ファミリーシップを見直す(3) ~家庭平和という野望~

前回の「ファミリーシップを見直す(2)」は大変な反響がありました。
特に、家庭をお持ちの主婦の方からの感想が多く、マザーテレサの言葉が
大きく響いたようです。
知っていたけれど、再認識した、そんな感想でした。
そのマザーテレサの言葉をもう一度ご紹介すると、
「世界平和のために私達はどんな事をしたらいいですか」
という、ノーベル平和賞受賞の際のインタビューでのこと。
「帰って、あなたの家族を大切にしてあげてください」


世界平和のためには、まずは小さな世界(家庭)の平和から、という内容
でした。
ちなみに、いただいた感想は、すべて、ご自分がこのことを再認識したと
いう愛にみちあふれたものでした。
けれども、中には、
「うちの夫は世界平和とか、社会をよくするとかいう割には、家庭平和には
重きを置かないんです!!!」
と思っていらっしゃる方もいるのではないでしょうか?
確かに、ニュースを見ては世界平和を主張するわりに、自分の近くの人間に
対してはどうなの、とツッコミたくなるケースはありますよね。
特に、男性は社会平和や世界平和についてはアツク語れるのに、家庭平和に
なると、とたんに声が小さくなってしまうのはなぜなのでしょうか。
(すべての男性がそうだというわけではないのですが……)
それは、おそらくご主人にとって、家庭平和よりも、世界平和のほうが簡単
だからなのではないでしょうか(笑)。
結婚して何年も経過したり、特に子供ができると、男性は奥さんに対して
「お母さん」を重ねてしまうといわれます。
さらに、奥さんが子供にかかりっきりになってしまうと、自分のほうを
向いてくれる母性に満ちた優しい女性性がなくなってしまいます。
女性性を十分に受け取っていない男性は、だんだん競争や攻撃性の感情が
高まってくるようです。
もちろん、家庭でそれを発散させることはできないので、抑圧します。
これが続くと、抑えきれずに外で発散させるか、あるいは抑圧に抑圧を
重ねて枯れたようになってしまうかなんです。
外で発散させるにしても、枯れてしまうにしても、奥さんも同じ船に乗って
いるわけですから、そのツケを払わなくてはいけなくなってしまいます。
この状態は、一見おだやかなのですが、長期間続くと、大きな問題に
発展してしまうでしょう。
長く続いた分、根が深くなり、勃発後の収集が大変になってしまうのです。
そこで、戦争に突入している家庭も、一見して平和(?)なご家庭でも、
さらなる家庭平和という大きな野望にチャレンジしてみませんか?
やり方は簡単です。
相手のいいところをみてあげる、そしてそれを伝えてあげる、それだけです。
私たちがされて、一番うれしいことは何でしょうか?
それは、自分の存在価値を認めてくれること。
いいかえれば、自分の価値を見出してくれることに心地よさを感じるのです。
ところで、相手のいいところを褒めてあげたら、相手はきっととっても
喜ぶに違いない、と私たちは考えます。
実際には、ものすごく肩透かしを食らいます。
ショックを和らげるために、先に伝えておきますが、劇的な感動は、ほとん
どのケースでありません。
想像してみて欲しいのです。
急に、旦那さんや奥さんが自分のことを褒めだしたら、どう思うでしょうか。
なんか、あるんとちゃう?
また、何か買うたな?
浮気でもしているんとちゃう?
などなどなど……枚挙にいとまがありません。
私たちは、褒められることに慣れていないのです。
だから、急に褒められても、それが心からだと感じるよりも先に、何か
ウラがあるのではないか、と勘ぐってしまうのですね。
だから、「相手のいいところを褒めるのね、よっしゃ」と思ってはじめても、
相手のこのような反応をみて、なあんだとがっかりしてやめてしまうのです。
ところが、本当はここからが正念場なのです。
ここでやめてしまえば、「やっぱり、気まぐれだったんだ」ととられて
終わってしまいます。
続けていったとき、ウラがあるかもしれないと思っていた私たちも、
ようやく何もないことに気づき、信じ始めるのです。
そして、どんどん、うれしくなります。
ひとは、嬉しくなったり、心地よくなると、もっと心地よくなりたいと思う
ものです。
心地よく接してくれるひととは一緒にいたくなるし、仲良くしたいし、
大切にしたくなりますよね。
真実の家庭平和が訪れるのです。
家庭平和においては奥さんがリーダーシップをとった方が簡単なことが多い
ようです。
さらに、この試みは、非常に高率でオマケがつきます。
よく、私たち女性は愛情を言葉で確認したくなりませんか?
感謝している、とか、ごはんおいしい、とか、ちゃんといってくれなくちゃ
分からないわ、というように。
男性からしたら、「結婚するときに一生分言った」とか「一緒にいるんだから
好きに決まってるだろ」とか、なかなか「愛している」とか「ありがとう」
がいえないようなんですね。
実は照れくさいのです。
照れくさいのだけれども、本当はちゃんと愛しているし、感謝もして
いるのです。
そこで、相手の価値を伝えていくと、どんなに謙遜しても、心の中では
「うれしい」「ありがとう」と思っているものです。
「でも、口に出すのは照れくさい……」
言いたいけれども、いえないとき、私たちは他のもので補おうとします。
それが、以前はやったスイートテンダイヤモンド、なんですね。
いえない代わりに、別のカタチで感謝の気持ちを表すのです。
まっさかあ、と思うかもしれませんが。
私自身も、よくお客様に相手の価値をみて伝えるという宿題を出します。
あるお客様は、プレゼントの話まではしていなかったのですが、ずっと
冷たかった旦那様が、いきなり自分のお小遣いをためてブランドものの
アクセサリーをくれたと報告してくれました。
本当に、ちょびっと褒めただけなのに、だそうです。
今までは、ブランドなんてこだわらなかったのに、ととっても嬉しそう
でした。
浮気しかかっていたご主人と、現在ではラブラブです。
プレゼントはおまけのようなものですが、私たちは相手のことを大切で
好きだから一緒にいるのに、それが当たり前になってしまうのですね。
ただ、それを伝えましょう、というだけのことでは、あります。
ただ、それだけの簡単なことならば、やってみませんか?
これが、マザーテレサの「家族を大切にする」につながるのではないで
しょうか。
誰よりも、そのひとの価値を見てあげること。
愛をこめて、心をこめて、家庭平和という野望にチャレンジしてみる
気持ちはありますか?
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