幸せそうに見える人~「あなたは満ち足りていますか?」

今私が住んでいる所は、生活圏はほとんど変わらず、駅を挟んで南北に
北側に9年、南側に来て10年がたちます。
どんどん変わっていく商店街や町並みの中で、以前は分かりませんが、
私が知る限りほとんど全く(笑)、変わっていないお店があるんです。
もう13年(娘が中学生の頃から)通っている、お気に入りの飲み屋さん。
ちなみに私お酒は飲めません(苦笑)、なのになぜ?ここに通っているか
と言うと、アットホームで料理が美味しい!!!から。
最初の頃はもっぱら、ランチを食べに行っていたんですけど、仕事をする
ようになってからは、食事の支度がいらない時に、たまに1人でゆっくり
食事をしに行って、奥さんと他愛無いお喋りを楽しんだりしています。


ご夫婦で切り盛りされているんですが、と~っても仲がいいんです。
ほぼ私と同年代のお2人、未だに奥さんはご主人のことを「ダ~リン」
と呼んでおられます。これも最初の頃からずっと変わっていません(笑)
多趣味なお2人は、そのためにお店を休んじゃったりもします(苦笑)
サッカーが大好きで、ワールドカップの時には臨時休業もありました。
仕事も自分達の生活も趣味も、とってもEnjoyされてるようです。
寡黙なご主人と、明るくてとってもチャーミングな奥さんのコンビは、
ホントに年をとっていない気がします。最初の頃は奥さんのお父さんが、
一緒にお店をやっておられて、お父さんが病気になられた後2人でずっと、
このお店を続けてこられたのですが、その間には色んな事があった筈です。
客としてしか接していない私には、もちろん詳しいことは分かりません。
でもホントに変わらないんです。いつ行っても「お帰りなさ~い」と言って、
迎えてくれて、そんな所があることがとっても有り難いし嬉しいし、私には
ただ食事をするだけの所ではなく、のんびりリラックス出来る場所なんです。
私も・・・「ここで色んなことを考えながら、ご飯食べてたなぁ」って、時々
思い出すことがあります。娘の試験の後、待ち合わせてランチしたり・・・
息子が入院して手術した日に、疲れて病院から帰って来た時、ここで1人
夕食を食べながら、奥さんと話してホッと一息ついたなぁとか・・・
孫が生まれた日も、徹夜で付き添ってくたびれて家に帰って来た時、ここで
出産報告しながら、ご飯食べてたなぁとか・・・
記億は感情ごとに整理されているって言うけど、気持ちが落ち着く馴染んだ
場所は、時間を越えて様々な記億を引き出してくれる、宝箱のような所かも
知れないなぁって思います。
何もかもがめまぐるしく変わっていくのは、都会の宿命のようなもので、
人も街も、変わっていくのが当然かも知れませんが、いつの頃からか、
「変わらないなぁ」と感じられる人・もの・場所に、惹かれている自分に
気がつきました。それは40年50年と生きてきて、心に沢山の思い出が
しまいこまれるようになって、「時々は思い出の宝箱を開けたいなぁ」と、
無意識で(笑)思うようになった、からなのかも知れません。
ここに住んで見つけた、もう1ヶ所のお気に入りは、こじんまりした喫茶店。
そこは古いフランス映画(私も生まれていない、70年前の映画です)の、
主人公の名前がつけられた、カウンターだけのお店。
仙人のような白髪ロン毛(死語ですねぇ(苦笑))のマスターが、1人で
飄々とやっておられます(笑)
こだわりのコーヒーと絶品のケーキ、メニューはそれだけ!それで25年間
内装も全く変わっていないまま、ずっと続いているそうなんです。
これってなかなかないと思いませんか?スゴイと思います!!!
20年以上の常連さん、って方もいらっしゃるようで(驚)、こうなるともう
生活の一部って感じですよね。
喫茶店と言えば・・・もっとスゴイ所があります!!!
実家がある大阪に、私が高校生の頃からあるお店で、それこそ未だに内装も
