ワークショップの流れ

ワークショップの様子を講師の目線からレポート

参加者の様子やワークショップの雰囲気など、文章には起こしにくい部分が多くありますので、なかなかイメージしにくいかもしれませんが、どんな風に進んでいくのかを掴んでいただけたら幸いです。

なお、ワークショップは講師によって雰囲気も進め方も異なります。
また、同じ講師でもテーマや内容によって変わります。

テーマ:『心をもっと自由に、解放する方法~心のリミッターを外すには?~』

<受付開始(13:10ごろから)>

徐々に集まり始まるお客さま達。
大体開始15分前から増え始め、スタート時間5分前くらいが一番のピーク。
行列ができることも多くなります。スタッフは大変な時間。
ちょっと遅れてくるお客さまのために、スタートをちょっと遅らせることが多いです。

入ってきたお客さまは顔見知りの方がいらっしゃれば挨拶をしたり、話をしたりされています。こういう場でしか会わない方も多いので、「久しぶり~どうしてた?」的な会話も少なくありません。

一方、初めての方はそういうわけにも行かず、所在無げに過ごす方もいらっしゃいます。手の空いたアシスタントが声をおかけしてることもありますが、大抵はテキストやちらしなどをを読まれたりしてるようです。
だいたい初めての方の比率は2~5割で、平均すると3、4割かと思われます。
今回のワークショップも約4割の方がまったく初めてのお客さまでした。

<始めの挨拶>

配布資料の確認と説明。
アンケートやニュースレター、次回以降のワークショップスケジュールなどを紹介。

また、ゲストカウンセラーにちょっと挨拶代わりに話をしてもらう。

そうして私が再び前に立ってワークショップが始まります。

毎回、その場その場に合ったアプローチに内容を組み替えていきます。
レクチャーはもちろん、実習も同じテーマなのに場所によって全然違うことをしたりします。
それは少しでも皆さんの身近に感じて、学び取っていただきたい、という気持ちから。
テキストに沿った単調な流れでは、なかなか入ってきませんから!
だから、お配りするテキストは敢えて「ご自宅用」にもできる内容にしています。

<レクチャー>

緊張している方も少なくないので、皆さんの気持ちを温めるため、また、テーマをじっくり見つめ、理解していただくために、40分~1時間ほどレクチャーをします。
昼明けで、部屋の中は温かく、眠たくなっちゃうので(そういう声質だそうで)、だから、なるべく笑いを取りつつ、かつ、マジメな話もしつつ、皆さんの表情を見ながら引いてないか、飽きてないか、眠たそうじゃないかなどをチェックしつつ、好きな話をしゃべり倒します・・・。

聴いてくださって有難うございます・・・という気持ちになる瞬間です。

メモを取ったり、瞼を赤くしてくださったり、笑ってくださる方がいらっしゃると私もとても嬉しいのです。

◎心のリミッターとは?

・リミッターとは意識的、無意識的に自分を止めてしまっているもの。
・心の壁、ブレーキ、サイドブレーキ、鎧、鎖などと同じ表現です。
・意識的なリミッターの典型は「観念」というもの。
『~してはいけない』(禁止)
『~しなければいけない』(義務)
などの思いは自分自身を非常に窮屈にしてしまいます。
・リミッターがかかっている状態では、心は窮屈になり、まるできついボディスーツを着ているかのような感覚になって自由が利きません。だから、それが様々なストレスや問題を引き起こすのです。

◎心のリミッターになるものは何か?

感情的なもの~恐れ、不安罪悪感、無価値観、自己嫌悪、ニーズ(依存心)、自立心~すなわち、心の痛みが自分自身に制限(リミッター)をかけてしまうのです。
喉に小骨が刺さってしんどい目あったら、なかなか次に魚を口にするのに躊躇するような感じです。
だから、多くの「問題」や「悩み」と、心のリミッターは密接な関係がある。

◎具体的なエピソードを紹介

小さい頃はお転婆でやんちゃだった女の子が友達の一言で傷つき、とても大人しく、自信のない女の子に変わってしまった。
そして、そんな自分がいつしか本当の自分だと思いこむようになり、人生がなかなかうまくいかなくなっていた。
でも、癒されていくうちに本当の自分を再発見し、自信を取り戻し、笑顔になっていった・・・というお話。
実際にあった、とてもリアルなお話をさせていただきました。

◎リミッターを外すにはどうしたらいいのか?

「私達はもっと自由な存在なのです。」

自分の内側に隠れた本当の私にアクセスしていくこと。
自分を癒し、自分らしく生きることを選ぶこと。
自分を許し、解放してあげること。
今の自分に対してOKを出してあげること、禁を解く、自由になることを許可する。
しかし、本来情熱的な人ほど今はそれをリミッターによって抑えているので、解放してしまったらとんでもないことになるように感じてしまう。
これが自由への恐れなのです。

<実習>

休憩時間を適宜取りながら、レクチャー&グループワークを進めていきます。
やはり聞くだけでなく、話す、参加する方がより学びは深くなるものです。

今回は心のリミッターを外すためにカウンセリングやセラピーなどで効果的だったやり方を応用してご紹介しました。

グループワークですので、参加者を4,5人のグループに分けて、まずは自己紹介から。
初めての方にとっては一番緊張される瞬間かもしれません。
でも、慣れてる方も、そうでない方も温かい方が多いので、アットホームな雰囲気が作られていきます。

