あんな親になりたくない…と決めたはずなのに…

「自分の親みたいにはなりたくない」
「お母さんみたいな言い方だけはしない」
そう思っていたのに、気づけば今日も、
「何回言ったらわかるの!?」
って…。
あれ? それ、うちの母ちゃんがよく言ってたセリフやん…。
案外あるあるなお話なんですよね。

親の“再放送”のような子育てから、“親を超える”子育て

封印したはずの記憶が、セリフごとよみがえる不思議

子どもを持つと、親との記憶がふとよみがえって来る…なんてこと経験ありませんでしょうか。
しかも、「まさにこの場面で、こう言ってたわ!」みたいにね。
・ご飯を残して叱る自分 → あれ? うちの父これやってたぞ。
・忙しくてつい無視 → あれ、うちの母ちゃんもこんな感じだったな。
・怒った後に自己嫌悪 → あれ、これ母が泣いてたやつかも。
まるで自分が、親のリメイク版を演じているような気持になる。
こうして、自分の子育て中に、自分のお父さんやお母さんのことがちょいちょい出てくるようなことってあるんですよね。

・「親を超える」とは、“違うやり方”を選ぶということ
私たちは、多かれ少なかれ皆さん “理想の親” みたいなものがあって、そこを目指したくなるものだと思います。
なのに、反面教師にしていたはずの親に、なぜか似てくる。
それは、育った環境が私たちの土台になっているからなんです。
でもね。
心理学的に言えば、「土台」は変えられないけれど、「上に建てる家」というのは選び直すことは可能なんですよ。
・親が感情的過ぎる人だった → 自分は気持ちを分かりやすく言葉で伝える親になりたい。
・親が支配的だった → 子どもの意見を尊重して、しっかり聴いてあげたい。
・親が完璧主義だった → 「ま、いっか」もokな家庭にしたい。
親がやってしまっていて、自分が嫌だと思っていたことと、“違うやり方”を選ぶのね。それが、「親を超える」ってことだと私は思います。

 

実はもう「違う親」になっている

悩んでる時点で、親とは違う自分になっている

子育てに悩むと、「こんなんじゃダメな親なのかも…」って思うことはありますよね。でも、それって実はすごいことなの。
なぜなら、親の時代というのは、「親はこうあるべき」「子どもは黙って従え」的な感じだったと思うんですよね。
でも今、「どう育てたらいいのか」「自分のかかわり方はこれでいいか」って考えて悩んでいるんだとしたら、それはもう、充分 “親とは違う道” を歩いていると思うんです。

親との違いは、親が出来なかったことの再現

子育てって、自分の心の中にいる、“昔の自分”をみつけていく作業にもならないかな。
・叱られて悲しかったとき
・分かって欲しかったのに黙っていられたとき
・頑張ったけど、認められなかったとき
そんな子どもの頃の自分に、今、あなたが子どもを通して出会っているのかもしれません。
そして、
「私は、あのとき自分がして欲しかったことを、子どもにしてあげたいんだな」
って。
その思いこそが、親とは違う道を歩く、今のあなたの愛情いっぱいの子育てなんだと思います。

 

親にも親なりの「人生」があった

あなたが気づいた「しんどさ」を、あの人も背負っていたのかもしれない

子育てに悩む親御さんの多くの方が、自分の子どもを見ながら子ども時代の自分を思い出すことがあるようなんですね。
「なんで、私の親はもっと優しくしてくれなかったの?」
「どうしてあんな言い方しか出来なかったの?」
「私はこんなに抱っこされたっけ。」
「こんなに愛してもらえなかった。」
って。
でもふと気づくこともあるようなんです。
自分が子どもにイライラしてしまう日、余裕のなさに泣きたくなるとき、

あの人も、もしかしたら…。

似たような気持を抱えていたのかもしれないなって。
愛し方が不器用だったのかもしれない。
助けて、って言えなかったのかもしれない。
頑張ってたけど、報われなかったのかもしれない。
そう思えたら、親を「許す」なんて、そこまでは出来なくても、「分かる気がする」と、思えることが増えていくと思うんですね。
そしてそれは、あなたが「自分の人生」を取り戻していく大切な一歩になるのではないでしょうか。

あなたは、あなたのやり方で

親と同じようになってしまうこともあります。
違う道を選ぼうとして、空回りする日もあるかもしれません。
でもその中で、
「どう育てたいか」「どうありたいか」を考えるあなたは、確かにもう、“あの人とは違う親”なんですよね。
親を理解しながら、自分を育て直していくこと。それは、あなたの子どもにとっても何よりの贈り物です。
ゆっくりでいいんです。
あなたのペースで、「あなたの家族」をつくっていってくださいね。

今回の私事の記事が、子育て中の皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。

 

次週は、高塚早苗カウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。