-1.手放しの力(1)〜手放すは緩めること〜
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