仕事へのやりがいを感じるには

みなさんが仕事でやりがいを感じるときはどんなときですか?

お客さまから感謝をされたとき、自分の成長を感じたとき、目標を達成したとき、昇進したり、周りから評価されたとき、人によって、仕事で充実感を感じるポイントはさまざまかと思います。

自分のやっていることに喜びを感じながら日々を過ごせればいいですが、そうはいかないこともあるかもしれません。
毎日を忙しく過ごしていると、「なんのため」に頑張るのか、やりがいを見失ってしまうことがありす。

私は、興味をもって選んだ仕事だったのに、数年経つと、全くやる気がでなくなることがよくありました。
それまでやれていたことが億劫になったり、前向きに新しいことに取り組めなく安ったり。
惰性で仕事を続けていくうちに、やがてその仕事は好きではなくなりました。

私たちの心には「自尊感情」というものがあります。
これは、「私は誰かの役に立ちたい」という感覚で、私たちは、誰かに喜んでもらえることで、自分をいい存在だと感じます。
そして、「私は誰かの役に立てている」と自分に認めることが、自信につながります。

逆にいえば、人の役に立てていないと感じたり、誰にも自分は喜んでもらえないと感じるとき、恐れや不安が強くなります。
自信をなくしたり、仕事にやりがいが感じられなくなったり、何かにチャレンジする意欲も減ってしまったりします。

そのときの私は、「自分はできている」「自分は誰かの役に立てている」と実感がもてていませんでした。
自分で自分を認めることができない分だけ、「どれだけ頑張っているか」「周りが評価してくれるかどうか」、外側の指標で自尊感情を満たそうとしていました。
だから、勤務時間の長さ、作業の量、上司に褒められたかどうか、成果や評価など、わかりやすく目に見えるものを自分を支える材料にしてきたのです。

とはいえ、職場でいつでも評価されたり、自分の頑張りが認めてもらえるわけではありません。
むしろ、頑張るほど期待値が上がり、自分にさらなる頑張りを強いるようになりました。
闇雲に頑張ることは、自分に我慢を強いることでもあります。
私はやるべきことに追われて、「仕事だから、やるしかない」と我慢してくうちに、心は麻痺していってしまったのです。

私たちの心は、感情で動いています。
好き、嬉しい、楽しい、情熱、など、喜びを感じることはもっとやりたいと思います。
でも、我慢を重ねて、心が麻痺してしまうと、どんなことで自分の心が動くのかが分からなくなります。
ポジティブな感情が感じられないので、心のエネルギーが枯渇して、やる気も失われていきやすいのです。

もし、仕事への充実感を感じられないとき、やる気がでないときには、少し立ち止まって、自分は何が好きだったか、何を楽しいと感じるか、心の動きを見つめてみましょう。

私が仕事のやりがいを見失い、休憩中に不満をこぼしていたとき、先輩が聞いてくれたことがありました。
「嫌なら辞める人もいると思う。そこまで仕事をやらなくてもいいかもしれない。でも、どうして嫌だ嫌だと言いながら、そこまで頑張ろうとするの?」と。

聞かれてみて、はじめて、「私は何を大切に仕事をしているんだろうか?」と考えてみました。

人それぞれの答えがあると思いますが、そのとき私が思ったのは、お客さまが「ありがとうございます。助かりました!」って喜んでくれたことでした。
私が関わったことで、誰かが楽になったり、誰かの気持ちが少し明るくなったり、そういう様子を感じ取れるのが嬉しかったんです。
自分なりの喜びを忘れて、世間的によさそうなことを目的にしていたので、自分の本心からずれていってしまったんだと思います。
「自分が大切にしたいこと」を問いかけてみて、外側のものさしから、自分のものさしへと意識が切り替わりました。

もちろん、自分の価値観がわかったからといって、すぐにやる気が戻ったわけではありませんでした。
最初は、やりたい気持ちはあっても、「そうはいっても、うまくいかないかも」「大変だよ」と、ものごとに取り組む億劫さの方が優っていました。

人が前に進むためには、「やりたい」気持ちと「自分にはできる」自信の二つが必要なのかもしれません。

自信を取り戻していくには、自尊感情を育てていくことでした。
自分がやっていることが誰にどのように役立っているのかを振り返って、「自分にはできていることがある」と確認してあげるのです。

最初は自分が力を尽くしてきたことが見つけやすいかもしれません。
努力して頑張ったと感じていることは自分でも認めやすいです。

そして、できるようであれば、ハードルをぐんと下げて、当たり前にやっていることも「できていること」にカウントしてみましょう。
自然にやっていることのなかにも、周りを喜ばせてたり、感謝されていることがあるはずです。
そうすると、自分がやっていることに意義を感じられたり、周りのポジティブな言葉や反応に気づきやすくなっていきます。

私は、振り返っていくうちに、自分がやっていることに価値を見出せるようになりました。
そして、自分一人で頑張っているつもりが、自分を評価してくれる人がいる、見守って応援していてくれる人がいると感じられるようにもなりました。
そうすると、また一歩進んでみようかなと意欲につながっていったのです。

仕事のやりがいを見失ったときには、
・自分が大切にしたいことを振り返る
・すでに頑張ってきたこと、当たり前にできていることを自分で認めてあげる
よかったら、取り組んでみてくださいね

仕事のやりがいを感じるきっかけにしていただけたら幸いです。

この記事を書いたカウンセラー

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人間関係、自己嫌悪、家族関係、仕事などの相談を主に扱う。じっくりと話を聴きながら、そのままの自分でもっと楽に自由になれる道筋を一緒に見出していくサポートを行う。 お客さまの個性やペースを尊重し、いつでも味方でいることを大切にしており、「話していて安心できる」「心の深いところをわかってもらえた」と好評である。