弱さ

相談者名
しまうま
 今年関東から関西の大学に入学しました。寝坊癖とさぼり癖で悩んでいます。
生まれてこのかた寝坊ばかりしていてあまり大学に行っていません。小中高は親に起こしてもらっていました。でも下宿となった今では、いろいろな工夫をしているのですが文字通り毎日遅刻しています。国立大に入るといっていたのに努力不足で私立大にしか入れなかった自分にとって、信用して高い授業料を払ってくれている両親や寂しいといいながらも地元で必死に働いている姉や大学になんてとてもいけなかった祖父母やそして何より自分を信じている自分。みんなを裏切っているということを身に染みて感じてるのに毎回毎回失敗します。
それに加えてレポートなどの課題もいつもいつもギリギリになって適当に間に合わせるか、遅れて出しています。昔から何でも後手後手で期限は守れなかったけど、いい加減業を煮やしています。春学期は8単位落としてしまい、親もそれは知っているはずなのに自分を気遣って学校の話は遠まわしにしてくれます。
もう辛くて耐えられないです。来年留学に行きたいのでそのためにも今のうちに”貯金”しなければいけないのにこのままだと”破産”です。留年です。同じ学部の子も先輩も本当は言いたくないだろうけど心配して忠告してくれます。
“甘い”と言われたら言い返せませんが、それがわかっていても悩んでいます。もし心の持ち方として何かいい方法があれば教えてほしいです。
カウンセラー
松尾たか
しまうまさん、ご相談ありがとうございます。 今回、担当させていただく松尾たかです。どうぞよろしくお願いします。

大学へ行かせてもらっているのに、今のこの状態ではみんなを裏切っている気がして辛い、

こんな自分から脱出したいというしまうまさんの気持ちが伝わってきます。

毎回なんとかしようと思っているのに失敗してしまうとしたら本当にやりきれない気持ちだと思います。

どうしてそのような行動となってしまうのか、心の動きをみてみましょう。

しまうまさんは、今どんな気持ちを一番感じているでしょうか?

文面から拝見すると、「申し訳ない」「自分はダメな人間だ」「どうして遅刻ばかりするんだろう」というような気持ちを強くお持ちではありませんか?

私たちは「自分は悪い」「こんな自分はダメだ」と感じていると、自分から責められる状況を作りだすことがあります。 この自分は誰かに責められて当然、だから責められる必要があると感じているのです。

どこかに「私は良くない人間だ」という自己概念を持っていて、遅刻をすることで周囲の人に「私はこのとおり良くない人間です」と証明してしまうのです。

しまうまさんも、意識ではわざわざ遅刻しようなんて思っていないんですが、心の奥底(無意識)にある罪悪感(私は悪い)が、寝坊して遅刻をしてしまうというパターンとなっているようです。

そして、そのパターンが繰り返されると罪悪感もより強化されてしまいます。 しまうまさんはずっと寝坊癖があり、寝坊癖→遅刻=自分は悪い、と思ってしまい、今では「もうどうにもならないのではないか」と諦めの気持ちも生まれてきているかもしれません。

また、課題提出がギリギリになったり、遅れてしまうことも、「自分はどうしようもない人間」という気持ちにさせてしまうのでしょう。

このギリギリになるまで行動が出来ないというのは、完璧主義が隠れていることもあります。 「しっかりやらなければいけない。完璧なものを提出しなければいけない」という思いが自分にプレッシャーをかけているのですが、適当なもので間に合わせてしまったという思いや、またやってしまったという気持ち(=罪悪感)が強くありますから、周りからの気遣いを励みに頑張るというよりは自分の至らなさを証明するためにそれを使ってしまうのです。

しかし、その裏には「なんとかなるはず」「自分には出来るはず」と自分の能力を知っていて期待もかけています。 それゆえに完璧にできないのであれば、人から良い評価を得られないなら、やらない選択をしてしまうこともあるのです。

寝坊であまり大学に行けていないのもこんな心理が働いているかもしれません。

しまうまさん自身は、 本当の自分はもっと能力がある、もっと出来る人間だと思っているのですが、行動ではその反対のことを証明し、すっかり自信を失くしてしまっていて、もう辛くて耐えられなくなっているのではないでしょうか。 心の底には、こんな自分は誰にも許されないと感じているのかもしれません。

そんな状況から抜け出すために、しまうまさんにトライしていただきたいことがあります。

寝坊癖やさぼり癖の下に、こんな自分をも認めてほしいという気持ちがあります。 一旦、どんな自分も責めずにその自分を認めてみてほしいのです。 今の自分にOKを出し、些細なことでも出来ていることを見つけてみてください。 たとえば寝坊してでも学校へ行けた、とかでもかまいません。出来たことを認めていけると、こんな自分はダメだという自己認識から少しずつ変わっていけると思います。

また、ダメだと思っている気持ちを誰かに吐き出して受け止めてもらうだけでも、心は軽くなるでしょう。自分を認めてくれているお友達でもかまいませんし、カウンセリングなどでもかまいません。 必要であれば初回無料もございますので、利用してみてくださいね。

しまうまさんが、自分の望む世界に、未来に向かっていけるよう願っています。

ご相談ありがとうございました。

松尾たか

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己否定、自己嫌悪、疎外感、自己肯定を得意とする。「その方の心に寄り添い、一番の味方でいること(安心感)」をモットーに、わかりやすい言葉で恋愛問題や対人・自己との関係を紐解き、改善・生き易さへと導いている。  東南アジア2カ国での生活経験もあり、国や文化の違いについても造詣が深い。