不安と恐れ

相談者名
EMA
昔、職場で片思いをしている人が私の同僚と付き合っていたことを自分の直感で知ってしまい(そのとおりでした)不安と恐れは的中してしまうという意識が私の中で根付いてしまいました。
それから、他に好きな人ができても、この人は他に好きな人がいるのではないかという不安と恐れに支配されてしまいます。
以前にも、もう少しで付き合えそうな人をその恐れからうまくいかないようになってしまいました。
今回好きな人も、一時期両思いになれたにも関わらず、きっと本当は私ではなく別の人のことが好きなんだという思いから抜け出せずにいます。
また、必ず同僚の中に、私と同じ人を好きになっているライバルがいると感じてしまいます。
本当に好きなら、相手が誰を好きでいようと関係ないはずなのですが、私は過去の経験からそうなってしまったのか、ただ自分が可愛いだけなのでしょうか。
ご回答、よろしくお願いいたします。
カウンセラー
中原謙一
EMAさん、初めまして
私は中原謙一と申します。
よろしくお願いいたします。

読ませていただいて、私が感じたことなのですが、今のEMAさんには二つの大きな問題
があるように感じます。

ひとつは、傷つきたくない恐れ、から来る行動です。
人は誰でも、傷つきたくないと思うものです。
それは当たり前のことですから、そう思うこと事態はなんら問題はありません。
ただ、過去に傷ついた経験があると、その痛みを知っていますので、また同じ痛みを
感じてしまうと、次は耐えられないのではないかと思ってしまいます。
すると人は、できるだけ傷つかないように、ではなく、痛みを小さくできるように考
えます。
一般的に痛みをできる限り小さくする方法は、痛みをまったく感じないようにするか、
あらかじめコントロールするという方法を選択することが多いんですよね。
EMAさんは、もしかしたら痛みをコントロールする方法を選んでいるのではないかと私
は感じます。

コントロールする一番簡単な方法は、あらかじめ予測しておいて、その予測どおりの
結果になることです。
人は予測していることがおきても、あまりダメージを受けません。
心の準備ができる時間がありますからね。
でも、予測していないことがおきたときは、まったく心の準備ができていませんから、
受けるダメージも大きなものになるわけです。

それだけEMAさんは、過去に受けた心の傷の痛みが強く残っている、ということは確か
だと思います。
ただ、たった一回の経験でこれだけ強く痛みが残るというわけではなく、実は人生の
中で何度が似たような経験があり、その積み重ねの結果、不安と恐れは的中するとい
う答えを導き出したのではないかと感じます。

もうひとつは、自分の心の中にあるシナリオです。
人は心の中で、ある程度のシナリオを用意しています。
それは不安からくるものであったり、期待からくるものであったりとさまざまありま
すが、EMAさんの心の中にもすでにシナリオが出来上がっていて、この心のシナリオど
おりに考えて行動している可能性があります。
実はこのシナリオの問題点は、はじめは「~だったらどうしよう」という漠然とした創
造から始まります。
それがいつの間にかに、「~にちがいない」という断定へと変化してしまいます。
すると、本当はそうでなくても「~にちがいない」と思ってしまうと、そのシナリオど
おりに現実が動かないと困るわけです。
前述のコントロールができなくなりますからね。

このようなことから、今のEMAさんは、自分のシナリオどおりに現実が進むことに目的
があって、自分が幸せになることに目的がないように私は感じます。

根本的な原因としては、自分自身の先入観や自己概念、観念と呼ばれるもの、簡単に
言えば思い込みや勘違いが、現在のEMAさんにマイナスの影響を及ぼしていると感じま
す。

結果だけを見れば、EMAさんの不安や恐れは現実になりやすいのかもしれません。
しかし、それは不安や恐れだけに限らず、本来楽しさや幸せなど、ありとあらゆる感
覚を現実にする力が人にはあります。
しかし、EMAさんは不安や恐れが現実になるという勘違いをしている可能性があります。

おそらく、楽しさや幸せも現実にする力はおありなのでしょう。
でも、コントロールが強く作用している限り、これらを実感することが難しくなって
しまいます。
なぜなら、楽しさや幸せは、想像していない、コントロールできないところにありか
らです。
つまり、自分自身の心を強くコントロールしている限り、楽しいことや幸せなことが
あると、コントロールできない怖さがでてきてしまい、その怖さをコントロールしよ
うとして、楽しさや幸せを否定してしまうという行動を無意識に取る可能性があるか
らです。

「わからないことが怖い」と思うよりも「わからないからこそ知る楽しさがある」と、
たったひとつ考え方を変えるだけでも、心が軽くなる可能性はあるかもしれませんね。

ここからが私の提案になりますが、できればやっていただきたいことは二つあります。
ひとつは、不安や恐れから生まれる考え方を、できるだけ軽い気持ちで疑ってあげて
ください。
不安や恐れから生まれた考え方は、それが本当かどうかの検証もされていないにもか
かわらず、EMAさんの心の中では「~にちがいない」になっている可能性があります。
正しくは、そうであるときもあるけど、そうでないときもある、ですよね。
心の中にある「~にちがいない」を、いったん否定していただきたいわけです。
できればかる~く「んなわけないわな」とか「なんてね」くらいに扱っていただきたい
のです。

もうひとつは、楽しさに慣れるということです。
楽しさはコントロールできないものですから、性格にはコントロールできない状態に
慣れるという目的があります。
しかし、人はなかなか難しくて、「期待」してしまうと、これもコントロールになる
んですよね。

EMAさんが自分の恐れや不安だけを信頼するのではなく、楽しさや幸せなど、コントロー
ルできないよりよい感覚を信頼することができれば、現状の状況を変えることはでき
るかもしれません。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

EMAさんの人生が楽しさであふれる人生になるその参考に、少しでもなることができれ
ば幸いです。

ありがとうございました。

中原謙一

この記事を書いたカウンセラー

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