壁掛けの黒電話もそのまま、当時は探してもちょっとない位凝ったお店で、
「どう見ても商売でやってると言うより、趣味やんなぁ」なんて、友達と
言いながら大人を気取って(笑)、結構通ってたお店でした。
切り盛りしている女性もずっと同じ人で、何年もご無沙汰して、久し振りに
行った時に話したら、「覚えてますよ~」って言われて、ビックリでした。
今でもたまに行きますが、何とも言えない懐かしさを感じます。
今でも全く古さを感じさせなくて、そこだけ時が止まっているようです。
そこでコーヒーを飲んでいると、本当にタイムスリップしたように、
10代20代の頃の、とぉ~~~い(なんせ30年以上前ですから(苦笑))
思い出が、次から次へと甦ってきて時を忘れてしまいます。
変わらないように見えるだけで、もちろん変わってはいるんですよね。
変わらないように思えるのは、お店の人達が『いつも満ち足りて見える』
からじゃないかな?、って私にはそんな風に感じられるんです。
私が年を重ねていると同じだけ、その人達も年を重ねています、色々な
出来事が起こっている筈だし、楽しい時ばかりではなかったと思います。
でもいつ行ってもいつ見ても、その人達は『満ち足りて見える』んです。
それにその「変わらないなぁ」って言う感覚は、私だけが感じている、
訳ではないようなんです。どうしてそんな風に思えるのか?と言うと、
それぞれのお店で、他のお客さんが「いつ来ても変わらないねぇ」とか、
「ここに来ると、何か落ち着くんだよねぇ」って、私が感じているのと、
同じように話されているのを、何回も耳にしたことがあるからなんですね。
共通しているのは、どの人もお店にの中で、とても楽しそうなんですね。
そのお店をホントに愛していて、そこで日々を過ごせることを、「幸せ~」
って思っているんだろうなぁって、見ていて思えるんです。
現実的には、売り上げがどうのとか、仕入れがどうのとか、お店を続けて
いく為には、沢山の問題を抱えての毎日で、楽しいことばかりではない
だろうなぁって、素人の私でも分かっているのに、やっぱりそう見えるし、
そう感じるんです。多くを求めない=「もっと儲けて店を大きくしよう」、
なんて気がない(苦笑)みたいです。
どうしてそれが出来るんだろう?って考えてみて・・・
私が感じたのは、「今が幸せ!」だからなのかなぁって(笑)
『幸せ』の感じ方は、人それぞれ違いますよね。どれがよくてどれが悪いって
ことではないし、どんな形どれ位の大きさでなんて、目に見える形に現せる
ものでもないし、同じ人でも時々で、どんどん変わっても行くでしょう。
でも、『満ち足りている』って思えるのは、間違いなく『幸せ』だろうなぁ
って、私にはそう思えるんですね。
『満ち足りる』、それは自分がそう感じられればいいだけ、周りの人から
見たら、「こんな程度でいいの?」って時もあるかも知れないけど、それで
十分なんだなぁ、ってそう感じさせてくれるんです。
『満ち足りた』って、感じられたとしたら・・・
それでもう十分なんじゃないかな?って、そんな気がします。
『多くを求めなくても、満ち足りていると感じられる』
「私もそんな毎日を送りたいなぁ」
「私もそんな風に、生きて行きていけたらいいなぁ」って、
最近はお気に入りのお店に行くたびに、そう思うようになりました。
「あなたは今、満ち足りていますか?」
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

家族関係・対人関係・パートナーシップ・自己肯定自己実現を得意分野とし、がん看護・認知症介護の経験から医療・福祉関係にも精通している。 深層心理への唯一のアプローチである【感覚・感情】を解放する、癒しのスペシャリスト。 「体感で楽になった」「腑に落ちる」「納得がいった」と好評をえている。

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