恋愛の満足度を上げる秘訣:“気持ちの持ち方”で体験が変わる法則

恋愛が幸せじゃない…そんなとき、行動やテクニックよりも大切なのは“どんな気持ちで接するか”かもしれません。気持ちの持ち方ひとつで、同じ体験でも恋愛の満足度は大きく変わるのです。

■「ご機嫌をとるために」行動した彼が得たものとは?

どのような気持ちで行動するかによって、同じことをしても、あなたが体験する内容は大きく変わってきます。

たとえば、彼女がいるある男性のケースを考えてみましょう。

彼は、平日の夜は連日のように同僚との飲み会が続いています。

休日は休日で予定が詰まっている。

先々週の休日には、推しのライブ遠征の予定が入っており、彼女からのデートの誘いを断りました。
先週の休日も、友人とのキャンプの約束があったため、彼女の誘いを断ることに。

そして今週の土曜日には、部長との接待ゴルフが入り、またしても彼女との予定は見送りに。
残る日曜日は「ゴルフの疲れを癒やしたい」という理由で、やはり彼女からの誘いを断りました。

このような状況が数ヶ月も続いているのです。

彼自身も「そろそろ彼女のご機嫌が斜めになっているのでは…」と気にしています。
あまりにも放っておいたことに心当たりがあり、「もしかすると、別れを切り出されるかもしれない」という不安もよぎります。

そこで、彼は「そろそろ本気でまずいかもしれない」と考え、ご機嫌を取るために奮発して、彼女の好物である寿司を食べに行く計画を立てます。

しかも選んだのは、彼女が「死ぬまでに一度は行ってみたい」と言っていたアメリカのオバマ元大統領も訪れたことがある超有名店、“すきやばし次郎”。

簡単には予約が取れないその店に、なんとか努力を重ねて予約を取りつけました。

当日、彼女は「こんなの初めて!」と満面の笑みで寿司をほおばります。

そして彼は心の中でこう思います――「あぁ、よかった。ご機嫌斜めのデートにならなくて…」。

牛丼チェーンのすき家であれば、並盛り480円、卵をつけても570円で済むところ、すきやばし次郎のディナーは数万円。
さすがにお高いものです。

それだけの大金を使っても、「別れる」と言われるかもしれないという不安が残る中で、機嫌取りとしてのご馳走に対する彼の心に残るのは、結局「今日はなんとか機嫌を損ねずに済んだ」という安堵感程度が関の山だったりします。

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■どんな気持ちで奢るかが、体験の意味を変える

しかし、同じ“すきやばし次郎”での食事であっても、そこに込められた想いが違えば、彼にとっての体験はまったく異なるものになります。

たとえば、
•「魚好きの彼女に、どうしてもおいしい寿司を食べさせたい」
•「一流の寿司店で、特別な体験をしてもらいたい」
•「喜んでもらえたら、自分もうれしい」

というような、“与える気持ち”で彼がご馳走したとしたら――
彼女の喜ぶ姿を見て、きっと彼の心には、こうした言葉が浮かぶことでしょう。

「よかった、頑張って予約して本当に良かった」
「奮発した甲斐があった」
「明日からカップラーメン生活でもかまわない。節約してお金貯めてまた彼女をまた連れて行ってあげたい」

そうした喜びややりがい、充実感を得られる体験になるのです。

予約の手間も、かかる費用も同じ。
しかし、“どんな気持ちでその行動をするのか”によって、得られる体験はまったく変わってくるのです。

一方は「よあぁ、よかった。ご機嫌斜めのデートにならなくて…」、
もう一方は充実感や喜び、やりがいを感じる体験。

どんな気持ちを持ってするかによって、体験が変わるんです。

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■すべての人間関係に通じる“気持ちの力”

これは「パートナーにどんな気持ちでご飯を奢るか」という例でしたが、他の関係においても、同じことが言えるのではないでしょうか?

そうです。
すべては“気持ちの持ち方”に通じているのです。

たとえば――
•連休に子どもを遊園地へ連れていく
→「せめて休みくらいは、どこかに連れて行かねば…」という義務感から行動することもできますし、
→「思い出をつくってあげたい」という気持ちから動くこともできます。

•職場で忙しい同僚の手伝いをする
→「今手を貸しておかなければ、後で自分が困った時に助けてもらえないも」という打算的な気持ちで行動することもできますし、
→「少しでも負担を軽くしてあげたい」という思いやりから手を差し伸べることもできます。

•友人の相談にのる
→「断ったら、冷たい人だと思われるのが嫌だな…」という防衛的な気持ちから話を聞くこともできますし、
→「友人を少しでも助けてあげたい」という気持ちから耳を傾けることもできます。

このように、他者との関係性において、どんな気持ちで行動するかによって、
“その行為が自分にとって充実感や喜び、やりがいとなるかどうか”が変わってくるのです。

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■費やすものは同じ――でも心が違えば、結果は変わる

どのような気持ちで行動するかによらず、作業内容や使う時間、費用などの外的な要素は同じです。

たとえば先ほどの「すきやばし次郎に彼女を連れて行った話」であれば――
予約の取り方を調べる時間も、実際に何度も電話をかける手間も、支払うディナー代金も、ドレスコードの準備にかかる労力も、すべて同じです。

つまり、「やること」は変わらないのです。

しかし、「どんな気持ちでやるか」によって、得られる体験はまったく変わります。

“与える気持ち”で行動したときには、そこに達成感や満足感、やりがいが自然と伴ってくるのです。

ですから、私のおすすめはこうです。
どうせ同じ手間や時間、費用を使うなら――
愛や善意を込めて、「与える気持ち」を持って取り組むことで、
あなたにとってもより豊かな体験となるのではないでしょうか。

あなたの毎日が、少しでもあたたかい体験で満たされますように。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. 恋愛の満足度を上げる秘訣:“気持ちの持ち方”で体験が変わる法則
  2. その優しさはきっと巡ってあなたに還る|人間関係に起こる愛の投影
  3. 「この人がよくなりますように」その祈りがあなたに幸せを運ぶ理由
この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。