変わりたいのに変われない私 〜頑固さに隠れた私をケアする〜

頑固さは、何かを守るために必要であり、役に立ってきた要素の一つです

現状の変化を求めてカウンセリングを利用したのに、変化を求めれば求めるほど、変化をしたくない自分に出会うことがあります。この変化をしたくない自分が変化を求める自分が綱引きをするために思うような変化に至らないことがあります。この状況を解消するには、私たちの中にある頑固さに着目することが解決の糸口になります。

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カウンセリングを受ける多くの人が現状の変化を求めて、カウンセリングにいらっしゃいます。

変化をしたいと思ってカウンセリングにいらっしゃるのですが、カウンセリングを受けて出会うのは変わりたくない私であることも少なくないです。変わるぞ!!と奮起して、変われた!!という方も、もちろんいらっしゃいますが、それで変化が出来たら、カウンセリングがなくても変化が出来る訳です。

しかし、カウンセリングにいらっしゃる方がいるということは、どうも“変わるぞ!!”という思いのみでは変化できないこともあるようなのです。それは、変わりたいという思いと相反する“変わりたくない私”の存在に起因します。

今日は、変わりたい思いに隠れている変わりたくない私とどう付き合っていくかお話しします。

変化を求めているのに、変わりたくない私が共存しているわけですから、心理的には変化をしたい私と変わりたくない私は、綱引きをしている状態になり、変化に対するアプローチにベクトルが向きにくい状態になっているわけです。

この綱引きをしている状態を変化するためのアプローチできる状態するためには、この心理的綱引きを休戦する必要があります。どうしたら、綱引きを辞めることができるか!?

これは、変わりたい私の反対勢力である変わりたくない私に着目し、耳を傾けることから始めます。

 

■ 変わりたくない私=頑固な私

変わりたくない私を紐解いていくと、変化することに対する怖れであることもありますが、あなたの中にある頑なな部分であり、頑固さと出会うことがあります。頑固さとは、石や鉄のような固いものを連想させますが、鎧みたいなものであり、固くなるには固くなる理由があります。

例えば、台風がくるとします。
台風が来ない日常であれば、窓を開けて風を感じながら、過ごすことも出来ますが、台風が来るともなれば、ベランダに置いてあるプランタを屋内に入れ、雨戸をしめて、台風に備えますよね。

心も台風と同じように何もなければ、備える必要もないわけですが、固さがあるということは、何かしらの外部刺激から、あなたの何かを守る必要性があったということになります。あなたの想いを貫くために必要な固さだったかもしれないし、今まで傷ついてきた心守ってきたのかもしれません。
あなたの中にある頑固さは、何を守ってきてくれたのでしょうか?

 

■ あなたの中にある頑固さとどうつきあっていく?

あなたの中にある頑固さは、何かを守る必要があって後天的に取得してきたものです。

生まれたての赤ちゃんを想像してみてください。頑固な赤ちゃんって見ませんよね?

ですから、あなたの中にある頑固さは、何かを守るために必要であり、役に立ってきた要素の一つです。変化を求めるあなたと変化したくないあなたとの綱引きをやめるには、その裏にある頑固さを手放す必要があります。

しかし、この頑固さは何かを守っている訳ですから、守っている何かの安全を確保してあげる必要があります。
先ほど、あなたの中にある頑固さは何を守ってきてくれたでしょうか?という質問をなげかけましたが、その守ってきたものの多くは、過去の痛みであることがほとんどです。

まずは、頑なになるには理由があり、守る必要がある何かがあなたの中にあるということを理解してあげましょう。

そして、あなたの中にある頑固さが守ってきたあなたの痛みをケアしてあげましょう。

 

■ 頑固さに感謝する

過去の痛みをケアすることが出来たら、頑固さはあなたを守る必要がなくなります。まるで、今まで頑張って守ってきたことが無意味だったかのような気持ちに襲われることもあります。

そうすると、更に頑固さは頑固さの意味を探し始めますから、その存在を主張するしかなくなります。そうすると解消するのが目的であった綱引きを辞めることが出来なくなってしまいます。

あなたの中にある頑固に守られてきたものがありましたよね。
今まであなたに貢献してきてくれた頑固さの存在を認め感謝してみましょう。

そうすると、頑固さは主張する必要がなくなりますから、変化したくないという頑固さもまた主張をしなくてよくなり、綱引きという戦いを終えることができ、晴れて変わりたいという思いを叶えやすい心の状態となるのです。

よかったら、お試しくださいね。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

人間関係の築き方・コミュニケーションのスキルアップ・個性を生かすことを得意とする。 お客さまのテーマを多角的な視点でとらえて分析することにより、新たな視点や心の気楽さを持つことが出来ると定評がある。ゆるぎない安心感の基盤を基に行うカウンセリングは、心のうちを語りやすいと評価が高い。