軽やかに年を重ねて~『ちょっとそこまでカウンセリングに』

先日発表された平均寿命の世界ランキング、ご覧になった方も
多かったのではないでしょうか?
日本は、女性が85.7歳で第1位、男性は78.7歳で第3位、
男女合計でも82.3歳で、第1位と言う、堂々の最長寿国です。
安全な生活環境や、インフラが整備されていること、医療技術の高さ等、
理由は他にも沢山あるだろうと思いますが、長く生きられることがイコール
満足のいく人生、幸せな人生であって欲しいなと、願わずにはいられません。
穏やかな長寿の国であって欲しい日本ですが、実情は問題が山積している
ようで、特に家族関係における問題が、メディアで取り上げられない時が
ない位に、次々とセンセーショナルな出来事が起こったりしています。


家族の問題は、家族全体を見て癒していくのが、最も効果を発揮すると
言われていますが、『家族療法』のようなやり方は、日本ではなかなか難しい
ようです。1つには、地縁・血縁を大事にする、慣習的な土壌が根強いこと、
(都市部ではそれ程ではないかも知れませんが、地方の方からのお話では
未だに、「大変なんですよ」と伺うことがよくあります。)
もう1つが、カウンセリングそのものへの、理解度がまだまだ深まっていない
こと、その2点による、抵抗感が大きいからなのだろうなと感じています。
「カウンセリングを受ける」ことは、残念なことに「外聞をはばかる」
事柄と、捉えられている方もまだ多いのかも知れませんね。
私がカウンセラーになりたかった、1番大きな理由は、「年代に関わらず、
どのような年令層の方にも、抵抗なくカウンセリングが、受け入れられる
ようになって欲しい。」と言う思いでした。
最近では嬉しいことに、クライアントさんの年代が、50代・60代・70代
と、どんどん広がって来ていて、本当に嬉しいし、素敵なことだなぁと
思っています。
私の母親の年代の方が、ご相談に来て下さった時には、とても感激しました。
どの年代でも、カウンセリングにご相談頂くのは、本当に勇気がいることだと
思ってますが、『恥の意識が強い』と言われている日本人の中でも、やはり
年代が上がると、その意識はより強く感じられますし、また戦前・戦中には、
『我慢は美徳』と言う、根強い国民的な意識(そんな風に感じてしまう位に、
浸透していた気がするんですね(苦笑))が、時代が作った性格として、
厳然とあったんじゃないだろうか・・・と思ったりもしていて、そんな大きな
抵抗を感じながらも、ご相談下さったんだろうなと思うと、頭が下がる
思いがしました。
自分より年上のクライアントさんの場合、お話を伺っていると、そんな時代の
背景も、とても大きな影響力があったんだなと感じます。
カウンセラーとしては、時代を学んでおく必要性も痛感しています。
ご苦労の多かった先輩方に、少しでも心穏やかに過ごして頂けるよう、
お手伝いさせて頂けることは、私にはとても嬉しいことなんですね。
長寿を誇るだけではなく、「長生きしてよかった」と思える社会である
ことは、これからの私達にも当然、大きなテーマになっていくことでも
あります。
私と同年代でも、カウンセリングに抵抗を感じる方達が、まだまだ多い中、
特に40代以降の方々から、「人生の折り返しを過ぎて改めて、自分の
人生を、見つめ直してみたくて。」と、ご相談を頂くケースに出会うことが、
多くなっています。
20代・30代と『日常』や『生活』に追われて、「無我夢中で頑張って
来た。」ふと気づいた時に、「これまでの自分のやり方は、本当にこれで
良かったんだろうかと、不安になって立ち止まってしまった。」と、ご相談
下さるんですね。
ご自身のことだけでなく、親の世代のこと、子供の世代のことも含めて、
またシングルで、ずっと生きてこられた方も増えていて、様々な問題を
抱える、多様なケースになってきています。
40代と言えば、平均寿命が50代と言うような時代には、『不惑』と
呼ばれて、「迷いはもうない」と言った域に、達しているとされていた
ようですが、今では、平均寿命まで生きられるとしたら、倍以上の年月が
残っている訳ですから、むしろ40代からが『迷いの時代』に、なってきて
いるのかも知れないな?と感じたりしています。
実際我が身を振り返ってみても、夫婦のこと・親子のこと・親とのこと、
それは病気であったり、感情的なすれ違いであったり、金銭的な悩みで
あったり、沢山の問題が次から次へと、それも絡まり合ってやってきて、
心身ともに、とても負担が大きい気がしていました。
それが自分の老いを感じ始めた時期に、目の前に次々と現れて来るとしたら、
