リモートワークが辛い理由と対応策

「家で仕事が出来ることは楽ではあるのですが、リモートワークが辛いんです。」
そんなご相談をお伺いすることが増えてきました。

緊急に迫られリモートワークを実施することになった直後は、慣れない操作や感覚についていくので精いっぱい。
一時的な緊急事態だ、という認識から「この環境で、まだまだやっていかなければいけない」という認識に変わってきたことで「実は感じていた不安」が浮き彫りになってくる…そんな時期がやってきたのでしょう。

今回は、リモートワークがなぜ辛いのか?そして、その出来る対応策をお伝えします。
毎日を頑張るあなたのお役に立てたら幸いです。

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実際にオフィスで人と顔を合わせて行う仕事と、リモートワークとの大きな違いと言えば、やはり「伝わる情報量の差」だと思うのですね。
実は、目の前に人がいるコミュニケーションと、メールや文章、動画を介してのコミュニケーションでは「伝わる情報」に大きく差がでるのです。

たとえば、直接会って話しているとき、私たちは「言葉、声のトーンや速さ、相手の視覚的な様子、場の雰囲気」などをキャッチしながら、コミュニケーションを取っています。
お互い自然にそれらの情報をキャッチし合いながら、コミュニケーションを取っているわけですね。

この「直接会って、コミュニケーションを取れる」状態を100としたとき。
電話などの「声だけのやり取り」になった場合は、約45パーセントほど。
メールやLINEなど「文字だけのやり取り」になった場合、なんと7パーセントほどしか、情報のやり取りができない状態になってしまう、と心理学では言われているんですね。

では、足りない情報の分はどうするのか?というと、ほとんどの場合は「受け取り手が想像して補って」います。

限られる中で受け取った情報、つまり「文章の流れや、声のトーン」などから「相手の状況や心境」「望んでいること」を察して返答をする。
直接会えば自然とやり取りができる部分を「想像して汲み取り、コミュニケーションをしなくてはいけない」ということが、知らず知らずに負担になり、辛さの原因になっていることが多いのですね。
 

とはいえ、同じような状況の中でも「リモートワーク」を苦にしていない人もいますよね。
直接会うのとそこまで変わらない、すこし面倒くさいぐらいかな?、ぐらいの辛さしかと感じてない人もいます。

情報の伝わり方の違いは、同じだけ感じているはずなのに、辛さを感じる度合いが違う。
この違いは、いったいどこから来るのでしょうか?
 

実はこの違いは「その人自身の心」にあります。

たとえば、メールの文章を読んだときに受ける印象の殆どが「読み手の想像」です。
こういう風に書いてくる人は、どんな気持ちでいるのだろうか?なにを自分に望んでいるのだろうか?と想像するわけなのですが、ここで少なからず「読み手の心が投影」されてしまうのです。

投影、というのは「心の状態を外に映し出す」心理のこと。
誰でも持っている心の仕組みの一つです。

つまり、同じ文章でも、なんとも思ってない人には普通の業務メールなのに、
普段から「嫌われないようにしなきゃ」と人前で緊張している人であれば、文章や声のトーンから「嫌われているかも」と想像しやすくなり
「私はバカにされてる?」と普段から思っている人は「私を馬鹿にしている文章だ」と感じやすくなる、というわけです。

直接会っていれば「私がそう思ってるだけだったわ」程度で終わるすれ違いが、コミュニケーションが少なくなりがちなリモートワークでは、大きなすれ違いに発展しやすいため「自分のことを自分で良く思っていない人ほど、リモートワークが辛い」という状況になっているようです。
 

「自分の不安や怖れが投影しやすい」ということを知っておくだけでも楽になる。

普段から「情報量の少ないコミュニケーションは、すれ違いが起きやすく、自分の怖れや不安を投影しやすい」と自覚しておくだけでも、ラクになれるかと思います。

そしてもし、不安や怖れに捉われそうになった時には、一呼吸おいた後、やり取りを振り返ってみましょう。
客観的な視点で見つめなおすことが出来れば、誤解やすれ違いは極力減らすことができると思いますよ。

そしてその上でも、違和感を感じるときには、ひとりで抱え込まずに相手に確認する。
すこし勇気がいりますが、違和感を感じたまま放置しておくと不安がどんどん膨らんでしまいますからね。

また、客観的に見れる友人や同僚などに意見を求めるのも効果的。
自分以外の視点を取り入れることで、誤解やすれ違いを減らすことができますよ。
 

カウンセリングもどうぞ、ご活用くださいね。

参考になれば幸いです。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、対人関係の改善、自分が本当に望んでいる人生へのシフトチェンジへのサポートを得意とする。 特に「さびしさを笑顔に変えるカウンセリング」をテーマに掲げ、30代女性の生き方、恋愛・婚活サポートを精力的に行っている。 高い共感力を活かした「共に考え、併走する」カウンセリングスタイルが好評。