息子の自立〜息子の考え、親の思い

先日うちの下の息子高校3年生が「英会話の学校に行くのにローン組むんやけど、親こなあかんから明日一緒に来てな〜」と突然・・・
「はーーー???英会話??ローン????それはいくらかかるの?」
「大丈夫!自分で分割で払うから」
またもや・・・


息子は受験生なのですが、今すでに予備校一つと英語塾に通ってます。
英語塾に関しては中学の時から通っているので、親の管轄だったのですが、予備校の時も勝手に申し込みをし、「自分で払うから!」と事後報告でした。
その時はなんとなく親として気持ちが悪く「じゃ、月1万だけ助けるわ」てな形で時間が流れていました。
我が家の方針としては、塾は一つでいいという考えでした。
彼は高校1年からアルバイトをしていて、どうやらたくさん蓄えている様子ではあったのですが、なんでまた受験前に英会話なのか・・・しかもローンを組んでまで今必要なものなのか・・・
息子の考え→大学に入ってから1年間の海外留学をたくらんでいるため、今の間に聞き取りのレベルを上げておけば、学びやすくなる。
後は受験勉強の息抜きになる。とのこと
私の思い →先のことよりも確実にストレートで合格出来るように、今は受験のことだけ考えろーーーー。浪人したらいくらかかると思ってるねーーーん。
自分でローンを組むなんて、なんだか親として罪悪感を感じてしまうじゃないか。。。。
こんなことを息子に言うと、「自分のやりたいことを自分でお金を払って行くんやから、好きにさして!」ときっぱり!
うーーーーーん、なんか嫌な感じ・・・なんかすっきりしない・・
息子がそのお金で旅行にでも行くというのなら、きっと何とも思わないのに。
何でこんなに嫌なんだろう・・?と自分の中をみていくと、私自身が家庭の事情で高校の進学もあきらめ、手に職をつけるために美容学校に進まざるおえなかったという過去があります。
あのころは両親が商売に失敗してしまい、私の中では仕方のなかったことと十分消化したつもりのことなのですが、どうやら私は子供の勉強のために親がお金を出さないことが、とても罪悪感(悪いこと)と繋がっているようです。
罪悪感の感情があるときは、許していない誰かがいる。これは心理学の方程式のようなものです。誰かの要素を攻撃していると、自分の中にその要素を見つけたときに、自分をボコボコにしてしまうわけです。ということは私はまだ親を許していないのか・・・・?
どうやら私は、親というよりも、あの頃の環境に劣等感がまだあるようです。
感情的には、自分が与えてもらえずに悲しかった思いを、少しでも子供に感じさせることが辛いと感じてるのですが、これはあの頃の私の感情で、息子の感情とは別のものなんですよね。
うちにありあまるお金でいっぱいならば、「あなたの思うようにしたらいいよ。自分で出してでも行こうと思うなら頑張れ!」と素直に見守ってやれるのかもしれません。
でも、「今そんな予定外のお金はだせないぞーーー」と思った自分が罪悪感になったようです。
息子が出してくれと言ったわけでもないのに。
そんなこんなを主人に話すと「あいつは自分でやりたいんや。親は自立しようとしてる息子の邪魔をしたらあかんやろ」
とあっさり。
「オレらも結婚するときに思ったやろ。自分たちの責任でやるから好きなようにさせてくれって。ちょうどあいつの年頃やったよな」と。
そうです。確かに思いました。親に負担はかけたくなかったし、でも自分の思うようにやりたかったのです。自分の責任のもとで。
そういえば、あの頃母親が「あんたにはちゃんとした結婚をさせてやりたかったのに・・・」と毎日のようにブツブツと言われました。
今思うと、あれは母親の無力感だったのですね。
再度息子と話し合いをし、教育ローンを自分で組むことは思いとどまらせ、3年コースを取りあえず1年のコースに変え、それでも一括で数十万なので、その一部は私達が息子に貸すということで落ち着きました。この話し合いでは、親としてではなく、人生の先輩としての立ち位置から、息子の本来の目的である留学をするという夢のための、そのプロセスに対する助言という形で行いました。
自立しようとしてる息子には、親としてではなく、大人同士の話し合いが効果的なようです。
親はついつい自分の感情ベースで、子供をコントロールしがちです。
もちろん愛するがゆえの思いなんですけどね。
でも、ある時期が来たら、親側も子供は自分とはまったく違う人間なのだということを全面的に受け入れていく準備が必要です。
我が家でも、とうとう息子たちとの関係が変わるときがきたようです。自分の手で全面的に守ってやる存在から、自分の道を模索しながら羽ばたいていこうとする息子たちに、信頼をベースに応援をおくり続けてやれるかのミッションです。
いくつになってもかわいい息子を手放して、自立して一人の大人になろうとしている息子たちに、理解や応援を送り続けれる私になりたいな・・・ 
これが今の私の目指すところです。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

夫婦関係、子育て、恋愛、コミュニケーション全般、自身の経験をもとに、自己愛がベースになるカウンセリングで、幅広いジャンルを得意とする。 母性が織り成す豊かな感性とやわらかさに加え、明るく元気なスタイルで、カウンセリングを終えたあとは心がほぐれて晴れやかな気持ちになれると好評である。