怒って相手から絶縁される片思いのパターンを止められない

相談者名
かば
私は48歳(女)バツイチです。
異性、時には同性に対しても同じではありますが、自分が正しいとか気持ちを踏みにじられた、自分より他の人を優先されたや、何か寂しい気持ちになると、その事で相手に落ち度があることで、相手を批判して絶縁されるパターンを繰り返しています。
私はなぜそこまでして怒ってしまうのか、相手に正しく理解して修正してほしいから?相手はどんな風に感じて私との縁切りを決めているの?など知りたいです。
よろしくお願いします。
カウンセラー
服部希美
ご質問ありがとうございます。
カウンセリングサービス 心理カウンセラー服部希美です。

ご相談文を読ませていただいて、まず感じたのは、かばさんは、周りの人を大切にしたいというお気持ちがとても強い方なのだなということです。
なぜなら、周りの人と心でつながれるような関係を築くために、自分が変わりたいという思いがなければ、このようなご質問はでてこないからです。
そんな、愛する意欲のあるかばさんが、対人関係において、相手から絶縁されることが繰り返していらっしゃるとのことですから、どれだけ寂しく、深い悲しみを感じていらっしゃるのでしょう。
今日は、そんな愛情深いかばさんのために
「どうして相手にそこまで怒ってしまうのか」また、相手がどんな風に感じ、縁を切る(距離を取る)という選択をした可能性があるかについて。
「相手を批判してしまい、絶縁されるパターン」を解消していくための糸口について、いただいた文章からの憶測にはなりますが、お答えしたいと思います。
少しでもお力になれたら嬉しいです。

さて、自分が正しいとか気持ちを踏みにじられた、自分より他の人を優先されたや、何か寂しい気持ちになると、その事で相手に落ち度があることで、相手を批判して絶縁されるパターンを繰り返していますとのことですが、
誰だって、自分の気持ちを踏み躙られたように感じたり、自分より他の人を優先されたように感じたとき、あまりいい気分にはなりませんよね^^;

でも、同じような状況に遭遇した時「あの人も機嫌が悪かったのかな」「あの言い方はないけど、あんまり気にしないでおこう」で済む人もいれば、たとえば過剰に心が反応して「あなただって間違っているじゃないの!」と、やりこめてしまいたくなる人もいると思うのです。

この違いは、受け手側の「心の状態」の影響が大きいと心理学では考えられています。

たとえば、自分の気持ちを踏み躙られたように感じたり、自分より他の人を優先されたように感じたとき、かばさんはどんな気持ちを感じていらっしゃるでしょうか?

もし、惨めさだったり、寂しさだったり、自分を否定されてしまったような感じがしたり、誰にもこの気持ちをわかってくれる人なんていない、私は悪くないのに・・そんな、たくさんのネガティブな感情を感じていらっしゃるとするならば・・
相手を正しさで批判をすることは、必死に編み出した「防衛手段」の一つになっている可能性があるかもしれません。

たとえば、自分に本当は自信がなく、心の奥で「私は間違っているのではないか」「私は人から馬鹿にされるような存在だ」「こんな私は人に受け入れてもらえないだろう」「私はみんなより劣っている」などと思い込んでしまっていたり
かつて、たくさん否定されてきたり、報われなかったという悲しみなどが、心の中に残っていて、「自分は正しい」ということで、存在理由を保っていたり
かつて感じたような悲しく惨めな気持ちにならないように、人を批判することで自分を守ってあげているのかもしれないのですね。

また、もうひとつの見方としては
何かしらの理由で「分かって欲しい気持ちをうまく言葉にできない」ことで、こういったコミュニケーションになってしまっている可能性です。

実は怒り(相手への批判も含まれます)の下には「分かって欲しい・助けて欲しい・愛して欲しい」といった気持ちがあると言われています。
つまり、本音を伝えることができない分、「正しさをつかって批判する」ことで訴えるという形になっている可能性があるのですね。

たとえば、自分の気持ちを押し込めて「私が我慢しておけばいい」「仕方がないことなんだ」と自分に言い聞かせながら、我慢や遠慮をして過ごしてこられた、そんなご経験はありませんでしょうか?
また、自分の弱さを表現すること、人に助けてもらうことに対して、人に迷惑をかけるダメなことだと感じていませんか?
情けないこと、みっともないこと、みじめなことだと感じ、自分を追い込んでいらっしゃいませんか?
心細い中で、自分にプレッシャーをかけ、たくさんのことを抱え込んでいらっしゃいませんか?

