不安を手放す勇気

毎年、この2月~3月にかけて、私はとても落ち着かない気分を感じます。
理由は確定申告。
こればかりは何年経ってもなれません。

数字が苦手なのか、それともお金の計算が苦手なのか。

子どもの頃、そろばんを習っていたことがありました。
全然昇級しないのです。
そろばんですらも、暗算ですらも、すぐ弾き間違えるんですね。
電卓に変わったところで、やはり打ち間違える。
どうもその頃から、私の中では数字に弱い、計算は苦手だ、というマインドが出来上がったようです。

ですから、この確定申告の時期は、苦手意識満載の時期なのです。

そうなると、やりたくないんですね。
確定申告自体、手を付けたくない。
それが私の中にドーンと重い感覚として横たわるのです。

すると不思議と、他のこともいろいろとやりたくない病にかかったように、目をそらし始めるんです。

この時点でほったらかしになっているのは、確定申告だけではなくなっています。
あれも、これも、やらなきゃ、と思っていることにいろいろ目を背けているので、もはや何をいつまでにしなきゃいけないのか、一応締切日は過ぎてはいないはずだけれど、やらなきゃいけないことの締切日がいつかも把握できていない、なんてものが出てくるのです。

パソコンをパタンと閉じ、今日はもう寝よう!
そんな引きこもり生活。

そんなことをしていると、朝目覚める時、夢を見るんです。
焦っている夢。

〇時に集合、と言われていたのに、明らかに遅刻であろう状況の夢。
持っていかなきゃいけないものを持たずに出かけて、到着したら絶対怒られるであろう夢。

でも不思議と、到着前に目が覚めるんです。
だから遅刻して怒られることも無ければ、持っていかなきゃいけないものが手元に無くて怒られる、ということも夢の中ではないのです。

完全に自分の不安と焦りが夢となって表れている状態です。

夢占いとかいろいろありますけれど、心理学では、私たちの見る夢は、私たちの潜在意識下にある想いが夢に表れる、という見方をします。

そんな夢を立て続けに見て目覚めると、目覚めた瞬間というのは、なんとも悩ましい複雑な気分の元、目が覚めるのです。

あぁ、これは自分のメンタル的に良い状態にはならないな、とさすがに自分でも感じました。

ほったらかしになっていることを見るって、勇気が要るんですよね。

冷蔵庫で、そういえばきゅうりをいつだったか買ったはずだけど、あれ使った記憶ないな…?というような。

ビニール袋の中で溶けて液体化しているきゅうりならまだしも、いつからあるのかもよくわからない冷蔵庫の中の開かずのタッパーなんてものがあれば、開けずにそのまま処分したいですよね。

そんな気分で、重い腰を上げて、手付かずとなっていた書類やら何やらの締め切り日をひとつひとつ確認していく作業を始めます。

見ないままにしておいた状態だと、とても不安で焦る気持ちが消えなかったにも関わらず、ひとつひとつ確認作業をしていくと、不思議と心が落ち着きを取り戻し始めるんですね。
あんなにやりたくない、見たくない、と思っていたのにもかかわらず。

確定申告も、面白いことに、まだ好きなんて言える状態では無いですが、何年も似たようなことを繰り返しているからか、意外と取り掛かり始めてみれば、思ったほど苦じゃない、ということを感じたりするんですね。

一体あれほど苦手意識を持って、嫌だ嫌だと思って毛嫌いして遠ざけてきたのに、そのおかげで不安と焦り満載の夢まで立て続けに見てモヤモヤしてきたのに、おかしなものですね。

私たちの生活の中で、不安に思うことって様々な場面で出てきます。

不安を感じる時、上手くできなかったらどうしよう、悪いことになったらどうしよう、そんな気持ちでいっぱいになります。

私たちは不安に感じる出来事は、自分の外にあるものだと感じるのですが、実は全て自分の内側から出てくる感情なのです。

過去の失敗や、過去傷ついた想いなど、また繰り返し起こるのではないか、という怖れを持っていると、目の前の現実ではなく、過去の記憶を未来に映し出して見てしまう、というようなことをします。

すると、その怖れが未来にはとても巨大化して映し出されたりするのです。
光の当たり具合により、出来る影が小さくなったり大きくなったりするように。

そしてその巨大化して映し出されたものを現実だと感じて見るので、余計に不安は大きくなります。

でも、過去でも未来でもない、目の前にある現実を見てみると、目の前にある実際の問題は、想像以上に小さいものかもしれません。
難なく超えられるハードルなのかもしれません。

でもその目の前を直視する、ちょっとした勇気が持てないでいると、過去の傷や、未来に巨大化して映る不安の影に脅かされる、なんてことが起こってしまいます。

不安に思うことが悪いわけでも、何かを怖れることが悪いわけでも無いのです。
誰だって、得意不得意はあるし、不安になる感情だって、怖いと思う感情だってあるんです。

ただ、それを抱えている時の自分自身は苦しいものですよね。
全くいい気分なんてしないものです。

そんな想いから、自分自身を解放してあげるには、ちょっとした勇気が必要かもしれません。

決して1人でする必要はないんです。

物理的に手伝ってくれる人を探すも良し
友達に応援を求めるも良し
カウンセリングで話をするも良し

いろんな方法で、サポートを受けて良いんです。

私も苦手なことは人にお願いしたりサポートしてもらったりするようになりました。
以前は何かを人に頼むことすらも苦手でしたけどね。

もし今、何か不安で押しつぶされそうなことがあるならば、まずは不安を手放しても良いんだよ、って自分自身に伝えてあげてみてください。

そこからスタートです。

この記事を書いたカウンセラー

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こじれたパートナーシップという自身の経験から、恋愛、夫婦関係、浮気、不倫、離婚、パートナーシップの問題を得意とする。「自分を愛する」ことで本来持っている才能魅力を開花させる。「話すと元気になれる!」「そういうことか!」など、明るく明瞭なカウンセリングスタイルが好評。