問題解決の方法〜力を抜いてみよう〜

人は、様々な問題に直面します。問題、どうにかして解決したいなぁ〜と思
いますね。
では、問題とは、一体どんなものなのでしょうか?
問題とは、たとえば、「仕事で頑張れない」とか「みんなの役に立ってない」
とか「お金に不自由している」「人に優しくできない」とかですね。
もう少し掘り下げてみると、「頑張れない」という事は、「頑張りたいけど、
頑張れない」、「役に立っていない」という事は「役に立ちたいけど、役に
立っていない」、「お金に不自由している」は、「お金に不自由したくない
けど、不自由している」、「人に優しくできない」は「人に優しくしたいけ
ど、優しくできない」ということになります。つまり、問題は、「こうした
いけど、こうならない」「こうありたいけど、こうではない」という事です
ね。


ここで、問題に着目してしまうと、「したいけど出来ていない自分」とか
「そうはなれない自分」とか、「悪い」自分を感じてしまいます。そして、
「私ってやっぱりだめだ」とか、「俺ってサイテーな人間だ」などと責めて
しまいます。
その結果、そんな悪い自分を感じたくないので、人によっては無理して頑張
って何とか成し遂げようとしたり、周囲の人や状況を責めて、自分を悪く感
じる事からどうにかして逃げ出そうとします。例えば「私がこんなに頑張っ
ているのに、あなたはどうして頑張らないのよ!」とか「私がこれをやらな
いようにがまんしているのに、どうしてあなたはそれを平気でやるの!」な
どといった事は日常茶飯事に見受けられる光景かもしれません。
でもそうやった結果起こる事は、体を壊したり、疲れ果てて空虚感を感じた
り、人間関係が悪くなったりと、悪い結果を生む事が多いように感じます。
もちろん、無理して頑張った結果、何とか事がうまく運び出して、その後、
楽になったというケースもありますが、いろいろ見ている限り、うまくいく
ケースは余り多くないような気がします。
では、どうしてこんな結果になってしまうのでしょうか?元々はもっとポジ
ティブに自分や状況を変える目的で始めた事なんですよね。「頑張れない」
と責める気持ちは、「頑張りたい」が動機ですし、「役に立っていない」と
責める気持ちは、「役に立ちたい」が動機です。「お金に不自由している」
は、「お金に不自由したくない」状況を作る事が動機ですし、「人に優しく
できない」と責める気持ちは「人に優しくしたい」が動機です。頑張った結
果、実は目的とした逆の結果を生んでしまうことがとても多いですね。
実は、問題を何とかしようと頑張っている時には、力が入りすぎている事が
多いんです。では、なぜ力が入りすぎるのでしょうか?これは、それがうま
くいかなかった時の怖れと関係しています。怖れが強ければ強いほど、人間
は緊張し、力が入ります。そしてその結果、怖れていた通りの失敗をしてし
まいます。
例えば、街角を歩いていて、フラッと喫茶店に立ち寄ったとします。初めて
入る喫茶店です。アンティーク物が飾られているお洒落な感じの喫茶店です。
そこでコーヒーを注文します。コーヒーの値段もそんなに高くはない。そし
てコーヒーが目の前に運ばれてきます。先ず、一口、コーヒーを飲みます。
普通に飲めますね。でも、例えばそのコーヒーカップ1客の値段が100万
円すると聞かされたとしたら、2口目以降、同じような感じでコーヒーを口
に運ぶ事が出来るでしょうか?
人によってはもう飲まないかも知れませんね。飲む場合でも「落としてはい
けない」と緊張してしまいますね。そして、コーヒーを口に運ぶ時にガタガ
タと震えるかも知れません。これは。「コーヒーカップをもし落としたら・
・・」という怖れが緊張を生んで、「落としてはいけない」と力が入った結
果、震えるという事になります。そして震えてコーヒーカップを口に運ぶと
・・・そう、落としてしまったりします。
こんな感じで、何かを「問題」と意識した途端に、人は緊張し、力が入って
うまく出来なくなってしまいます。あるいは、飲まないというような本来の
目的から外れる行動をとったりします。
では、変な力が入らないようにするためには、どうしたらいいのでしょうか?
これは逆説的なんですが、問題を問題と意識するから緊張するわけですから、
問題を問題と意識しない事なんです。
問題を問題と意識する殆どの場合、人は悪い結果を想像します。コーヒーカ
ップの例で言えば、コーヒーカップを落として割ってしまう、ということを
考えますね。失敗してしまう自分に信頼を寄せるわけです。でも、もしコー
ヒーカップが100万円する事を知らなければ、あるいはそんなに高いコー
ヒーカップでなければ、「落とす」という事を思いもしないわけです。だか
ら、いつも通りに、普通にコーヒーを口に運ぶ事が出来ますね。これが、自
分の自然な姿、自然体になります。
人が緊張し、変な力が入って失敗してしまうのは、実は成功する事、成功す
る自分に信頼を寄せていない時なんです。すなわち、問題を問題として捉え
る事こそが、大きな問題というわけです。
さて、何かを問題と考え始めた時、まずは問題の下側にある「こうしたい」
とか「こうなりたい」などポジティブな気持ちに先ずは着目してください。
そして、そんな自分って、どんなに素晴らしい自分かを感じてみてください。
「人に優しくしたいんだなぁ」とか、「頑張りたいんだなぁ」とかですね。
そして、そうしている自分を想像してみてください。具体的に、どんな風に
振る舞っているのか、誰に優しくしているのか・・・。具体的であればある
ほどあたたかい、いい感じになると思います。そして、その感覚を持って、
ご自分が考えられていた問題に対処してみてください。きっとうまくいきま
すよ。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。