追い詰められないとできない

相談者名
なえこ
こんにちは。
自分自身について相談させて下さい。

私は、ここ数年、ギリギリまで追い込まれないとできない自分に嫌気がさしています。

もともと、行動が遅い方ではあったのですが、仕事など人が関わる事に関しては、絶対に迷惑をかけるわけにはいかないと、準備や努力などを自分なりに行っていました。

しかし、以前、一度ギリギリになってしまう事があってから、直前まで追い込まれないと出来ない癖のようなものがついてしまいました。

他の人にも迷惑をかけてしまうし、そうなる度に後悔と自己嫌悪に陥り、絶対に次は改善しようと心に決めているのに、同じ状況になってしまいます。

自分を変えたいと思っているのに、なかなか変える事ができません。
自分に厳しくなるにはどうしたらよいのでしょうか。

カウンセラー
大塚亘
なえこさん、はじめまして。

今回担当させていただきます、大塚亘と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

私がこれから書くことは、あくまでも、なえこさんの文章を拝見した限りにおいて、
私が感じたことになります。

なえこさんの本意とは違う部分もあるかもしれませんが、なえこさんが楽になれる
ようにと願って書きますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

人間は、「できない」と思っていることは、実は、「できない」のではなく、
無意識で(頭で意識して思っているわけではなく)、

「やりたくない」

と深層心理で思っていることが多いです。

例えば、仕事でいえば、ギリギリまで追い込まれないとできないという状況である
ならば、逆に言えば、単純に、「もっと早く始めればいい」ということになります。

例えば、お金がないと悩んでいるときに、

「それなら、宝くじで3億円を当てればいいじゃないですか」

というアドバイスをもらったとしても、そんなことは不可能に近いですよね。

でも、ギリギリまで追い込まれないとできない、というご相談のときに、

「仕事をもっと早く始めればいいじゃないですか」

といわれたとします。宝くじで3億円を当てるのは不可能に近いですが、仕事を早く
始めることは、物理的には全く不可能ではないですよね。

でも、なえこさんは、なぜかギリギリになってしまうわけです。物理的に考えたら
早く始めることは可能なのに、ギリギリまで始めない、ということは、それは、
「なえこさんの意思」であるかもしれません。

つまり、「できない」のではなく、「やりたくない」のかもしれません。

もし、私の想像がそれなりに当たっているとしたら、そのような「やりたくない」状況の
ときに、

「早く始めなさいよ!」とか、「もっと自分に厳しくなりなさいよ!」

とアドバイスしたとしても、逆効果になってしまうことがあります。

なえこさんに、私がこうアドバイスしたとします。

「なえこさん、自分に甘くないですか?」
「もっと自分に厳しくなきゃダメですよ」
「早く仕事に取り掛かればいいだけじゃないですか」

そうしたら、こう思いませんか?

「そんなこと分かってますよ!分かっているのに出来ないから、悩んでいるんじゃ
ないですか!」

と、私が怒られてしまう可能性すらあります。

人間は、自分自身が嫌いなところや、自分を否定しているところを相手に言われると、
オートマチックに怒りを覚えます。

もし、ギリギリまで追い込まれないとできない、というご相談のときに、「仕事を
もっと早く始めればいいじゃないですか」と言われて、

「そんなこと分かってますよ、そんなことが聞きたいわけじゃありません!」

という「怒り」の感覚が少しでもあるとしたら、それは、

ギリギリまで追い込まれないとできない、という自分を自己攻撃、自己否定している

ということになります。

なえこさんの本当の問題は、ギリギリまで追い込まれないとできない、ということ
ではなく、そんな自分を自己攻撃、自己否定しているところにあると、私は思います。

例えば、こう考えくださいね。なえこさんと同じように、いつもギリギリまで追い
込まれてから仕事に取り掛かる人がいたとしましょう。

そして、仕事が間に合ったとします。そして、その人はこう思いました。

「いつもしっかりと仕事を期限に間に合わせることができて、私は本当に偉いなぁ。
いつも効率よく、要領よく仕事が出来ているから、私はなかなか素晴らしいと思う。」

「確かに、今回は、少し期限を過ぎてしまって、少し迷惑をかけてしまったなぁ。
まあ、でもいつもはたいてい間に合うから、まあいいや」

この方と、なえこさんとの違いは、

「自分を否定しているか、否定していないか」

ですね。仕事ぶりは、全く同じ状況であったとしても、こういう方がいてもおかしく
ないわけです。

これが、なえこさんの本当の問題は、ギリギリまで追い込まれないとできない、
ということではなく、そんな自分を自己攻撃、自己否定しているところにあると
いうことです。

実際に、なえこさんの「ここ数年」のお仕事などの中で、期限に間に合って、なにも
問題なく終わった、ということは、いっぱいなかったでしょうか。

つまり、客観的にみると、何も問題なく、しっかりと仕事やその他のことに対応できた、
という、褒められてもいいようなことも、なえこさんはいっぱい達成してきたはずです。

しかし、なえこさんは、そういうご自身の素晴らしいところを認めないで、出来なかった
ときのことをだけを考えてしまっているのかもしれません。

いっぱいあるはずの、なえこさんが達成してきたことは、あたかも、なかったものの
ようにしてしまい、出来なかったことだけをみて、自己攻撃しているのかもしれません。

もしそうだとしら、とてももったいないと思いませんか?

なえこさんは、もしかしたら、自分は「まだまだ甘い」と思っているのかもしれません。

それは、「自分に厳しくなるにはどうしたらよいのでしょうか」というご質問をされて
いるところから、私は想像しています。

しかし、先ほどの例のように、なえこさんと同じ状況であったとしても、自己否定しない
人もいるかもしれません。もしそうだとしたら、私はこうお伝えしたいです。

「なえこさん、ご自身に厳しすぎませんか?」

もっと自分に厳しくなるどころか、むしろ

「自分に甘くなる」

ことが、なえこさんには求められているのかもしれません。

なえこさんの日々の生活の中で、次のようなイメージのことを実践してみることを
お勧めします。

「手を抜く」、「休む」、「思い切ってやめてしまう」、「誰かを頼る」、
「自分を承認する」、「自分をほめる」

確かに、仕事は、相手があったり、期限があったりしますから、手を抜くことは
できない場合もあるとは思います。

できるところから少しずつ、「自分に甘くなる」ことを実践してみてくださいね。

もしうまくいきそうもなかったら、ぜひカウンセラーにも「頼って」みてくださいね。

読んでくださり、ありがとうございました。

大塚亘

この記事を書いたカウンセラー