自分のことが好きになれない心理 ~自己嫌悪の心理学~

自己嫌悪はどこからくるでしょうか?自分を好きになるコツを手に入れてください!

カウンセリングをしていると多くの人の心にこの「自己嫌悪」が根付いています。
「自分のことが好きになれない」「自分が嫌い」という感覚。
実はこれは僕達全員がもっている感情です。

自己嫌悪はどこからくるのか?

「ぼくは自分のことが嫌いでち~!」って泣き叫んでいる赤ちゃんっていませんよね。赤ちゃんはみんな自分のことも、周りの人のことも大好きです。
どこか、何かのきっかけでこの自己嫌悪が生まれたわけです。

そのルーツは実は多岐に渡ります。
赤ちゃんが徐々に成長していくと躾が始まります。自分で服を着なきゃいけないし、トイレも自分でするように言われます。一生懸命頑張っても最初はなかなかうまくいきません。でも、お母さんやお父さんは上手に服を着てますよね。そこで「私は上手に出来ない。ダメな子なんだ・・・」と思い始めます。これは劣等感と呼ばれる感情ですが、ここで自分を嫌い始めるケースもあります。この劣等感からくる自己嫌悪はその後、幼稚園や小学校に入って周りの子との意識的・無意識的な比較の中でも出てくるもので、自己嫌悪の大きなルーツの一つといえるでしょう。

その他、友達と仲良くなれない自分を嫌ったり(この場合は、分離感を感じています)、いらずらをしてしまったり(罪悪感)、仲間はずれにされたり(無価値感)、そんなさまざまな場所とケースで自己嫌悪は出てくるものですが、もっとも自己嫌悪が意識の上に強く出始めるのは、実は僕たちが思春期を迎える小学校中高年から中学校にかけてです。

思春期の心理

思春期に差し掛かるとどうなるでしょう?
女の子ならば生理が始まり、胸が膨らみはじめ、体毛が生えてきます。また、性欲も芽生え始めてきますね。
特に初潮を迎えたときに何が起こったのか理解できずに泣いてしまった記憶を持つ方も多いのではないでしょうか。体毛が生え始めるときも、生理が始まったときも、自分がすごく汚れてしまった感覚を無意識的・意識的に持ち始めます。
そこから自分を汚いもの、汚れたもののように扱い始めるわけです。
これは実はセクシャル(性的)エネルギーが出始め、大人の女性への変化のプロセスに入った証拠なのですが、多くこの時期を境に自分を隠すことを覚えます。

あなたがこの感覚を感じ始めた時代をチェックする方法としては、お父さんとお風呂に入らなくなった時期、もしくはお父さんやお兄ちゃんに着替えを見られるのが恥ずかしく感じ始めた頃だと思ってください。

その頃から、女性の皆さんはお風呂の時間が長くなりませんでしたか?
お母さんが「いったい何してるの!?」って怒鳴り込んでくるまで、一つ一つ丁寧に丁寧に身体を洗い、ゆっくり浸かり、1時間や2時間はお風呂で過ごしていませんでしたか?これは「自分は汚れてるから、身体をきれいにきれいにしなければならない」という無意識的な観念がもたらしていると考えることが出来ます。

一方男性は、体毛が生えたり、声変わりが始まるわけですが、そのこと自体に対する嫌悪感はあまり無いものの、その頃出始める性欲に翻弄されることになります。男の子は小さい頃から「男の子なんでしょ?しっかりしなさい」とか「そんなめそめそして男の子らしくない」と感情を抑圧するように育てられます。そうするとそんな中沸いて出てきた性欲という感情に戸惑い、わけがわからなくなってしまうわけです。そうするとマスターベーションを覚え始めるとサルのように中毒的に繰り返してしまったり、自分がとんでもなくスケベな奴なんじゃないか?という恐れが芽生えます。その感覚が強いと、そんな自分は女性から嫌われると思いますから、やはりそのエネルギーを抑圧して、禁欲的になろうとします。

そのセクシャルエネルギーが出始めると、この時期から異性の目を気にし始めます。女の子ならば、自分が男の子にどのように見えているのか?を気にし始め、周りの女性と自分を比較します。そして、自分の優れているところよりも、自分の悪いところを探し始めます。胸が小さい、鼻が低い、スタイルが悪い、目の形が嫌い、髪質が嫌、等々。自分の悪いところを見つけてはそれに嫌悪感を繰り返し感じてしまうわけです。
そうすると、自分に魅力があると感じるよりも、はるかに自分は嫌悪すべきものの象徴のようになってしまうわけです。一つの粗が気になりだすと、他のものにも目がいってしまうように、それが外見から性格、家族、持ち物あらゆるものに波及していきます。

