退屈ほど怖いものはない(4)~ロマンスは「ヴィジョン」か「ファンタジー」か~

ロマンスは、相手のことしか考えられないくらい自分以外の誰かや何かを大切に思える心の状態です。

その人(事柄)のいいところしか見えないのでアバタもエクボですが、自分のことよりも相手に夢中で、相手を大切に思える関係性は、パートナーシップに限らず、仕事でも、趣味でも、あきらめモードで退屈しきったときこそ、ヴィジョンにしたい心のあり方です。もう一度、わくわく、ドキドキしながら生きてみませんか?

ロマンスは、寝ても醒めても彼(女)のことしか、あるいは仕事(趣味、その他大好きなもの)のことしか考えられない、そんな心の状態を言います。

わくわく、ドキドキが止まらない。どうなるかさっぱりわからないけれど、彼(女)とあんなことも、こんなこともしたい。ああなったらいいな、こうなったらいいな、と次から次へと夢が膨らみます。

とーっても幸せだけれど、「もう勘弁して!」って叫びたくなるくらい怖くもあります。
でも、とっても怖いけれど、溶けてなくなりそうなくらい甘くて幸せ。

そんな死にそうなくらい幸せで、死にそうなくらい怖い、それくらい相手(もしくは対象となる物や事柄)のことを想っている状態だといえそうです。

私たちのエゴは、自分の保身のみを考えますから、意識が100%自分以外の誰かや物事にいくなんて、危険きわまりないと感じて、思いっきり警戒警報を鳴らします。

でも、私たちは、どこか本能的に、自分以上にほかの誰かや物事を愛せたらどれだけ幸せか知っているみたいで、誰かに、何かに恋をして、夢中になりたいという気持ちを持っています。

このロマンスの時期は、相手(物事)が、実態以上に素晴らしく見えてしまうものです。いいところばかりが目につくのですから、さもありなん。

「アバタもエクボ」というように、アバタがアバタに見えないのですから、熱が冷めたら、がっかりするのはお決まりの道といえます。

つい、昨日来た道を思い出しては、がっかりするのがわかっているのだから、と恋に落ちそうになった瞬間からアバタを探してしまう人もいそうですね。

相手を等身大で見ていないといえば、確かに、ロマンスの時代に見ているのは「ファンタジー(空想)」です。

よく、おつきあいが始まった頃は、しょっちゅうメールや電話で連絡をくれてご機嫌伺いをしてくれた彼が、しばらくするとなしのつぶてになり、時間をあまり作ってくれなくなると、「嫌われたかしら」と不安になりますよね。

とても多くの場合、もともとマメなタイプではなくて、おつきあい当初は無理をしていたけれど、だんだんと地が出てきただけ、という話なのですが。

でも、がっかりしたくないからといって、風船の空気を抜くように、胸が膨らむ想いを自分で叩きつぶすのも違うと私は思うのです。

ロマンスもいずれはけんかの時代に突入し、またうんざりするようなデッドゾーンが待っている、とこれまでの恋愛から学びつつも、だからこそ「ロマンスは楽しまなくちゃ」と思えた方が人生はよっぽど楽しいです。

実際、今の私のダーリンと「けんかの時代」に突入してしばらくした頃、彼が独り言をつぶやくように、

「でも、あの頃、ろみ(私のニックネーム)は、何をおいても僕を優先してくれたよね。二人でいるときは、いつも僕のことだけを見ていてくれた」

と遠い目をしていました(笑)。ロマンスのときのときめきと熱が、その後に、エゴとエゴの戦いが始まってからも、二人の関係性のつっかえ棒になってくれるのです。

そういう意味で、ロマンスは、二人の関係性の「ヴィジョン」を見せてくれると言えるのではないでしょうか。そして、二人の関係性が、二進も三進もいかなくなり、けんかも疲れてできなくなり、あきらめと無意味感を押し殺しながら、「何のために生きているのだろう」と思うようになったとき(デッドゾーン)こそ、「ロマンス」が、もう一度「生きる」選択をするための「ヴィジョン」になってくれます。

「また、あのときのように、相手のことを大切に思いたい」。
「自分のことよりも、相手のことを思えるほど、相手を愛せる自分になりたい」。

そう思えた方が幸せだからこそ、私たちはロマンスが大好きなのだと思います。

もし、あなたが今、人生に退屈しきっているとしたら。
淡々と生きているけれど、死んでいるのか生きているのかわからないような、エアーポケットに時々落ちるとしたら。
何にも興味をもてず、世界が白黒のモノトーンに見えるとしたら。

あなたに必要なのは、何かに夢中になること、ロマンスを感じられることかもしれません。
あなたの人生に、もっとロマンスを呼び込むために、ほんの少しでいいから心のリスクをとってみませんか。

「いつものあなた」ではない「あなた」を生きてみませんか。
そんなあなたの生まれ変わりを応援させてくださいね。

(完)

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