2005年2月16日

◇心を伝える 〜絆を取り戻すために〜

こんにちは。 まだまだ寒い日が続きますね。
でも春は、そこまで来ているようで、その気配を感じさせる様な出来事で、   
我が家は、賑わいかけている様子です。

私には、5人の子供がいるのですが、ほぼ毎年と言ってよいほど春の大イベント
がやってきます。

今年も3番目の息子が、2月から受験に入り春には高校生に、
2番目の娘は、春から社会人になる予定です。

またまた家は、忙しくなりそうなのですが、
私には、ここ最近それとは別に気になることがありました。
それは、一番上の息子23歳になる子供のことです。

彼は、アパレル関係の仕事で店長を務めていて、今は名古屋に住んでいるのですが
その息子と、ここ何ヶ月連絡が取れずにいたことでした。
今息子に、何か起きているのかな?と気になっていた事と、一度名古屋に
行きたかった事もあり、私は、温泉道具をしっかり持って、名古屋に行くことに
したのです。(私は温泉が大好きなので、いつでも温泉に入る準備だけは
欠かしません。本当のところ、これも目的のひとつなのです。)f^_^;

いきなり訪ねた私の顔を見て、息子はすごくビックリ!した様子でしたが、
嬉しそうな私の顔を見て、にっこり微笑む息子の顔は、やっぱりかわいい
ものです。
久しぶりに見る息子の顔は、少し疲れている様で、私が言うのは変なのですが、
年をとったなぁと思いました。
それでも私を、迎え入れてくれる変わらない様子に少しホッと胸を撫で下ろす
思いでした。

食事をしながら息子の話を聞いてみると、今の仕事を辞めることにしたらしく、
辞める日が近づいていると言うのです。
仕事を辞めると、今住んでいる所も出なければならなくなり、
新しい家を借りて独り暮らしを続けるか、家に帰るか、悩んでいた様です。
息子は高校を卒業してすぐに仕事の関係で、独り暮らしをしていたので、
慣れてはいるのですが、精神的にも今疲れていることや、金銭的にも
苦しいらしく、限界を感じている様子でした。
と言って家にも戻るのにも抵抗があったようです。
息子にしてみれば、仕事を辞めて家に戻ると言う事は、自分が、負け犬になった
様に感じていたらしく、そんな自分を認めてもらえるはずがないと思い、負い目
を感じたみたいです。

正直言って私は、息子が小さいころから、厳しい母親でした。
17才で息子を育てて無我夢中という事もあったのですが、自分自身にゆとりが
なく、辛く当たったことも、厳しく叱ったこともよくありました。
私自身、今の息子が思っているように、負け犬にはなりたくない!一身で
生きてきたような気がします。
もちろん子供のことは、誰よりも愛していましたし、だからこそ厳しくなって
しまったことなのですが・・
今から考えると、痛々しいほどにけなげに生きていた私がいた様に思います。
ちょっと懐かしいです。(笑)
知らず知らずのうちに子供にかけてしまっていた親の期待や、
子供達に見せていた苦痛にも似た必死の母親の表情のその中で、きっと息子は、
いい子にならなきゃ。わがままを言ってはいけない。強くならなきゃ。と
必死でがんばってきたのかもしれません。寂しさと戦いながら。

その後、私は、息子と私の大好きな温泉に入り、息子の部屋で、ひとつの布団を
横にして、もぐりながらテレビを見て笑い転げ、お菓子を食べながらいろんな話
をして寝ました。
たったそれだけのことでした。
でも私は、何年この子とこんな時間を過ごしていないのだろう。
昔は、当たり前にあった時間が今ではすっかりなくなっていた事に気づきました
でも、それは当たり前の事なのです。
子供が成長すれば、その関係性が変わっていくのは当然ですし、一緒に暮らして
いたとしても、生活パターンは変わってきますから、すれ違いの時間も当然
多くなるでしょう。
でも私の場合は、心のつながりや絆まで見失いかけていたように思います。
この2日間で、大切なものを見つけたようなきがしました。

息子が、私に聞かせてくれた会社の事、彼女の事、名古屋の事、
寂しかった事や辛かった事など・・
私は、ただ今の息子を心から受け入れてあげたいと思いました。
「よくやってきたね。」「ほんとうにがんばったね。」
それが私の、その時の精一杯の言葉でした。
すると息子は、「俺はまだまだやから」と首を振りながら涙を流していました。

別れるころには、息子は、少しすっきりした顔になっていました。
車を走らせながら手を振ると息子も笑って大きく手を振っていました。
車が見えなくなるまで手を振る息子の姿をバックミラーで見ながら、
私は、涙が止まりませんでした。
あの子は、そう!いつも私の背中を見続けていてくれた、微笑み続けていて
くれた、あの頃のままの息子です。

私が、息子に心から伝えたい事は、
「私の子供に生まれてくれてありがとう。」
「おまえは私の宝物です。」
ただそれだけのような気がします。

当たり前のことなのですが、私の大切な5人の子供達、
一人一人の存在が、私にとってかけがえのない大きな宝物です。

そしてもうすぐ、その息子が我が家に帰って来る事になりました。
我が家の春は、ますます賑やかになることでしょう。
子供達それぞれが新しい世界に飛び立つのを、
私は応援しながら見守り続けたいと思います。

後藤 みどり のプロフィールへ>>>