達成感、充実感を感じられないのです

相談者名
えま
こんにちは。

相談にのっていただきたくてこれを書きました。
今、会社勤めをしているのですが、仕事に関して、
「やった!やりとげた!」という達成感や充実感を感じられません。

仕事自体はすごく好きだし、プライドを持ってやっています。
もっと頑張らなくちゃ、ちゃんとしなくちゃ、と自分で自分を追い立てているような気持ちがします。
仕上げたあとも、書類に間違いがないか、何回見直しても自信がなくて、何回も何回も確認してしまいます。
当然、仕事の効率が下がり、よけい忙しくして自分の首を絞めてしまっています。
仕事の段取りもうまくできなくなって、効率よく進められない自分にイライラします。

自分がすごく無能な人間な気がして、泣きたくなってしまいます。
私はどうしたら良いでしょうか。
よろしくお願いいたします。

カウンセラー
大谷常緑
えまさん、こんにちは。
はめまして。ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。

さて、ご相談を拝見して一番最初に感じたのは、えまさんは仕事の完成度に対し
てとてもハードルが高いのではないかなぁ、と思いました。何か、とても完全さ
にこだわっておられるような気がします。
完全さを求める心理は、「自分は不完全だ」という感覚からです。そして、自分
は不完全だから失敗すると思っているのです。
自分の中にそのような思いがあると、人は誰でも自分自身の不完全さを感じたく
ないですから、それを感じないために完全に物事を行おうとします。そして、
「自分は不完全だ」と責めている度合いだけ、ミスをする恐怖が出てきて心は緊
張状態となります。心が緊張してしまうと、そう、息苦しくなってしまいますね。
また、ハードルが高いわけですから、「ここまで出来て当たり前」という感覚で
仕事をすることになりますね。
出来て当たり前の事ばかりですから、そこに達成感や充実感は感じられません。
むしろ出来なかった時のショックで打ちのめされてしまうだけになってしまいま
す。

さて、えまさんの完全を求める心のクセの原点は、ご自身が不完全だと思ってお
られるところから来るのですから、その思いを先ず緩和していきましょう。
この不完全だという思いは、誤解です。
この誤解は、おそらく小さい時に家庭の生活環境の中で生まれたか、あるいは、
えまさんが女性であれば、思春期にそう勘違いされたかだと思います。
この勘違いの元になる出来事については、このホームページの中(心理学講座や
無料相談コーナー)にも書かれていますので、「完璧主義」「エレクトラコンプ
レックス」をキーワードとして検索してみてください。

さて、ではどのようにすればこのクセが無くなっていくかですが、先ずは、ご自
分が、ご自分の出来ていない部分、駄目な部分にばかり着目しているという事に
気づいてください。
このクセ、いいとか悪いとかではありません。ただ、単にそういうクセがついて
しまっているだけの事なのです。
方言と標準語に例えると、今まで生きてきた中で、大阪に住んでいたから関西弁
が身についてしまっただけで、標準語を話さないから悪いという事ではないです
よね。
人間は、殆どの人が100点満点で60~70点程度は取れているのです。しか
し、自分が出来ていない部分である残りの40~30点に着目してしまうと、こ
の出来ている60~70点はその度合いだけ認められなくなってしまいます。例
えるならば、出来ていない部分を虫眼鏡で拡大してみているようなもので、出来
ている部分は視界から外れてしまって見えなくなっているのですね。
また、人間は一般的に、自分が難なくこなせる事は、人も難なくこなしてしまう、
と思いがちです。そして、自分が出来ていなくて、人が出来ている部分ばかり気
になります。これが出来なくては駄目だ、と思ってしまうのですね。
しかし、実は難なく自分がこなしている事の中にも、人には難しい事が沢山ある
のです。
そのような自分の良い面を見ていく事が、この心のクセを緩和していく方法です。
また、難しい事にチャレンジするよりも、自分のよりよい部分を延ばしていく方
が楽ですね。そして、それがあなたの個性を光り輝かせる事にもなるのです。

自分の出来ているところや良い部分に着目しだすと、客観的に自分の価値を認め
る事ができます。そうすると、今まで気になっていた、できていない部分や駄目
だと思っていた部分も正当に評価できて、それが心の中で占める割合が段々小さ
くなっていきます。

では、具体的なエクササイズをご紹介しておきます。是非、試してみてください。
そして、できれば諦めないで継続してやってみてくださいね。きっと楽になれる
と思います。
エクササイズ1
自分が今まで頑張ってきた事、出来た事は何か、紙に書き出してください。沢山
あるはずです。20以上を目標に書き出してみてください。
エクササイズ2
自分の良いところはどこでしょうか?紙に書き出してください。沢山あるはずで
す。20以上を目標に書き出してみてください。
エクササイズ3
「自分の良いところはどこ?」と気心の知れた誰かに聞いてみてください。でき
れば10人ぐらいに聞いてみてください。そしてメモをしてください。
エクササイズ2で自分が紙に書き出したところ以外にも沢山の良いところを伝え
てくれるかもしれません。そして、人は自分の事をこんな風に見ているのだ、と
恥ずかしがらずにそれを受け入れましょう。
エクササイズ4
エクササイズ2とエクササイズ3で書き出した自分の良いところを、毎日鏡に向
かって自分自身の目を見ながら言葉に出して自分自身にゆっくりと伝えてあげて
ください。言葉に出す事がポイントです。
そして、これをできれば毎日やってください。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。