この汚れてるという観念が強いほど、セクシャルエネルギーを毒や悪いもののように感じ、抑圧します。それは大人の女性があたりまえのように持つエネルギーなのですが、自分がすごくはしたない存在のように感じてしまうのです。
これを抑圧しつづけると大人になっても、女性らしくなることを拒否して、恋愛がうまくいかなかったり、いつまでも子供でいたい、という感覚を作り、大人の恋愛ができなくなってしまうわけです。

また、この観念がある分、美しいものに惹かれ、完壁主義が始まります。だから、この時期には、男女ともアイドル歌手に夢中になったり、クラスに一人はいるかっこいい男の子、かわいい女の子に人気が集中したりします。

そして、多くの人はそこで嫉妬を感じ、ますます、自分の美しくないところを攻撃するようになります。それは観念という思い込みという形で作られていく場合が多く、他人に誉められても「何よ、そんなこといって私の身体が目当てなんでしょ」とか「私の本当の姿を見たら嫌いになるに決まってるわ」という感情を作り出します。
そして、そう思ってる自分を感じて、さらに「私っていやな女」と嫌悪感を強めたり、まさに魔の悪循環を作り出してしまうわけです。

自分を好きになるために

この自己嫌悪を癒すのは、実は男女関係が大きなポイントになってきます。
自己嫌悪があると自分を隠したくなります。これは「恥ずかしさ」という感情によって引き起こされる態度なのですが、男女関係に置いては、女性の皆さんが一番汚いと感じる場所(性器)を男性は愛したがりますよね。最初は嫌な汚らわしい感覚ばかりかもしれませんが、男性を受け入れていけば行くほど、逆にセクシャルエネルギーを受け取ることとなって、魅力や大人の女性の雰囲気がかもし出されて行きます。

それが結果的に自分自身を受け入れ、愛することのきっかけを作ることができます。
ですから、パートナーがいる方は、今のありのままの自分をパートナーに見せる姿勢が大切になります。恥ずかしさを感じてもいいので、ただただ、身をゆだねるような感覚です。
女性の皆さんにとっての恥ずかしさは、男性には魅力や美しさに映ることも覚えておくといいかもしれません。

では、パートナーがいなかったり、あいつとなんてとんでもないって場合はどうしたらよいでしょうか?(多くの方はこちらに興味をそそられると思いますが・・・)

それはまずは自分が今好きなことを探してみることです。
多くの本には「自分の長所を探してみましょう」って書いてありますが、「それが出来るんやったら苦労せんわい」というのが皆さんの本音かもしれません。
それを見つけていくために、まずは自分が好きなこと、わくわくすること、楽しいことを思い浮かべてみることです。
そして、その好きなものをただ感じてみることが大切です。
これは「投影」という心理現象を活用する方法で、好きなことを感じているときには、必ず自分の心の中にある「好きを感じる」アンテナが作動し始めます。その感覚にまずは慣れることが第一歩といえるでしょう。

次に今の自分がどんな女性(男性)になりたいのか?を考えてみることです。
これは目標設定です。どんな女性でもいいので、そんな女性になりたいなあ・・・とただ思ってみてください。
そして、準備が出来たら、実際にそんな女性になりきってみましょう。
そこでは嘘でも何でもいいので、なりきることが大切ですよ。

はい!今あなたはそんな魅力的な女性になってますね?

じゃあ、そこで僕が一つ質問しますねね。
「あなたの魅力ってどんなところでしょうか?」

実はその答えこそ、今あなたが持っている魅力や価値の部分なのです。
これはあなたの魅力のアンテナから見た今の自分の姿をあらわしています。僕たちはいろんな感情を感じるアンテナを持っています。自己嫌悪が強いときには自己嫌悪を感じるアンテナがびんびんに作動しているときなんです。

僕たちカウンセラーは、実はそのなかなか自分では見つからないダイヤの原石を探す職人工のようなものです。あなたの心の中にうずもれている価値や魅力を掘り出して、一緒に磨く手伝いをするのが一番大きな仕事です。

あなたがもし、今何か問題や悩んでいることがあるとすれば、そのダイヤを掘り出して磨くだけで、その問題は霧が晴れるようになくなっていきます。それが癒しと呼ばれるものです。だから、僕たちはあなたの価値の部分を見ながらあなたに問いかけ、サポートし、導いていくことを大切にするわけです。

もし、どうしても自分の価値が見つからないという方は、もしよかったら面談でも電話でもかまいませんから、一度カウンセラーとお話してみてください。僕の経験では、たった45分お話するだけで、最低5個はそんな価値や魅力を見つけることが出来ます。どんな人でもね。

そのときあなたはきっと気づかれるでしょう。
実は自己嫌悪というのは自分の魅力を隠す蓋のようなものだと。
あなたが自分の価値を一つでも見つけて、自己嫌悪を魅力に置き変えてより輝きを増していけますよう応援しています。

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