次は与える人生へ

「もらいっぱなしの人生ってどうよ?」と、最近思います。
40年以上生きてきて、たくさんの人から、たくさんのものを、もらいました。
「うっとおしいねん!」と、嫌ったこともありましたが、親から愛情ももらい
ましたし、必死で働いて「もう嫌じゃーーー!!」と叫びながらも、会社から
お給料ももらいました。
「耳にタコができるわ・・・」と、心の中で思いながらでしたが、先輩からあ
りがたい教えもいただきました。
もらっている時と言うのは、ずっと文句を言っていたような気がします。
「うっとおしい!」
「もっと、マシな教え方してよ!」
「同じことばっかり・・・」


言いたい放題だったなぁ〜と思います。
実際に言わないまでも、心の中でそんなことばかり思っていました。
反省です・・・
さて、40歳を超えると、当然ですが大人ですから、あまり誰も教えてくれなく
なります。
「当然知っているだろう」と思われているからでしょうか、それとも、あまり
に可愛くないので、誰も教えたくないのでしょうか、教えてもらう機会という
のが極端に少なくなります。
そして、代わりに増えてくるのが、「教えてあげる」ことです。
教えてあげることって、誰かに何かを与えることですよね。
もらっていた立場から、与える立場にいつのまにやら来てしまっているのです。
もらったものは、お返ししていかねばなりません。
与えてくれた人本人にお返しするばかりでは、ありませんよ。
子供達や、後輩、友達などに、自分が与えてもらったものを、お返しするので
す。
がっ!
ここで、一つ問題が発生します。
自分がもらう立場だった時に、散々悪態をついた(心の中で思っても同罪です)
分だけ、ドバッ!と、自分に悪態が返ってくるような恐怖に陥るのです。
諺どおり「寝て吐く唾は、身にかかる」です。
親や、先輩、会社についた悪態は、寝て唾を吐いていた状態だったのです。
頭上で、バケツがひっくりかえるがごとく、唾が降りかかってくるのです。
とは言っても、実際にだれかが唾を吐きかえるわけではありません。
でも、自分が悪態をついた分だけ、自分が教える立場になった時に、「悪態を
つかれるかも?」「だって、私ってば悪態ついたもん・・・」という恐怖にな
るのです。
この恐怖におののく状態を、心理学では「権威との葛藤」と言います。
自分が権威ある立場に立つことと葛藤するのです。
そうです。悪態をついた分だけ・・・
でも、もらいっぱなしの人生から脱出して、与える人生に切り替える為には、
権威との葛藤を、切り抜けねばなりません。
どうやって、切り抜けるか?
自分がもらっていた頃に、権威ある立場であった親・先輩・会社などに対して
理解して、許して、感謝するのです。
「親も、やり方は、マズかったかもしれないけど、出来る範囲で頑張ってくれ
てたよな〜ありがたい。」
「先輩も同じ話ばかりだったけど、それ程必死で教えようとしてくれたんだろ
うな〜ありがたい。」
「仕事、仕事で大変だったけど、あの時の経験が今活かせているんだな〜あり
がたい。」
これをやった分だけ、唾から身をかわせます。
もらいっぱなしの人生ではなく、もらったものは、ちゃんと次の世代にお返し
する大人になりたいですもんね。
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この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。