『ポケGO』効果

必殺技は旅行?

こんにちは 平です。

彼女のつきあっている男性は、いわゆるひきこもり系。

ヒマさえあればゲームばかりしていて、社交性はまったくなく、外でアクティブに過ごすことも、彼女をデートに連れ出してくれるようなこともありませんでした。

しかし、そんな二人の日常が劇的に変わったのも、ゲームがきっかけだったのです。

それまでは、時間があると彼の家に行き、ゲームに熱中する彼を応援してあげたり、ごはんを作ってあげたり、掃除してあげるというのが二人のお決まりの過ごし方でした。

ところがある日、新しく発売されたニンテンドーの『Pokemon GO』というゲームを彼が始めたのです。

ご存じの方も多いと思いますが、このゲームはモンスターを集めるために、とにかく外を歩き回らなければなりません。

で、ひきこもりの彼も当然のように、毎日、外出するようになり、彼女も一緒になって散歩することとなったのです。

しかも、ずっとスマホの画面を開けて歩いているとバッテリーが減るのも早いので、しばしば充電できる場所を求め、カフェに入ったり、自宅へと散歩しながら戻ったり。

ひきこもりの彼がすっかりアウトドア派に変わり、二人で手をつないで歩くことも増えたわけです。

また、『Pokemon GO』にはレアなモンスターというのもいて、あちこちの公園やテーマパーク、駅などに出現するので、二人で遠出する機会も増えていきました、

といっても、完ぺきなインドア派だった彼は遠出のコツがわかっていなかったため、そのセッティングをするのは彼女の役目。

それをソツなくこなす彼女に、彼は一目置くようにもなったようでした。

彼がまさにそうなのですが、ゲーム好きの内向的なタイプの男性の多くは、人との接触や、自分を表現するということや、感情を出すというを苦手としています。

だからこそ、一人で部屋で過ごすことが安全なんですね。

ところが、この『Pokemon GO』というゲームは、そんな人々も含め、多くの人々を部屋の中から外へと連れ出したわけで、とても画期的なゲームといえるかもしれません。

しかも、彼女曰く、「ポケGOのために外に出て、遠出までするようになって以来、彼の性格がどんどん変わってきたんです」。

その見解は心理学的にも証明できます。

それは、「人間の成長と、その行動半径は比例する」というものです。

たとえば、小学校の低学年ぐらいで自転車に乗れるようになると、行動範囲が広くなり、隣町まで冒険にいってみたりしますよね。

一人でバスに乗れるようになったりすると、それまでは親といっしょにしか行けなかったところに一人で行けるようになっていきます。

さらに、クルマの免許を取ると、あれほど遠いと思っていたところにも簡単に行けるようになり、世界が狭くなったような気がすることもあります。

それだけ自立し、自分にも自信がつくということですね。

今回の彼の場合も、レア・モンスターのために彼女と一緒に遠出を重ねた度合いだけ、これまではひそかに隠していた「人が恐い」という問題がどんどん改善したようでした。

実際、「彼はだいぶいろいろな人と話せるようになり、感情表現も見せるようになってきた」、と彼女。

しかも、これまで、彼女に対しては、思春期の男の子が母親と話すときのようなつっけんどんな口調だったのが、最近は、してもらったことにちゃんと感謝したり、彼女への愛情表現もするようになってきたというのです。

「かわいい子には旅をさせよ」とは古いことわざですが、海外旅行を経験すると、人は大きく変わるようなことがあります。これもやはり、通り距離を旅したことによる心理効果だといわれます。

ということは、ひょっとしたら‥‥。

遠出や旅行は、煮つまった関係から脱出するための必殺技にもなるのかもしれませんね。

では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!


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この記事を書いたカウンセラー

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神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。