自分に影響力を持つ人

1日のうちのほとんどを彼のことを考えているあなたへ

こんばんは。

神戸メンタルサービスの平です。

みなさんの恋愛のご相談を伺っていると、ご相談の内容がすべて彼の悪口もしくは、いかに彼が最低な人間かということを延々に訴えられる方がいらっしゃいます。

中には、「毎日毎日、別れた彼のことを考えているだけで腹が立って夜も眠れない」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

このことを心理学的に言うと、理由のいかんを問わず、1日のうちのほとんどを彼のことを考えている場合、それは彼のことが好きであれ、嫌いであれ、彼のことをとても重要な人物として認識しているということなのです。

彼に憎しみを抱いている場合は、彼のことをどこかで決して手に入らないものと考え、彼のことを大好きなのに、彼を嫌いになろうとしているようです。

先日、ある女子大学生のカウンセリングをしたのですが、彼女は高校からずっと一緒だった彼と同じ大学に行き、同じ同好会に入りました。

彼女は彼のことを友人の一人として認識していたのですが、大学に入り、彼がコンパに行ったり、ほかの女性と飲みに行ったりすることをすごく不快に感じ始めるようになりました。

カウンセリングのはじめに、彼女は「最近とても腹が立って許せない男性の友達がいるのですが・・・」と話をはじめてくれました。

「コンパに行ったり、ほかの女性と飲みに行っているけれど、せっかく大学に入ったのだからもっと勉強すべきだ」とか、「未成年のくせにお酒を飲むべきではない」という不満をたくさんおっしゃったのですが、私が「なぜこの男性のことがそんなに気になったり、長時間腹が立ったりするのでしょうね?」と問いかけると、彼女は考え込んでしまいました。

彼のことを考えるなぜかとても腹が立って許せなくなるようです。

あるとき、彼と電話でしゃべっているときに「コンパや飲みに行く金があるなら、たまには私におごれ!」と言ったことがあったそうです。

普通はそんなに嫌ならば、「もう二度と顔など見たくない」とか、「友達でもなんでもない」となるはずなのですが、彼女は「私におごれ」と言ったわけです。

少し変ですよね。

もし、彼と彼女がおつきあいをしていたにもかかわらず、彼がコンパに行ったり、ほかの女の子と飲みに行ったりしているのだとしたら、彼女の怒りはもっともですし、「そんなお金があるなら私におごれ」と主張されるのももっともなことなのですが・・・。

しかし、私が彼女に「どうも彼のことが好きみたいですね」と言うまで彼女はそのことにまったく気がつかなかったようです。

彼女の気持ちが彼の方に向こうとするたびに、彼女は何かと理由をつけて彼を嫌う努力をしてきたようなのです。

私たちにとって、大好きな人を嫌う努力をしなければならないのは一番つらいことのひとつです。

彼女は彼を好きだということを彼のことを「友達だから」という理由をつけて押さえつけていたようです。

だから、一日のうち何回も「友達だから・・・」と自分に言うことがあったそうです。

彼女は彼のことを何度も「嫌いではない」と言ってくれましたが、彼を「好きだ」と認識することが上手にできなかったようなのです。

その後、彼のことを考えるととてもとても腹が立つようになりました。

彼女が自分の心に本当に向き合っていったときにはじめて、ずっと自分は彼から「好きだ」といわれるのを待ち続けているのだということに気がついたようです。

その後、彼女は自分の態度を振り返って、自分が、彼に説教したり怒ってばかりのとても嫌な女であることに気づきました。

でも、そんなことばかりしていた自分を受け入れてくれていた彼を認識すると、彼女はますます彼のことが好きになり、ついに彼女の方から告白しました。

彼も彼女のことは好きだったのですが、あまりにも自分に対して怒ってばかりなので、きっと自分に気はないのだと思い、コンパなどに精を出していたようなのです。

好きであれ、嫌いであれ、私たちは自分に影響力を持つ人に関しては、とても心を動かされるようです。

では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。