立ち止まってしまうのも、無理のないことではないでしょうか。
私の場合は、あまりに幾つものことが1度に勃発してしまい、右往左往して
心も体もヘトヘトになってしまった、苦い記億が残っています(苦笑)
年令を重ねると若い時のように、「勢いで何とか克服出来る!」とも思えず、
「このままずっと続いていったら、とても持ちこたえられない。」と感じて、
不安になったり。怖くなったり。そんな風に思ってしまう時が、誰にでも
訪れるのかも知れないなと、ご相談を伺う中でそう感じるようになりました。
それは必ずしも40代にと言う訳ではなく、人それぞれで50代であったり、
60代、70代であったりもするのかも知れません。
そして1度経験すれば、それでもう2度と出会わないと言うものでもない、
とも思います。
そう言う意味では、その人にとっての大きな転換期と言うのは、
年令に関係なく、いつ訪れると決まっている訳でもないんだろうな、
と感じています。そんな時には・・・
「いい年をして恥ずかしい。」「我慢して自分で何とかしよう。」
と抱え込まずに、「人に頼っていいんだ。」「1人で悩まなくてもいい。」
「悩みや問題は誰にでもあることで、決して恥ずかしいことではない。」と
思って頂けたら、どうしようもない状況にまで至る事は、避けられるだろうと
思えるんですね。『ちょっとそこまでカウンセリングに』と言った感じで、
気軽に利用して頂けたら、もっと多くの方に楽になって頂けるんじゃないか?
そんな思いが強くあります。
高齢化社会に突入する、と言われている今だからこそ!
もっともっとカウンセリングが、身近なものになっていって欲しいと
思っています。カウンセリングは、悩みや問題を解決するためだけでなく、
ライススタイルやライフデザインを、分かりやすく描き出してくれる、
そんな手段でもあります。
[どんな風に生きて行きたいか?」「どんな幸せをつかみたいか?」
今生き方が求められている、そんな時代に、みなさんは、
どんなライフデザインを描いてみたいですか?
『自分らしい人生を生きる』とは、どんな風に生きることなんでしょう?
皆さんにもイメージされるものはあると思います。今50代の私のテーマは、
『年を重ねていくことが、楽しいと感じられること』なんですね。
40代も50代も、60代も70代も、年代に関わらず気軽に
カウンセリングを受けることが出来る、そんな社会になって行ったら、
明るく元気に、イキイキと年を重ねて、楽しい人生を送る人が増えて
いくんじゃないだろうか?
そんな風に変わっていければ、いずれ来る高齢化社会も、きっと魅力的な
ものになって行くと思えるし、お父さんお母さん世代やおじいちゃん
おばあちゃん世代が、楽しそうに軽やかに年を重ねて生きている姿は、
若い世代の人達の目に、どんな風に映るでしょうか?
嫌な感じには見えないと思いませんか?「年を取るのも悪くないなぁ」と、
希望を持ってもらえるんじゃないだろうか、と期待もしています。
自分達にもいずれ来る未来を、明るいものとして捉えることが出来たら、
将来の不安に怯えることも、少なくなるんじゃないでしょうか。
そんな時代になっていって欲しい!きっとそんな時代がやって来る!
そんな思いをいつも持ち続けながら、10代・20代~上限なく、幅広く
カウンセリングを利用して下さる方が、今後もっともっと増えていって下さる
といいなと、心から楽しみにしながら、お話を伺っている毎日ですが・・・
これからは時代をリードする先駆けとして、クライアントさんとの関係が
求められてくるのではないかな?と強く感じています。
私自身カウンセリングの現場に身を置いて、自分の年令と共に、リアルに今を
感じ続けて行けることは、本当に有り難いことだと思っています。
地域のレクリェーションに出かける様に、趣味のサークルに参加する様に、
『ちょっとそこまでカウンセリングに』と言える時代の到来を、見ることが
出来るのも、そう遠いことではないかも知れないなと思っただけで、今から
ワクワクして心が躍ってしまう、幸せなおばちゃんカウンセラーなのでした。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

家族関係・対人関係・パートナーシップ・自己肯定自己実現を得意分野とし、がん看護・認知症介護の経験から医療・福祉関係にも精通している。 深層心理への唯一のアプローチである【感覚・感情】を解放する、癒しのスペシャリスト。 「体感で楽になった」「腑に落ちる」「納得がいった」と好評をえている。

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