真面目すぎる性格

相談者名
浅子
 大学生です。私は、とにかくリーダー業務が多いです。集団ごとに顕著な能力格差が生じます。各人も能力の違いを明確に把握しています。
私の方法としては、能力の高い人に高レベルの仕事を、能力の低い人には高レベルの仕事を少しと低レベルの仕事を割り振ります。能力の低い人も高レベルの仕事をやりたくて集団に入ってくるためです。しかし、能力の低い人は高レベルの仕事を中々こなせません。なので、私が最後に手伝って終わらせるという形を取り、仕事を途中で取り上げるということはしません。
しかし、それが高レベルの人にとって気に入らず、できる人だけにやらせろ、実力がないのは努力不足なんだから低レベルの仕事だけさせておけ言います。
縁の下の力持ちという言葉の通りに、低レベルな仕事をしてくれる人がいなければ活動は成り立ちません。能力の高い人が言うとおりに、努力不足の根源は情熱のなさや怠惰だと思います。初めは喜んで高レベルの仕事をしていますが、根気が続かず、途中で投げてしまうこともあります。
なので能力の高い人々の主張は最もで、できる人だけでやればいいのです。しかしそうすると低レベルの仕事まで手が回らなくなります。じゃあ、その低レベルの仕事のみを能力の低い人のみに任せるのかというと、違うと思うのです。高レベルの仕事は技術職、低レベルな仕事はそれと程遠く離れた雑務に近いものです。同じ集団にいるのに雑務ばかりでは、例え能力格差が明確だとしても、能力の低い人はいい気持ちはしないのではないでしょうか。
私がリーダーでなければ能力の高い人同様の主張をしたのだと思います。しかし、私はリーダーであるためにその意見には賛同できません。リーダーは偽善であろうと師範的な思考を持ち、集団が平等であるよう努力しつつ、限られた人材を如何に有効に動かすかが問題だとも思っています。

この文章をご覧になってどう思われたでしょうか。これは1例ですが、融通が利かないというか、私の責任感は行き過ぎているとも思います。すべてにおいて真面目すぎる性格なのです。責任感と発想、リーダーシップが認められ、リーダーとして選ばれているので、自分の全てが間違っているとは思いませんが、もう少し軽く構えるべきだと思います。しかしそれができません。自覚がある上での行動なので、とても苦しいです。どうしたら良いでしょうか。

カウンセラー
鶴園みあ
浅子さん、はじめまして。
無料相談コーナーにご相談をお寄せいただき、本当にありがとうございます。
お返事をさせていただきます、カウンセラーの鶴園みあと申します。
よろしくお願いいたします。

さて、お送りいただいた相談メッセージを拝見させていただきましたが、随所に浅子さんの真剣さと熱意が感じられて、とても感服いたしました。

真面目で、責任感もあって、ご自身だけでなくグループ全体もどんどん成長させていこうという向上心、人材育成の視点、何事にも全力で当たろうとする真摯な姿勢が感じられて、私には、浅子さんが、リーダーになるべくしてなったという気がしてなりません。

能力にかかわらず、希望する人には少しずつでも高レベルのお仕事を割り振り、そして、その人がなかなかこなせなかったとしても、途中で取り上げるようなことはしないというあたりにも、浅子さんのリーダーとしての根気強さが感じられます。人材を育成するためには、その根気強さは必要ですよね。

浅子さんは、そんなご自身の姿勢や性格について、行きすぎていると感じられているところもあって、「もう少し軽く構えるべき」と思われたりもしているのですね。
でも、なかなか、それができないのですね。

何事も真剣に、全力で取り組んでこられた浅子さんにとって、「軽く構える」というのは、どこか無責任で、ふまじめに感じられるところもあるのでしょう。ですから、抵抗感がでてきても無理はありません。

また、私が思うに、無理をして「軽く構える」必要はないのではないでしょうか。
おそらく、浅子さんは、もともと、リーダーとしての仕事に全力を注ぎたくて、そして、グループをもっと良くしていくことにとことんこだわりたくて、真剣に悩み、全力を注ぎ、とことんこだわって、やっていらっしゃるのではないでしょうか。

