男と女の10円ゲーム

「10円ゲーム」と呼ぶ心理をご紹介します

こんばんは

神戸メンタルサービスの平です。

先日、こんな質問をいただきました。

「私は好きな人ができると、その人のことばかりになってしまい、生活にゆとりがなくなってしまうんです。洗濯物をためてしまったり、お掃除もあまりしなくなったりしてしまいます。別に毎日デートしているわけでもないのに、なぜでしょう?」というご相談をいただきました。

今日は、このテーマについてお話しさせていただきます。

人間の心というのはおもしろいもので、まったく理論的ではありません。

私たちの用語で「10円ゲーム」と呼ぶ心理もその一つです。

たとえば、ショッピングに出かけて、ついついお買い物しすぎたと思ってください。

すると、「無駄遣いしちゃったかも・・・」と感じているので、いつもならバスで帰る道のりを歩いて帰ったりします。

3万円ほど無駄遣いして、200円ケチったところで、収支が合うはずはありません。しかし、心の中では、無駄遣いした部分と節約した部分の収支が合うのです。

彼と会っていないときにも彼のことばかり一生懸命思っている、そして、ほかになにも手につかないという状況は、心のどこかで「自分が彼にとって、あまり役に立っていない」とか「自分が彼と釣り合わない」などと感じているときによくあります。

そして、前述のショッピングの例と同じように、その不釣り合いの度合だけ、心の中で彼にエネルギーを注ぐことでバランスをとろうとするのです。

もちろん、彼を思うことは悪いことでもなんでもありません。

しかし、そのために洗濯や掃除がおざなりになってしまったとして、そんなときに万が一、彼があなたの部屋に遊びにきたら・・・。

「なんとだらしない女性なのか」と思われる心配のほうが大きいですよね・・・。しかし、心は「こんなに一生懸命思っている」ということで、自分の不足を補おうとするのです。

そうしてしまうあなたは、自分につける点数が低すぎるのかもしれませんね。

心の中で、彼が90点、そして、自分が50点だとしたら、バランスをとるために、あなたは40点分、なにかしなくてはいけないように感じてしまうのです。

もちろん、これはあなたが感じているだけのことなのですが・・・。

そもそも、あなたがほんとうに50点程度の女性ならば、彼はあなたとおつきあいをしないはずなのですが・・・。

どうも、私たちは自分につける点数が低すぎるようなのです。

自分につける点数が低いと、ほかにも、彼にものすごく執着してしまう、といったことも起こりがちです。

「こんな私を好きになってくれる人なんて、そうそういるはずない」と考えて、いまの彼にしがみついてしまうわけです。

こんなときは、心が飢餓感を感じ、余裕がどんどんなくなっていきます。

それはまるで、バーゲン会場で品物に群がっているおばさまたちの状態といってもいいかもしれません。

「早くしないと良いものがなくなってしまう」、「ほかの人に先にとられてしまう前に確保しなければ」と思えば思うほど、ゆとりがなくなってくるのです。

でも、もし、「良い品物が十二分にある」と思えたなら、それだけで余裕ができるはずですし、ガツガツしなくてもすむはずです。

彼や彼女がいないときは、「一生、独身だったらどうしよう」とか「このままずっと一人かも」と考えてしまうことがよくありますが、実はこれも、自分につける点数が低すぎることが飢餓感を作り出し、その飢餓感によって起こるネガティブ思考なのです。

また、30代の独身女性は、「もうトシだし、早く結婚しないと・・・」などと感じ、あせってしまうことがよくあるようです。

でも、これは、年齢とともに自分の点数が下がると思い込んでいるせいだということに気づいていただきたいのです。

実際は、生きてきた年数が長いほど、いろいろな経験や体験を通し、学べたこともあるはずです。

それは、若いころには持ち得なかった宝物です。

それをまったく考慮に入れないというのは、どうしたものでしょうか?

プロ野球選手などには、年上の女性と結婚するケースは多いものです。イチローしかり、松坂しかりです。

もちろん、彼らはとてもモテるはずなのですが、その彼らが選んだ年上の女性に、彼らはいったい何を求めたのでしょうか?

あなたが経験した人生のすべてのこと。

自分自身の「プラスα」として加点することを忘れてはいませんか?

来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。