懐に飛び込めば意外に怖くない

普段からお仕事をされていて、色々問題が起こることもあるかと思います。
簡単なものならよいのですが、中には中々手がつけられないものもありますよね。
そこには何か大きなハードルがあるわけです。その心理的な理由として、仕事やそれに関わる人との距離感が大きく影響している場合があります。
仕事そのものや人との距離感が遠い場合、そこには分離感があります。
分離感があると、物事や人を身近に感じることが出来なくなります。
いわば絆がとぎれた状態です。

例えば、距離感のある相手に対して、人は一般的には「何を考えているのかよくわからない」という感じやすくなります。
もっと言うなら、安心感よりは緊張感、警戒感、或いは不安や欺瞞などネガティブな感情が起こりやすいと言われています。
また、別の例えをするなら「お化け」「あの世」なんかはどうでしょうか。
お化けの場合、この世に生きている私達とは余りにもかけ離れた存在で不気味に映ります。
「あの世」に至っては、人によっては行って帰ってきたという人もいるかもしれませんが、大抵の人は自分の目で見たわけではありませんから、やはり自分の生きている世界とは余りにも遠くて異質でわからない部分が多すぎます。
このように「どうなっているのかよくわからない」「正体不明」「知らない世界」といった距離のあるものに対して、私達は一般的に恐れを感じるということです。
或いは自分の経験値にないものや少ないものほど不安を感じやすく、慣れたものはそれほどストレスにはなりにくいということです。

では、逆にどうすればその恐れや不安を軽くすることができるのでしょうか。
私自身にも経験があるのですが、このコラムを読まれているということは働いている方、もしくはその経験がある方が殆どかと思いますが、一度は体調を崩した事があるのではないでしょうか。
その時、「うーん、無理をしすぎたかな・・・。もしかするとどこか悪くしてしまったかも」「うちは癌の家系だから、もしかすると自分も・・・」なんて思ったことはありませんか?
それで病院で精密検査を受けてから結果が出るまでの1、2週間は、とても長く感じられ待っている間の不安と言ったら、たまったものではありませんよね。
そして、検査結果を聞いた後はどうかと言えば、意外に冷静に受け止めていた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
つまり、不安を感じている対象の正体がわかってしまえば、不安や恐れはかなり軽減されるということが言えます。

整理すると、
距離がある → 相手の正体は見えにくい → 正体不明 → 不安を感じる → 怖いから近づけない、
ということが言えるのではないかと思います。
仕事に置き換えると、仕事に対して距離感があると言うことは、その仕事に関して見えていない部分が多く、何が懸案で、その懸案に対してどう取り組むのか、リスクは何かなどがクリヤーになっていない為、まるで正体不明のモンスターと対峙しているかのように感じて動けなくなっているということではないでしょうか。

逆に距離を詰めるとどうなるのでしょうか。
距離感を詰めれば、親密感が高まります。
親密感が高まると言うことは、恐れや不安、欺瞞などネガティブな感情を軽減し、向き合う勇気や気力、直視する力の源となっていきます。
距離感を詰めるには、その仕事に関わってみる、コミットメントしてみる事が有効です。
まずは手をつけてみるという事がよいと思います。
その際、ハードルとなるのは結果に対する恐れではないかと思います。
「うまくできないのではないか」「やったとしても何も生まれないのではないか」など。
これに対しては「できるか、できないか」ではなく「うまくできるかどうかはわからないが、まずはやるかやらないか」を決めることが大切になってきます。
手をつけた度合いだけ、先に述べた何がわからないのか、何が懸案なのかも少し見えてきます。
つまり、モンスターの正体がわかり始めると言うことなんですね。

少しずつでもいいから手をつけて見ませんか。
霧は徐々に晴れてゆきます。

この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や夫婦関係などの男女関係から、親子や対人関係、ビジネスまで幅広いジャンルを扱う。 問題の中からお客様の輝きを見つけ出すことをモットーに、「どんなことも許容される”安心感”」を与えるカウンセラーである。 粘り強く問題と向き合う姿勢から「非常に丁寧に話を聞いてもらえる」と評価が高い。