怒りの解消方法 〜怒りを作る本当の感情を見つけて癒やそう〜

怒りを作る本当の感情を見つけて癒やそう

怒っている気持ちを誰かに話すと一時的に怒っている気持ちが楽になるとけど、しばらくするやっぱり腹がたつ気持ちが高まってきたというご経験をしたことはございませんか?一時的ではなく、根本的に怒っている気持ちが解消するにはどうすれば良いか?について解説します。

●どんな怒りであってもあなたに負荷がかかっている

あなたが誰かに怒っていることがあるとします。

あなたに正当性がある怒りであっても、自分自身でも勝ってな言い分だと思っている怒りであっても、誰もが悪くないと分かっていても怒らずにいられないことであっても、どんな性質の怒りであったとしても、怒っている時は、あなたの心はけっして心地良い状態とは言えないですよね?

心に負担(ストレス)がかかっている状態とも言えます。

その為、カウンセリングではしばしば怒りの解消がテーマになることがあります。

この講座が、あなたが怒っていることの正体に気づいたり、怒りの解消につながっていくヒントになればと4週連続で怒りの心理についてご紹介したいと思います。

●怒りの正体

怒りという感情は、ある感情に蓋をする時に作られることがあります。

本当の感情があり、その感情を見ないようにする為に怒りという感情を作るのです。

作ると言っても本人が意識的に作っているわけではなく、本人が意識せずに怒りという感情は作られて、本人にも本当の感情が見えないようになります。

では、怒りという感情で蓋をしてしまう、本当の感情は何だと思いますか?

その感情は悲しさという感情か、もしくは寂しさという感情です。
もしくはその両方の場合もあります。

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例えば、彼氏に怒っている女性がカウンセリングにこられたとします。

「彼は私と約束していても急な仕事がはいったと言ってドタキャンになることが多いです。それで月に一度会えるか会えないかが続いています。
私も社会人だからか仕事に行かなければいけないのはわかるけど、彼はその埋め合わせの代案もないし、仕事だからしょうがないだろうで片付けられるのは腹が立つ」
と彼氏に怒っている話をしてくれたとします。

最初は上記のような怒っていることを話してくれていたのですが、カウンセリングが進んでいく内に怒りの下に隠れていた本当の気持ちがでてくることがあります。

「できるかできないかは置いておいて代案を考えようとしてくれない姿勢に、私は大切にされてない感じがして悲しいんです(涙)」
というように怒りの下に隠れていた気持ちが表出されることがあります。

話してくださるご本人もカウンセリングのスタート時点では本当は悲しかったんだということに気づいてはおらず、話していて初めて自分の本当の気持ちに気づくケースは珍しくはありません。

●怒りを作る工場を何とかしよう!

あなたは腹を立てている時に誰かに愚痴を聞いてもらったご経験はありませんか?

それで一時的に怒りが緩まったけど、しばらくすると再び腹が立ってきた!というようなご経験をしたことは有りませんか?

例えば、
職場の上司に腹を立てていた人がいたとします。
その人は仕事帰りに同僚を誘って居酒屋に行き、そこで同僚に愚痴を聞いてもらったとします。

「あの、わからずやの部長のことホント腹がたつ。今度の人事異動で最果ての地に飛ばされてしまえばいいのに」
と、さんざん愚痴を言い、居酒屋を出た時に同僚に言うのです。
「今日は聞いてくれてありがとう。ちょっとスッキリしたよ」
と。

その後、同僚と別れてからの電車の中で『やっぱりあの部長腹が立つなぁ』と怒りがこみあげてくる。
というように一時的には怒りが緩まったけど、しばらくすると再び腹が立ってくるという感じです。

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このことを怒りとそれに蓋をされている本当の感情の関係を、製品と製品を作る工場との関係に例えて説明します。

怒りが製品だとします。
怒りを作る悲しみや寂しさという感情が工場だとします。

先ほどの例のように同僚に愚痴を聞いてもらうという形で、倉庫(心)に溜まっている怒り製品を出荷すると、一時的に倉庫にある製品は少なくなり、倉庫(心)にスペースができるので心の負荷は楽になるのですが、製品を作っている工場はそのまま存在する為、製品は作られ続けていき、倉庫にはまた製品である怒りが溜まっていきます。
その為、時間が経過した電車の中で再び怒りがこみあげてきたわけです。

このように怒りを吐き出すと一時的には怒りのレベルは弱まるけど、再び怒りのレベルが強くなることがあります。

この場合、必要なのは何だと思いますか?

そう!製品を作っている工場のほうをなんとかすることですね。

怒りに下にある本当の感情である悲しい気持ち、寂しい気持ちを見つけて、それを誰かに話して外に流すことで、悲しさや寂しさは癒やされていきます。

癒やされた度合いだけ工場は小さくなっていきます。
工場が小さくなった度合いだけ、作られる製品の量も少なくなっていくことでしょう。
(できたら工場を小さくするだけではなく、工場が完全になくなるレベルまで癒やせると製品も作られなくなるので、より理想的にですね)

あなたの怒りの下には、どんな悲しさ、どんな寂しさが隠れていますか?
それを見つけて誰かに話してみるといいかもしれませんね。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. 怒りの解消方法〜怒りを作る本当の感情を見つけて癒やそう〜
  2. 禁止のレベルを低くする考えに変えると腹が立つシーンを減らせる
  3. 怒りよるトラブルを減らそう〜トラブルを減らす3つの言葉〜
  4. とっても怒るのは、もしかしたら完了していない痛みがあるからかも
この記事を書いたカウンセラー

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若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。