離婚後、失敗感に囚われてしまう 〜幸せに向かおうとした自分を肯定する〜

幸せに向かおうとした自分を肯定する

離婚後に失敗感が湧いてきたり、自分を否定するような思いが湧いてこられるお話を聞かせていただくことがございます。そんな気持ちが湧いてくる時は辛いですよね。辛い感情を緩めていく為に、ちょっと違う視点でご自身をみてみませんか?という提案です。

■離婚後の失敗感と自己否定の感情

離婚をされた方からのお話をカウンセリングでお聞きする機会がございます。

そんな方から、離婚に関して失敗感を感じているという内容や、自己否定的な気持ちが湧いてくるというお話を聞かせていただくことがあります。

例えば・・・
・幸せな結婚生活にならなかったのは自分が精神的に未熟だったからだ
・パートナーシップに失敗したのは自分に欠陥があるからだ
・離婚になってしまったのは自分がダメな人間だからだ

などなどのように
失敗感を感じ、
更に、ご自身のことを卑下してしまったり、責めてしまったりと自己否定的な思いを持ってしまうというお話をお聞きすることがあります。

それが真実なのか、そうでないのかの検証は別にして、
ご本人的にはそのように思ってしまう時は辛いですね。

■幸せに向かおうとしたご自身を承認してあげてください

「結婚に失敗してしまった私は私がダメな人間だからだと思う」
という言葉をお聞きすることがあります。

これも、
ご本人的にはそのように思ってしまう時は辛いですね。

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ご本人はそう思ってしまうことはあろうかと思いますが、
お話を聞かせていただいている私的には、そうは思わないでほしいなぁと思ってしまいます。

結果的には、
思ったようにはいかないこともあったかと思いますし、
当初望んだようには結婚生活を末永く続かなかったこともあろうかと思います。

だけど、
幸せになろうとしてたのではないでしょうか?
ご本人的に努力してきたことや、頑張ってきたことはあったのではないでしょうか?

その幸せの方向に向かっていこうとしてきたご自身、
自分なりに努力してきたご自身、
自分なりに頑張ってきたご自身を肯定してあげてほしいなぁと思うのです。

「幸せになろうと自分なりに考えてきたし、努力してきた。この結婚生活頑張ったね」
「結婚生活はピリオドになったけど、幸せな夫婦になれるよう私なりに頑張ったこともあった。頑張ったね私」

などなど
ご自身に肯定的な言葉をかけてあげてみてもいいのでは!と思うのです。

幸せになろうとしてきたし、自分なりに努力をしてきたし、自分なりに頑張ってきたけど、相手の考えや、捉え方、思いなどがあってのことなので、思うようにならないこともあり離婚にいたったのかもしれません。

離婚という結果=(イコール)結婚に失敗した人間とか、自分はダメな人間とは思わないで欲しいなぁと、お話を聞かせてもらっている立場の私としては思うのです。

■何かを学べた体験にという考え方

離婚という出来事を、失敗の体験と捉える方もいらしゃいます。

また、離婚という出来事を、ご自身がダメな人間、未熟な人間だということを証明する出来事として捉えてしまう方もいらっしゃいます。

そして、自分を卑下したり、ご自身を責めたりしまったりしてしまう方もいらっしゃいます。

そう思ってしまう時は心が苦しくなってしまいますね。

思ったように上手くいかないことがあった時に、失敗体験とか、ご自身がご自身がダメな人間、未熟な人間だという証明する出来事という視点のようなご自身を否定するような視点で離婚を捉えると心が苦しくなっていきますね。

離婚という体験のみならず、人生では思ったようにはいかないことがあるかと思います。

それらを失敗体験とか、ご自身を否定するような体験として捉えると心は苦しくなります。

それを、そうではなく何かを学べた体験という視点で見ることで心の苦しさが、失敗体験とか、否定するような体験として捉える時よりもやわらぐことがあります。

例えば、
仕事などでミスがあった時に、それを失敗体験と捉えるのではなく、この出来事があったから何かを学べたというふうに捉えてみることで肯定的なモードになることがあります。
また次の仕事でそれをいかせることがあります。

「この体験があったから誠実に仕事に取り組む重要を学べた。
もしかしたらこの体験がなかったら一生いい加減なまま仕事をして充実した仕事人生は得られなかったもしれない。
つらい出来事だったけどこの件があったから誠実に仕事に取り組むことの大切さに気づけた私の人生は良くなっていけるだろう」

などのように捉えることで、
失敗感や自己否定感に浸ってしまうモードから抜け出たり、
何かを学べた自分を肯定的に捉えられたり、
未来が良くなるような思いを持てたりすることがあります。

それと同じように、
結婚生活で上手くいかないことがあり離婚にいたったことを、
失敗した体験とか、ご自身がダメな人間、未熟な人間だという証明する出来事として捉えるのではなく、この出来事があったから何かを学ぶことができた体験という視点でも見ることができないかを試してみてはいかがでしょう?

そして、もし何かを学ぶ視点を持てた時は、学びの視点を持てたご自身に肯定的な言葉をかけてみませんか?

「この経験から、これを学べた自分は成長できたし、えらいと思う」
「この体験から学ぶ点に気づけた自分はえらいと思うし人生がよくなっていくと思う」

などなどのように、
ご自身に肯定的な言葉をかけてあげるのをオススメしたいなぁと思うのです。

そうしてみることで、ご自身を否定する視点とはまた違う視点で捉えられたり、ご自身を肯定できたり、前のパートナーに感謝ができたりすることがありますから。

余談ですが、離婚後の次のパートナーシップを進まれたお話をカウンセリングで聞かせていただくこともあります。
離婚という出来事から何かを学ぶという視点を持たれた方は、次のパートナーシップでそれを活かし、幸せなパートナーシップを手にされる方は多いです。

思うように上手く行かなかった時は、失敗感や、自分を卑下するような思い、責めてしまう思いが湧いてくることもあるかと思いますが、少しでもそれとは違う視点の時間を持つヒントになれれば幸いです。

(完)

 

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら

1.子どもが理由で離婚を思いとどまる時に考えてみてもらいたいこと
2.浮気から離婚問題に〜離婚の回避と夫婦再生に向けてのヒント〜
3.離婚問題で夫婦関係を修復したい〜執着を手放しつつ修復にトライする〜
4.離婚後、失敗感に囚われてしまう〜幸せに向かおうとした自分を肯定する〜

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。