もし、そうしたいと思われて、なさっているのであれば、無理に力を抜こうとする必要はなく、思う存分、真剣に取り組み、全力を注ぎこみ、とことんこだわってもいいと思うんですね。

そうすることが、浅子さん自身の成長につながり、自信にもつながり、これからの人生の肥しになるのですから。

ただ、それが苦しい、しんどいということであれば、少し視点を変える必要はあるのかもしれませんね。

では、どのように視点を変えればいいのか。
浅子さんはリーダーとして、どう動けばいいのか。
それは、今、浅子さんのグループに顕れている格差という問題に関係するんです。

そこで、まずは、グループ内の格差について、心理学的な視点からご説明をさせていただきますね。

人が集団になったとき、当たり前ではありますが、能力が十分に発揮できる人・十分に発揮できない人、自信のある・なし、意欲のある・なし、など、多かれ少なかれ、バラつきができます。
仮に、能力が十分に発揮できたり、自信があったり、意欲があったり、というタイプを「ポジティブ」に分類し、能力が十分に発揮できなかったり、自信がなかったり、意欲がなかったり、というタイプを「ネガティブ」に分類しますね。
そして、集団を構成する人を、ポジティブ・ネガティブのいずれかに分類します。

光が強い場所では、影も色濃くなるのと同様に、人の集団においても、ポジティブの傾向が極端に強い人たちが出てくれば、それとバランスを取るように、ネガティブの傾向が極端に強い人たちが出てきやすくなるんです。

たとえば、能力をめいっぱい発揮できて、ものすごく自信満々な人たちがいたりすると、能力を十分に発揮できていない人たちは、その人たちと自分を比べて、「どうせ私は、あの人たちみたいにできないし」と自信を失い、意欲も失い、結果、できるはずのこともできなかったり、チャレンジすらする気になれなかったりするんですね。

たとえば、やる気満々の人がいて、「ほらほら、もっと頑張って、もっと頑張って!」と張り切って、周りの人のお尻までも叩いたりなんてことになると、そこまでやる気があるわけではない人たちは、げんなりして、ますますやる気をなくしてしまう、なんてこともあるかもしれません。

こんなふうに、ポジティブな人たちがその傾向をどんどん強めていくと、ネガティブな人たちもまた、どんどんその傾向を強めていき、結果、格差はひろがっていくんですね。

そうなると、グループ内は、ポジティブというアクセルをめいっぱい踏みながら、ネガティブというブレーキもめいっぱい踏んでいる、という状態になります。
これって、ポジティブ側でグループをひっぱっていこうとしている人にとっては、ものすごくしんどい状態だと思いませんか?
そして、とても非効率的だと思いませんか?

グループが一丸となって、効率よく、動けるようになるには、この格差を小さくすることが大切なんですね。

では、どうすればいいのか。
いろいろと方法は考えられますが、今回のケースだと、ネガティブさんたちに自信を持たせてあげる、つまり、ポジティブさんの要素をちょっと分けてあげる、というのがいいかもしれませんね。

そのために、リーダーである浅子さんにできることがあるんです。

それは、ネガティブさんたちの、出来ている部分をたくさん見てあげて、褒めてあげることです。
そして、ネガティブさんたちがこなしたお仕事によって、助かっていることを浅子さん自身が受け取ってあげて、「ありがとう」と言ってあげることなんです。

褒められることによって、ネガティブさんたちも自信を持つことができますし、感謝されることによって、「自分のしている仕事も、グループの役に立っているんだ」と自分の仕事に誇りを持つことができるんですね。

そして、自信や誇りが持てるようになると、仕事への意欲も出てくるかもしれません。

「こんな私にできるわけがない」と自信がなかったり、「こんなくだらない仕事」なんて思っていたりすると、仕事への意欲って湧きにくいですよね。
その逆に、「私にもできるかも☆」と自信が持てたり、「自分のしている仕事も、グループにとって大切な仕事なんだ」と自分の仕事に誇りを持てたとしたら、「よ~し、頑張るぞ!」と思えるかもしれませんよね。

褒める、感謝するというのは、もちろん、浅子さんでなくても、他の誰がしても効果はあるのですが、リーダーである浅子さんがなさることによって、絶大な効果が期待できるんです。