その後、具体的な実習に入って行きます。

因みに参加されたことのある方は分かると思いますが、私はこのグループ分けが本当に苦手で、なぜかいつも詰まります。。。

<実習1>

◎リミッターの外し方(1)ヴィジョンを見る。リミッターの向こう側を見る。

【実習のテーマ】

もし、リミッターが外れたらどうなると思いますか?
どんな自分になって、何をするでしょう?
また、それはどんな感じがするでしょう?
高揚感?開放感?それとも恐れや不安が出てくるでしょうか?
自由に想像してグループでお話してみてください。

【狙い・意味・解説】

私達は問題(リミッターそのもの)に意識を取られてしまい、その先を見失ってしまっていることが多いようです。
そこで、「もし、リミッターが外れたら?」という部分を見つめることで、自由になった自分、解放された自分を感じることができます。

そして、その感覚が自分をそこに連れていってくれるようになるのです。
しかし、ネガティブな思いとしては恐れや不安、疑い、ニーズなどの感情が出てくることがあります。
それは癒すべき心の傷があることを示しています。

リミッターの向こう側にあるヴィジョンを見る・・・といっても、なかなかできることではありません。想像力を駆使してもすぐには浮かびません。
だから、ちょっと妄想になってしまっても構いません。

しかし、初めての頃は全然浮かばないヴィジョンも、何度も何度も似たような実習をしていくことで体で学習し、気が付けば自然とヴィジョンもすらすら浮かぶようになっていきます。

(10分の休憩)

<実習2>

◎リミッターの外し方(2)誰かのために・・・(与える)
リミッターの外し方(3)恥をかく。

【実習のテーマ】

グループメンバーを応援してください。自分なりの方法で。

ベテランさんはちょっと恥ずかしいな、と思う方法で精一杯相手のために応援してあげましょう!

【狙い・意味】

応援するには相手の価値や魅力を感じる必要がありますね。
また、自分に意識を向けている状態では誰かを応援することはできません。

自分を超えて与える、自分よりも誰かを大切にする、という意識を実践します。

自分のためには限界があっても、誰かのために、という意欲は自分の限界を越えさせてくれる力を持ちます。

そして、応援するのはもちろん、応援される方も慣れていない分、とても恥ずかしいんです。
恥をかく、というのもリミッターを外すためにはとても有効で、羞恥心がなくなればなくなるほど、自分を自由に動かすことができるようになります。

(10分休憩)

<質疑応答>

「ここまでで何か質問はありませんか?」

参加者からご質問を募ります。
全くでないこともありますが、大抵は数名の方が挙手してくださいます。

質問を頂くのは、とてもドキドキするのですが、ワクワクもします。
昔はすごく怖かったのですが、今は自信がついたお陰でだいぶ楽しめるようになりました。

究極は4時間、質疑応答でワークショップを開催すること。
実は以前、開催したことがあって、ライブ感がありありで、私もすごく楽しかったです。

なお、この心理学ワークショップではなく、1DAYワークショップのようなグループセラピーでは常にアドリブのライブ感を楽しんでいただけます。

<実習3>

◎リミッターの外し方(5)感謝する。

【テーマ】

当たり前なものを当たり前に見てしまっていませんか?
普段、当たり前に「してもらって当然」と思っていることに感謝してみましょう。

例えば、いつもご飯を作ってくれるお母さんや奥さん、ちゃんと自分の席を用意してくれている会社、きちんと電気を送ってくれる電力会社、毎朝自分を運んでくれる電車や車などなど、当たり前になりすぎて見失っているものって多くありませんか?

【狙い・意味】

感謝は心を癒す強力なツールです。
私達は自分自身に意識を取られているときは自分のことで精一杯で誰かに感謝することができなくなります。
誰かに感謝を送るということは、同時に自分自身を許し、解放してくれます。
そして、良心に沿った行動のため、自分に深い自信を付けてくれるのです。

<以下は実習ではなく合間合間にレクチャーでご紹介した方法>

◎リミッターの外し方(6)笑い話にする

「悲劇は癒されると喜劇になる」と言います。
痛みが癒されると、そこでは笑いになるのです。
「エゴは笑わない」と言います。笑えないんです。
だから、「ネタ」と称して自分の失敗や過去の痛みを笑えるようになれば、人生はほんとうに解放的に変わっていきます。
昔の痛みでも、甘酸っぱい思い出でもいいので、自分自身を「笑って」見てください。
もちろん、お笑い芸人ではありませんから、面白くなくても構いません。

◎リミッターの外し方(7)自分の価値を知る。

自分の魅力や価値を受け取ることは、自分自身を自由にし、解放してくれるシンプルな方法です。
自分に許可を下ろしやすいアプローチですので、身近な友達や家族、パートナーに自分の魅力を聞いてみると、とても素敵な宝物が手に入ります。

◎リミッターの外し方(8)自由を受け取る。

自分がつい自由になってしまう場所、この人といると自由になれるなあ、という人はいませんか?
その場所、その人に近づくことで、自分が自由になれる許可を出しやすくなります。
まずは、感覚を馴らしていく感じです。

もし、いなければ、そんな場所、人を探してみましょう。

<エンディング>

多少時間がオーバーしてしまうが、最後はきちんと区切りを付けます。
「長い時間お付き合いして下さいまして有難うございました」と。
この言葉、毎回伝えているのですが、今でもかなり気持ちが入ります。

ここで、皆さんが笑顔になっていたり、安心した顔をしていたり、顔が赤らんでいたりしたら、私としても非常に達成感、満足感があります。

以上です。

参考になりましたでしょうか?