口が悪い彼

私の彼はとにかく文句の多い人。やめさせる方法はありますか

こんにちは 平です。

先日、こんなご相談をいただきました。「私の彼はとにかく文句の多い人で、人やもののことをいちいちけなします。
それがとてもいやなのですが、やめさせる方法はありますか?」

ふだんは温厚でやさしい彼なのですが、なぜか、人のアラ探しをしたり、悪口を言ったりすることが多いのだそうです。

たとえば、彼の誕生日、彼女は彼に喜んでもらいたいと一流のシティホテルを予約しました。

当日はロマンチックな気分でチェックインしたわけですが、部屋に入るなり彼はこう言ったそうなのです。

「有名ホテルといっても、やっぱり机の角は欠けているんだな」

「高い金を取るわりに、絨毯のくすみはオレの実家並みだな」

当然、楽しい気分には水を差されましたし、
「そのうち私のアラ探しもして、いちいち言われるようになるのかもしれないと思うとウンザリしてきてしまって‥‥」
と彼女は言うわけです。

この彼のように、すぐケチをつける人とはどんな人なのでしょうか?

このタイプの人に共通しているのは、劣等感が強いということです。つまり、自己評価が低いのですね。

そのため、あれにもこれにもケチをつけ、評価を下げないと、対等になれないわけです。

たとえば、彼が「自分は60点だ」と思っているとしましょう。

一方、一流のシティホテルは一般に95点ぐらいで評価されているとしたら、
彼はこのホテルに35点分のケチをつけないと対等にはなれないわけです。

でなければ、「立派で素敵なシティホテルに泊まっている、ぜんぜんさえないヤツであるオレ」という構図ができてしまいます。

すると、本来は快適であるはずのホテルが、彼のコンプレックスを刺激したり、ストレスを作ったりする要因になってしまうのです。

一流レストランに行き、「高いんだから、ウマくて当たり前。うちのかあちゃんの料理のほうが安くてウマいよ」
などと身もフタもないことを言ってしまったりするのも、同じ理由です。

すべての要因は、彼自身の自己評価が低いことにあるわけです。

こんなパートナーをもったとき、あなたにできることは2つあります。

一つは、彼のワナに引っかからないようにすることです。

自己評価が低い彼は、「本当は、こんなオレとなんかつきあって、ソンしたと思っているんじゃないか?」とあなたの気持ちをたえず疑っています。

そこで、あなたを試すかのように、あなたがウンザリしたり、失望したりするようなことをしょっちゅうしてはあなたの様子を見ています。

これは彼が意図的にしていることではなく、恐れによってついしてしまうことなのですが、
先ほどのホテルのような一件があれば、あなたも「もう! なんなのよ!」と彼を攻撃したくなりますよね。

すると、その瞬間、彼は「ほーら、やっぱり」と自己評価の低さを再確認し、ますますその信念を強めていくわけです。

このワナに引っかかって、彼をますますめんどうな男にしないことがまず大事です。

もう一つは、時間はかかりますが、彼をほめて育てることです。

今回のカップルの場合、彼女は一流のホテルに泊まったり、有名レストランで食事をしたりすることが大好きなのですが、
彼は「お金の無駄づかいだ」とあまり好意的には思っていないようでした。

そこで、彼女は彼をおだてまくったわけです。
「あなたは一流の男になるにおいがプンプンするのよ。女のカンは間違いないの。一流の男には、一流のホテルが似合うものなのよ」などと。

もちろん、「ほんとかよ?」と彼は信じてくれません。

が、「一流の男は、そんなことを言わないものよ。愚痴や文句は一流の男には似合わないもの。あなたらしくなーい」
などと彼女は言いつづけたわけです。

そして、1年ほどかかりましたが、彼はようやく自分のダメだと思う部分を隠したり、ごまかしたり生きるのはやめようと思えるようになってきたようでした。

そして、なにか劣等感を感じることがあれば、彼女に打ち明けられるレベルまで成長したのです。

人やものをけなすというのは、愛からの行動ではありません。しかし、人がそれをしてしまうときは、なんらかの理由があるようですよ。

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!


心理学講座音声配信サービス・きくまるのご案内

心理学講座を聞いて学ぶ!持ち歩く! あなたのPC・スマホで、人気カウンセラーの講演・心理学講座がすぐ聴けます!

\ここでしか聞けない無料音源!毎月「7のつく日」にアップ中!/ >>>こちらからどうぞ!\今すぐ「最新の心理学講座」が聴ける!毎月「15日」に新作リリース中!/ >>>最新講座ラインナップはこちらから!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。