老化の心理②〜心が老いる要因その1〜

前回、心が老化するのは、感じている感情が変化しないとき、起こ
るかも知れない、というお話をしました。
そもそも心が老化する、とはどういうことなのでしょうか?
ここで取り上げる「老化」とは、悪い意味での「老化」を取り上げ
ています。


今回は、その悪い老化の最たるもの、
「頑固さ」について取り上げて見たいと思います。
悪い意味でのお年寄り、と言って思い出すのは、
「頑固者」
と言うのが多いでしょう。
逆に、よい意味でのお年寄りとは、
「聡明である」
「達観している」
という風に見られますね。
でも、これらの違いは、実は紙一重なのかもしれません。
老いる、とは、二つの側面が当然にあるわけです。
人生の年輪を重ねて心が成熟している部分と、逆に、がん細胞のよ
うに変化せず、頑固になったりしていく部分と、年をとっていくご
とに、僕たち人間全員にこの二つの側面が発生していきます。
これを読まれているあなたは、誰かに「頑固者!」と言われたこと
はありませんか?
ちなみに、僕はあります(笑)。
頑固な人、と言えば、どんな人を皆さんは連想されますか?
一般的に言えば、頑固な人に対して、僕たち人間が感じることと言
えば、
「古臭いことばかり言ってる!」とか、
「人の言うことをぜんぜん聞きもしない!」とか、
「あの人はぜんぜん理解が無い!」とか。
主に、こういったことを感じることが多いと思います。
僕が僕自身、とても頑固者で、若いくせに古臭い考え方をする奴だ
といわれていた時分のころのことを思い出すと、感情面でとても
かたくなになっていたと思います。
その時分の僕は、人とのかかわりで見れば、拒否的で、人を受け入
れるというのをとても嫌がっていました。
だから、自然と一人になりたがり、他人との接触はひどく拒んでい
たので、1日だれとも口をきかない、という状態でほとんどすごし
ていました。そのときの僕は、実はどういう生き方をしていたか、
というと、
「どうすれば、傷つかないですむのか?」という方法でした。
僕が選択した生き方は、
「誰ともかかわらない、そして、いつ死んでもかまわない」
という方法だったのです。
そのときの僕にとっては、この生き方は最高の生き方でした。
だから、人からどんなアドバイスを受けようとも、その生き方を変
えるつもりもありませんでした。
ここで気づくことが出来るのは、心が老化している、頑固になって
いる状態の裏に隠れている感情というのは、ひどく怯えている感情
が隠れているということです。
僕の場合、隠れていたのは、
「人と接すると、どこかで必ず傷ついてしまう」
という部分でした。
人によって、この部分はぜんぜん違うものとはなると思いますが、
多くの場合、もう絶対に感じたくない!と思った感情が、頑固さ
の裏側に隠れているわけです。
僕たち人間は、人生を成功させる方法を自分の中にたくさん持って
いますが、
「どうすれば、そういう感じたくない感情を感じずにすむか?」と
いう視点で考えている方法が時々存在します。
その方法は、別に間違っていません。
根幹となる、感じたくない感情は感じずにすむからです。
でも、僕の例で言えば、一人ぼっちで寂しい、人生がどんどんつま
らなく、惨めになっていっていたというリスクが要りました。
こういった方法に伴うリスクは、必ずと言っていいほど、僕たちに
不幸せ感を感じさせてくれるものとなります。
そういった方法は、年をとればとるほど、たくさん増えますから、
その不幸せ感も、年をとればとるほどひとしおです。
頑固さの裏側には、そうした、自分を守るための手段が隠れていま
す。守ること自体は問題ではありません。でも、僕たちの心は、今
はもう、守らなくてもいいはずのものまで守っていたり、感じたく
ないと思って、心の隅っこにしまわれている感情があったりします。
感情は、感じれば感じるほど心の中から外に放出され、別の感情に
変わっていきます。
たとえば、
「俺は、人に傷つけられるのが怖い、痛いのはもういやだ、こんな
 に痛いのなら死んだほうがましだ、でも、怖いから死ぬというの
 は嫌だ、面白くない、そうだ、人生、もっと楽しみたい!」
といった具合に。
(普通はこんなに簡単ではないですが。。。)
40代は、人生の約半分を終了し、折り返し地点になります。
多くの方のお話を伺ってきましたが、40年間、生きてきたと言う
ことは、本当に、それだけでも十分なキャリアです。
そのキャリアの中で、あなたが成熟し、聡明さを持っている部分、
また逆に、頑固になっている部分、僕たち人間の中には、どちらの
側面もあります。
だからこそ、自分の今までの生き方を整理し、幸せな人はより幸せ
に、自分が不幸だと感じてらっしゃる方は、また、残りの人生は幸
せに、心の大掃除をするのに最適な年代です。
一度チェックしてみるとよいでしょう。
あなたの中の、今はもう、役に立たない、でも、変えたくないと思
っている生き方、そして、感じたくない感情。
それらを大掃除して、更なる飛躍をしてみませんか?
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