リーダーという権威のある人から褒められること、感謝されることって、他の人から同じことをされるのと比べても、ものすごく特別だったりしませんか。ものすごく嬉しかったりしませんか。

今、浅子さんは、リーダーという権威、影響力を使って、ネガティブさんたちのハートに火をつけることが可能なんです。

浅子さんのおっしゃるとおり、彼らの努力不足の根源は、情熱のなさや怠惰なのかもしれません。そして、彼らから、情熱や勤勉さを削いでいるのは、自信のなさや、自分の仕事への無意味感、役に立てていないという無価値感なのかもしれません。

もしかしたら、ネガティブさんも、潜在的な能力は、ポジティブさんと同じくらい持っているかもしれないんです。でも、自信のなさ、自分の仕事への無意味感、自分への無価値感が、彼らの心のブロックとなって、能力を十分に発揮することを妨げてしまったりするんですね。

浅子さんが、彼らのできているところをいっぱい褒めてあげて、彼らの仕事に対していっぱい感謝を言ってあげたなら、彼らに自信を持たせ、仕事への誇りを抱かせ、役に立っているという喜びを与えられるかもしれません。

そうなれば、たとえ、担当している仕事が、難易度の高いものであれ、雑務であれ、意欲をもって取り組めるのではないでしょうか。

人って、仕事の難易度が高いということにやりがいを感じる人もいるでしょうが、仕事の難易度に関係なく、「誰かの役に立っている」「みんなに感謝される」ということにやりがいを感じる人も少なくないと思うんですね。

たとえ雑務であっても誇りを持って取り組むことができる環境を、浅子さんが与えられたとしたら、雑務を嫌がって誰もしない、ということもなくなりますよね。
適材適所で、難易度の高い仕事や雑務を分担しあって、グループをまわしていけることになりませんか?

もちろん、ネガティブさんたちが自信と意欲を取り戻せたなら、浅子さんが望まれているように、雑務だけでなく難易度の高い仕事がこなせるようになることも不可能ではなくなりますよ。

浅子さんは、「集団が平等であるように」努力なさっているとのことなのですが、平等というのは、いろんなかたちがあるのではないでしょうか。

どの人も等しく、難易度の高い仕事をすることができる、というのも、ある意味、平等なのかもしれませんが、どの仕事をしている人も、等しく、自分の仕事に誇りとやりがいを感じることができる、というのも平等といえませんか?

前者のかたちでは、浅子さんが懸念されているとおり、「縁の下の力持ち」がいなくなってしまい、グループが立ち行かなくなる恐れがありますが、後者のかたちでは、どうでしょうか?

もちろん、縁の下の力持ちを担うなかで自信と力をつけてきた人たちには、次のステップとして、難易度の高い仕事を少しずつ割り振るというのもいいですね。

そして、この「できているところを褒める」「受け取って感謝する」というのは、ご自身にもしていただきたいんですね。

今の浅子さんは、ものすごく頑張っていて、問題意識もあって、素晴らしいのですが、問題意識ばかりでは、しんどくなってしまいます。

もちろん、集団をひっぱっていくということはとても難しいことなので、思うようにいかないこともあるでしょうし、ご自分で「もっと、ここをこうできればいいのに」と感じることもいっぱいあるでしょうけれど、浅子さんがリーダーとして出来ている部分だって、いっぱいありますよね。
ちょっとお話をうかがっただけの私から見ても、浅子さんは、とても素晴らしいリーダーだと思いますよ。

ですから、どうか、ご自分の出来ているところをいっぱい認めてあげて、褒めてあげていただきたいんですね。

ご自分がリーダーとして果たした仕事が、みんなの役に立ってるんだということを受け取っていただきたいんですね。

そうすることで、浅子さん自身も、リーダーとして自信を持つことができ、ご自身の仕事に誇りを持つことができ、リーダーという仕事に意欲を持ち続けることができるのではないでしょうか。

真摯な熱意とこだわり、向上心を持つのと同時に、ご自身への自信と誇りも持って、楽しみながら頑張れるといいですね。
そんな浅子さんのマインドが、グループにも良い影響を与えるはずですよ。

このたびは、ご相談いただき、本当にありがとうございました。

鶴園みあ

この記事を書いたカウンセラー

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