もしもかばさんが、そんな気持ちでいっぱいの中、毎日を過ごしているとしたら・・
それはとてつもなくすごいことだと思うのです。
かばさんの責任感の強さや、優しさの表れでもあるのかなと思うのです。

ただ、その結果、正しさを使ってコミュニケーションをしてしまっているとしたら・・
悲しいことに、対人関係はうまくいかないことが多いのです。

たとえば私たちは、自分の人生を経験する中で「これは正しい」「これは間違っている」といった価値観を作っていきます。
その価値観は人それぞれ違うのですが、その人なりに生きてきた中で培ってきたものでもあるため、その人なりの誇りを持っていたりします。

ですから、他人から「あなたは間違っている」などと批判されてしまうと、いくらその意見が正しいものだとしても、愛情があったとしても、そのまるで自分自身を否定されているように感じて傷ついてしまうのですね。

そして、「あの人は自分を傷つける人」(敵のような感覚でしょうか)だと感じた時、私たちの取る行動は大きく分けると、ふたつあるとされています。

・相手に自分の正しさを認めさせようとする。
・これ以上傷つかないように、距離を取る。

こういった心理に当てはめてみると、いままで縁を切る選択をした人たちは、後者を選択したパターンが多いのかな、と感じました。

ただ、正しさで争うと、どちらも幸せになれないと心理学では言われています。
なぜなら、負けた方は恨みがでますし、勝ったとしても「大切な人を打ち負かしてしまった」と無意識に罪悪感を感じてしまうからです。

ですから、こういったことが起きた時には
「どうして、そういうふうに考えたのか?」コミュニケーションを取り尊重し合い「お互いにとっての新しい選択を作り上げていく」ということが大切にはなるのですね。

かばさんは、本当は、相手に「正しさ」を認めさせたいわけでも、攻撃したいわけでもないと思うのです。

人から自分の意見を蔑ろにされたり否定される悲しみも、人一倍ご存知だと思いますし、
ただただ、気持ちを伝えたい。相手にとってより良い存在でいたい。本音でコミュニケーションを取りたい、もっと仲良くなりたいと思っていらっしゃるだけだと思うのです。

そんな優しさや愛が、相手にそのまま伝わるように・・もし、ここまで読んで心当たりがあるなと感じましたら
「自分も相手も大切にするために、ちょっと勇気が必要だけれど、本音でコミュニケーションをとってみよう」と思ってみるといいかもしれません。

・寂しさを感じた時には「私は、あなたともっと仲良くなりたい」と伝えてみる。
・助けて欲しい時には「私は、あなたに、OOを手伝ってもらえたら嬉しい」と伝えてみる。

もし、ネガティブなコミュニケーションを取りたい場合は
「いつも私のことを理解しようとしてくれてありがとう。私もあなたともっと理解しあい、安心した関係を築いていきたいと思っているの。そのために、私はこういうふうに感じているのだけれど、あなたはどう考えてる?いっしょに考えてくれないかな?」
そんな提案の形で伝えてみるといいかもしれませんね。
もちろん対人関係は相手のあることですから、それで全てうまくいくわけではありませんが、少なくとも自爆してしまうような形は減らせる可能性はあるのかなと思います。

また、いま自分が何を伝えたいか分からないという場合は、我慢しすぎて、自分の気持ちがわからなくなっているのかもしれません。
そんなときには、いま感じていることをどんどん安全な形で吐き出して、本当に伝えたい気持ちを見つけてあげましょう。
紙に書き出してみるのもいいでしょうし、カウンセラーもよかったらご活用くださいね。
きっと、かばさんの本当の気持ちを聞きたくて、待っている人もいると思いますよ。

その上で、自己嫌悪や自己否定を減らしていくために、自分なりに頑張ってきたこと、周囲に対して愛情を持って接してきたことを思い出してみるといいかもしれませんね。
いまのかばさんも、たくさんいいところがあるはずです^^

もし自分で自分を認められない時には、かばさんの幸せをずっと祈ってくれていた人の愛情を受け取ってみましょう。
その人は、どんな言葉をかけてくれてたでしょうか。
自分自身に対して、日頃、そんな優しい目を向けられていますか?
自分自身に対する批判が減ってくると、人を批判することも減ってきますから、自分にも愛を注いでいきましょうね。

もちろん、全てにおいて、いきなり実践することはとても難しいことですから
焦らず、こつこつ取り組んでみてくださいね。

すこしでも、かばさんの参考になりましたでしょうか?
ご相談いただき、ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、対人関係の改善、自分が本当に望んでいる人生へのシフトチェンジへのサポートを得意とする。 特に「さびしさを笑顔に変えるカウンセリング」をテーマに掲げ、30代女性の生き方、恋愛・婚活サポートを精力的に行っている。 高い共感力を活かした「共に考え、併走する」カウンセリングスタイルが好評。