ナンパの達人

そのやり方で、どうして失敗したかわかるかな?

こんにちは 平です。

ずいぶん昔のことですが、私どもの講座の受講生から、ナンパ講座という実践セミナーに参加してきたという話を聞いたことがあります。

大阪の難波に“ひっかけ橋”と呼ばれる場所があります。彼女を求める男子と、声をかけられたい女子が集うことで有名なスポットであるわけです。

実践セミナーではそこに2時間立って、女の子に声をかけ、一緒にお茶を飲みにいくという課題に取り組んだわけです。

が、20人ほどいた講座の受講生のうち、成功したのは4~5人だったとか。

その後、ナンパできなかった人たちのための特別講座があるそうですが、そこで、講師からこんなことを言われたそうです。

「どれだけ声をかけても、お茶を飲みにいってもらえない。そのままどんどん時間が過ぎていく‥‥。

そんなとき、きみたちは、声をかける女性のランクを落として、なんとか相手にしてくれそうな人を探そうとしただろう?

ところが、そんな人たちにも断られる。仕方なく、さらにランクを下げ、またふられて‥‥ということを繰り返したんじゃないかな?」

まさに、その通りだったそうです。

「そのやり方で、どうして失敗したかわかるかな?

きみたちの心には、“ランクの低いおまえらに声をかけてやってるんだから、お茶ぐらいつきあえよ”という傲慢さがあったはずだ。

さらに、劣等感だらけのきみたちだから、自分に虚勢を張っていたはずだが、そんなことはぜんぶ、女性に見破られているんだよ」

さらに、講師からはこんな厳しい指摘もあったそうです。

「きみたちのその態度は女性をモノのように扱っていることであり、そんな男になびく女なんかいるわけがない」

そして、再度、“ひっかけ橋”に向かう受講生に、こんな指示が出されたのです。

「ランクを下げるのではなく、ランクを上げろ」

ほとんどの受講生が、「あれだけランクを下げても鼻にも引っかけてもらえなかったのだから、ランクを上げてうまくいくわけがないだろう」と思っていました。

が、結果は真逆だったのです。

私が話を聞いた彼は言いました。

「“こんな自分とは、お茶どころか、話もろくにしてもらえないだろう”と思うような高嶺の花に話しかけるときは、自分でもはっきりわかるぐらい謙虚になるんですよね」

で、それまでは、「ねえねえ、ちょっと、彼女〜」などと声をかけていたわけですが、「あ、あのう、まことにすみませんが‥‥」などと言うようになったわけです。

すると、いままでは無視されつづけていたのに、「どうしたの?」という顔で、まず、話は聞いてもらえるようになったのだとか。

そして、「こんな私が声をかけるのも失礼かと思うのですが、あまりのお美しさに声をかけてしまいました。すみません‥‥」などと言うと、「なにバカなこと言ってるの(笑)」と会話が成立するのです。

「いやいや、こんな美しい人と、もしも‥‥、いや、ぜったい無理でしょうが、たとえ10分でも一緒にお茶を飲んでいただくことができたら、一生の思い出になります」

「お茶ぐらいで、なにあなたの一生を語ってるのよ(笑)」

「いやいや、マジっすよ」

「お茶でいいなら、つきあってあげるわよ」

というわけで、「もう、びっくりでしたよ」と彼はその体験を話してくれたわけです。

以前の彼は劣等感を隠すことに必死でした。それが、「相手をいい気分にさせてあげる」という行動パターンに変わったとき、こんなに簡単に奇跡が訪れたようです。

そう、恋愛で大切なポイントの一つは、あなたといるときに相手がどんな感情を感じているかということにあります。

それが素晴らしい感情であれば、あなたは必ずモテる人になれるのです。

では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。