人生の転機を活かす心理学(1) ~転機に感じる”怖れ”~

私達は転機の中で「怖れ」と向き合っている

もうすぐ元号も「令和」に変わりますね。今回の「すぐに役立つ心理学講座・4回シリーズ」が平成最後の連載となります。
今回のテーマは「転機」。私達が生きていれば、転機・節目をむかえることがありますよね。この時期には今まで感じなかったストレス、しんどさを感じる場合もあるでしょう。
実は「転機」が訪れるとき、私達は状況の変化以上に自分自身の怖れと向き合うことになります。この怖れはどうしても感じやすいものなのかもしれません。

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カウンセリングサービス心理カウンセラー・浅野寿和です。

もうすぐ元号が「令和」に変わりますね。実は今回の「すぐに役立つ心理学講座・4回シリーズ」が「平成最後」の連載となります。

そこで最後の連載テーマは「転機と怖れ」としてみました。よろしければお付き合いくださいね。

◇転機には不安が伴う

私達が生きていれば、「転機」をむかえることがありますよね。

この「転機」を迎えると、今まで感じなかったストレス、不安を感じることも少なくないものです。

例えば

就職・就学、転勤、転職、退職など、仕事に関わること。
結婚、離婚など、パートナーシップに関わること。
出産、転居、死別、離別など、生活や家族に関わること。

それ以外にも、会社組織の再編・部署異動、生活環境の変化など、世の中の変化も大きな転機、節目になることもありますよね。

この「転機」、慣れている人もいれば、とっても苦手にしている人もいます。

問題になりやすいには「変化が苦手」という場合。人生の転機となるとついつい悩んでしまう、というご相談も少なくないものです。

◇私達は転機の中で「怖れ」と向き合っている

これは僕自身の経験談ですが、僕がまだ心理カウンセラーになる前のこと。

僕はとある会社に所属していましたが、実は10年の間に3度社名が変わったのですね。その都度、組織の再編が起こり、自分の行く末を不安に思い続けていた時期もありました。

これも一つの転機がもたらす変化と、それに伴う「怖れ」と向き合っていたということなのでしょう。

また、その職場内でも同じようなことが起きていましたね。

例えば、僕が就職した2000年当時は「情報化」という言葉が盛んに叫ばれていた時期でした。アナログからデジタルへ。手作業からPCへ。PCが一般の事務・日常業務に徐々に入り込んできた時代です。

ある時、年配の大先輩社員さんが僕に向かってこう言うのです。

「あと数年で退職なんだ。そのために新しいことを覚えることが苦痛でね。もう任せるよ、若い人に。」

その当時の自分はまだ若くて「そもそもやる気がないだけなのでは?」と思えたものですが、今は大先輩がそう話す気持ちがわからなくもないのです。

『大先輩社員さんは「PCと向き合うこと」で、怖れを感じた』

大きな職場環境の変化が「怖れ」を生み出したのですね。

もちろんその「怖れ」を感じているのは自分です。

いろいろ世の中が変化しつづけ、自分にも転機や節目が訪れたとき、私達は「自分の内面に存在する怖れ」と向き合うことになるのです。

ついつい変化や転機の中にいると、自分が取り巻く状況が怖れを感じさせると考えがちなのですが、あくまで「怖れ」を感じているのは自分なのです。

これが心理学でいうところのアカウンタビリティ

「自分の感情は自分のものであり、自分が感じていることに関しては自分に責任がある」

という考え方です。

◇怖れの対処法は人それぞれ違う

『転機や節目をうまく乗り切る人もいれば、怖れに飲まれる人もいる』

カウンセリングの現場にいますと、この違いを感じることがあります。もちろんこの違いについて、良い悪いで語ることもまた難しいと思います。私達は変化とそれに伴う怖れに必死で対処しようとするものですからね。

ただ、この違いは「自分自身の怖れ」とどう向き合っているか、その反応の違いで起こることなのですね。

この怖れに対する反応を「防衛」と呼びます。

心理学でいうところの「防衛」とは、「怖れを軽減しようとする心のメカニズム」のことです。

人は、その内面で感じる怖れをそのままにしておくことはやっぱり難しいものなのです。

そして「防衛」には多種多様な形がありますから、「怖れへの反応」次第で私達の気持ちはずいぶんと変わってきます。

この反応の違いが「今、感じる気持ち」を作り、それを使って、私達は次の現実を見つめていくのです。

そもそも転機や変化というものは、避けて通ろうとしてもなかなか難しいときがありますね。

特に突然降りかかる変化は不意打ちのように訪れることも多く、いくら準備しても対応できないこともあります。

ただ、自分自身が「怖れ」にどのような反応をしているのかで知り、その上でよりよい形の反応を取り入れることができるなら、メリットがありそうですね。

そこで次回からは「様々な怖れへの反応」について触れ、具体例を交えながら転機と不安の心理についてお伝えしようと思います。

>>>『人生の転機を活かす心理学(2) ~転機は不満を刺激する~』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

About Author

浅野 寿和

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。