人生の恩人

許しとは、どのような人や状況でも愛し、受け入れることができるほど大きな愛になること

こんにちは 平です。

対人関係においてしばしば起こるのが、あなたには理解できないことをする人に出会うということです。

つまり、あなたとまったく違う常識に生きている人や、あなたはけっしてしないことを平気でする人ですね。

あなたのルールではありえないことなので、相手をあなたのルールに合わせるように仕向けるか、あなたが器を広げて相手のことを受け入れるかの選択が迫られるわけです。

が、あなたの決めたルールとは、あなたが生きてきた中でのなんらかの経験に基づきますから、そう簡単に相手を受け入れることはできないものです。

あなたのルールの外側で生きている人たちを見ると、「そんなことをしていると、きっとひどい目に遭うよ」などと思ってしまいます。

なぜなら、「そんなことをするときっとひどい目に遭う」と思っているからこそ、もしくは、あなた自身が実際にそんなことをしてひどい目に遭って、「もう二度とそんなことはしない」と決めたからこそ、このルールはできたはずですからね。

だから、掟破りなことをする人と出会ったとき、あなたはその人を「罰したい」と思うわけです。

なかには、罪悪感が強く、自己破壊的なタイプの人が、その掟破りのふるまいをする場合もあるでしょう。

しかし、昔々、あなたがそれをしてひどい目に遭ったときよりも、時代がだいぶやさしくなっていて、そんなにナーバスに扱わなくてもよくなっている場合もあります。

そのときは、時代が変わったということをあなたが受け入れなければならないことも少なくはありません。

たとえば、“ため口”。

昔であれば、先輩や目上の人には必ず敬意を払い、敬語で話さねばなりませんでした。が、最近は敬語が話せない若者も増えているようです。

あなた自身はもちろん、先輩たちにため口などきくことはないでしょう。

それでも、そんな若者を腹を立てず、怒りもせず、受け入れてあげるべきときもあるかもしれません。それによって、あなたの株が上がるということもあるかもしれませんね。

そして、ここで気づいていただきたいことがあります。

それは、あなたがこのルールを決めたとき、そこには、「もしも、自分が敬語を話さず、ため口を利いたとしたら、先輩たちは自分のことを怒り、罰するだろう」という信念があったと言うことです。

あなたがもし、目の前の若者を受け入れてあげることができたとしたら、あなたは過去に自分を受け入れてくれなかったと感じた先輩たちの代わりにあなた自身を許し、受け入れる人になるような、そんな体験をすることができます。

心理学に“許し”という概念がありますが、あなたが過去に許せなかった人や状況を許すというのは、理不尽なことをされてもがまんしたり、耐えたりということではありません。

許しとは、そのような人や状況でも愛し、受け入れることができるほど大きな愛になることを、あなたが自分に許すことをいいます。

私は、『ドラゴンクエスト11』を楽しんでいるのですが、先を急ぎすぎ、自分のレベルが追いつく前に強い敵と出会うと、私のパーティは必ず全滅します。

敵を受け入れられないわけですね。

つまり、私自身がレベルアップすることが求められているということです。

同じように、自分にとって受け入れられないと感じる人たちが出てくるたびに、あなたはその人のことを受け入れられるほど大きな愛になれるかどうかが問われることになります。

そして、その人たちを受け入れるためにあなたが成長し、大きな愛になり続けることができたとしたら、その人たちがあなたを育ててくれた恩人であるといってもいいのかもしれません。

人を非難し、あなた自身の成長を止めることもできます。

それとはまったく違う目でその人たちを見て、大きな愛になるという問題解決方法もあります。

それをあなたが望むなら、あの“いやなヤツ”さえ、あなたの人生の恩人になってくれるようですよ。

では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。