恋をすると毎日が苦しくて嫌だ。それは無価値感のせいかも。

好きなのに避けること、あなたにもありませんか?

無価値感とは「自分には愛される価値がない」「愛されるためには何かをしなければいけない」という思い込みのこと。無価値感が強い人の恋愛パターンについてご紹介します。

◆無価値感のルーツについて

私たちが赤ちゃんだった頃、何もしなくても愛された時代がありました。しかし突然に世界が変わる日がやってきます。それは「しつけ」が始まるからです。しつけが始まると、今まで何をしても褒めてくれた親に「あれをしなさい、これをしなさい」「あれはダメ、これもダメ」と言われるようになります。

お手伝いをすれば褒められ、いたずらをすれば怒られ、大人しくしていれば褒められ、騒がしくすれば怒られる。そういうことを繰り返していくうちに子供は思い始めます。「愛情が欲しければ、お父さんお母さんに褒められることをしなければいけないのだ」と。

それがお母さんのお手伝い、きょうだいの面倒をみること、学校で良い成績を取ること、お稽古事や塾通い、クラブ活動になったりします。親だけではなく、学校の先生に気に入られるためにも、何か良いことをしなければいけないと思うようになります。

ここに「自分には愛される価値がない」「愛されるためには何かをしなければいけない」と思い込んだルーツがあります。そして、子供の頃に得た「これをしたら愛された」という行動は、大人になってからも「これをしたら愛されるに違いない」という成功法則として使い続けることがあり、それが恋愛パターンになるのです。

◆好きだと意識した途端に恋がうまくいかなくなる

無価値感があると「こんな価値のない私に好きになられても迷惑かもしれない」と思いやすく、自分の気持ちを隠すようになります。すると「好きなのに避ける」ことが多くなります。

たとえば、好きな人ができると、誰だってその人のことを目で追って見るようになります。もちろん、彼にわからないようにこっそりと。しかし、男性は意外とそういう視線には気づくのです。「ん?誰か僕のことを見ている?」と。

しかし、彼女は自分に好きになられても迷惑だと思っているので、彼と視線が合った時にあからさまに目を逸らし、近くに来ても頑なに視線を違う方向に向けるのです。これは「好きなことがバレたら迷惑に違いない」「見たいけれども見られたら恥ずかしい」という心境であるものだと、彼女はわかっています。

しかし、彼からしたらこの行為はどう見えるでしょうか?
「僕が彼女を見るとすぐ目を逸らされる」「近くに行くだけで避けられる」という不自然な状況を作り、「よほど僕のことが嫌いなのだろう」という誤解を与えかねないのです。本当は好きなのに…。

好きになればなるほど自然な自分でいられなくなり、ギクシャクした態度になり、言いたいことが言えなくなります。不自然な自分でいることは、好きな人の前で「自分の魅力」をまったくアピールできないのですから、なかなかお付き合いに至らないという悩みに発展してしまうことも。

無価値感が強いばかりに、好きになればなるほどに本来の自分が出せず、緊張と不安を感じるようになるので、「恋をすると毎日が苦しくて嫌だ」という人がとても多いのです。こんなに苦しい思いをするぐらいなら、誰も好きにならないほうがマシだと思い、そもそも恋愛をしないようにしている人もいます。

このパターンをもつ人は、子供の頃に大好きな人(その多くは両親)と距離が遠かった人が多いかもしれません。大好きな人が自分のそばにいるという感覚が薄いので、いつも遠くから見ているだけという心象風景をもっていたりします。

大人になるとそれが恋愛でも再現されやすくなるわけですが、カウンセリングであれば幼少期のさみしさをヒーリングしていくご提案をすることがあります。「私には手に入らない。いつも見ているだけ」という諦めを超えていくことがテーマになるでしょう。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1.  恋をすると毎日が苦しくて嫌だ。それは無価値感のせいかも。
  2.  入手困難な人を好きになるにはワケがある
  3.  好みの人には好かれないのに、好みじゃない人には好かれる。なぜ?
  4.  愛を受け取らなかったのは、じつは自分なのかもしれない
この記事を書いたカウンセラー

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失恋からの立ち直り、都合のいい女からの卒業、本気の婚活、浮気や離婚問題を乗り越える、夫婦関係の修復、離婚から再出発など、恋愛&男女関係の相談が多く、恋愛・結婚生活に悩む人の駆け込み相談所的な存在である。 30歳からのうまくいかない恋愛と40歳からのこじれた男女関係の解決を提供している。