ご意見を頂きたいです

相談者名
Is
20代後半、女性です。
相談というよりは、どうしたら良いのかがずっとわからずにいたので投稿させて頂きました。

今までに数人の方とお付き合いはしてきましたが、気持ちがいつも不安定(?)でした。

別れても傷付かないようになのか、気持ち的な距離を保とうとしてしまうところがあります。
「絶対」や「ずっと」はないとも思ってしまいます。
相手の事は好きでしたし、昔なにかあったとかでもなく、初めてお付き合いした人の時からなぜかそんな考えでした…。
そう思ってしまっていたことが原因で別れることになってしまった事もありました。

sexについても悩んでいます。
個人的には好きでも嫌いでもありませんが、あまりやりたくはありません。
それとなくそうなるのを避けてきて、避けきれないなっていう時にやっていた…という感じでした。
また、なぜかわかりませんが妊娠が怖い(?)という気持ちがあるようで、やってから生理がくるまで怖くて怖くてたまらなくなります。(もちろん避妊はしています)
落ち着かなくてリストカットをするようにもなりました。やめなきゃ、と我慢すると今度は過呼吸にもなりました。
結婚とかして、子供を…とかなるとまた違うのかもしれませんが…。

以上の様なことがあり、一時、彼氏いらない、出会いもいらない、人に会いたくないと思うようになり、仕事以外でほぼ人に会わないようになり、そんな状態が数年続きました。

現在、彼氏はいなく、気持ちは以前よりは落ち着いています。人とも会ったり遊んだり出来るようになりました。
付き合いたいと思える人がいたら付き合いたい、結婚したいと思えたらしたい…と思えるようにはなりましたが、また以前のようになってしまうのかと怖くなってしまいます。
この事を人に相談した事は一度もありません。
どうにかしたい、というよりは、冒頭にも書いたように、もはやどうしたら良いのかわからなくなっています。

うまく説明出来ていないかもしれませんが
少しでもご意見頂ければ幸いです。

読んで頂いてありがとうございました。

カウンセラー
三島桃子
Isさん、初めまして。今回担当させていただく三島桃子と申します。どうぞよろしく
お願いいたします。

Isさんは、今は以前よりも人との関わりを楽しめるようになってきたんですね。これ
はよい流れだと思いますし、今後はさらに、人間関係を深めていくことができるよう
になっていくと思います。

けれども一方で、どうしてご自分が人と距離をとりたくなったのか、ということにつ
いて、いろいろと整理できないお気持ちがあるのかもしれませんね。そのために、な
んだかもやもやとしてどうしていいのかわからなくなってしまうのではないかな、と
思います。

***

なぜか人と距離をとりたくなる、という場合、「自己嫌悪」を抱えていることが考え
られます。

「自己嫌悪」とは、文字通り、自分を嫌悪する気持ちで、「私はよい存在ではない」
「自分にはたいした価値がなくて、とるにたらない存在だ」「自分は何だか気持ち悪
い」などという感覚のことです。

自己嫌悪があると、「こんな私が人に近寄ってはいけない」という感覚も出てくるの
で、わけもなく人から距離をとりたくなります。

Isさんも、無意識に、この自己嫌悪と、そこからくる「人と親密になってはいけな
い」という感覚をもともと持っていたのかもしれません。そして、初めて男性とおつ
きあいをした時に、潜在的に持っていた自己嫌悪が刺激されたのではないかと思いま
す。

初めておつきあいする異性というのは、それまで知り合ってきたどの人よりも近い関
係になる、という面があります。恋人というのは、心身ともに、友だちや家族よりも
もっと親密になる関係ですから。

そうすると、自己嫌悪をすごく刺激されることになるんですね。

自己嫌悪があると、セックスなどのスキンシップにも抵抗感が出てきます。セックス
というのは相手にこれ以上ないほど近付くことですから、近付けば近付くほど、「こ
んな私がこんなに人と近付いてはいけない」という無意識の反応が出てくるんです。
とはいえ、意識的にはそんなことは考えず、「まあつきあっているのだからセックス
しないとなあ」などと判断することも多いのですが、やはり心から楽しむことはでき
ません。

また、全体的に気持ちが不安定になりやすく、何かがやたらと気になる、怖くなる、
というようなことも起こりやすくなります。Isさんの場合は、セックスの後の妊娠恐
怖、というのがそれに当たるかもしれません。

こういった不安や怖れは、考えないようにしようとするよりも、「私はこのことがこ
んなに不安になるんだ、怖いなあ、嫌だなあ」、と素直に受け止めておく方がいいか
と思います。

考えないようにしようとすると、自然に出てきた気持ちを抑圧してしまうことにな
り、それが心身に負担を与え、過呼吸などの身体症状が出やすくなる傾向があるので
す。

とはいえ、不安や怖れがとても大きい場合、どうしても無意識に抑圧してしまい、身
体症状などが出てしまうことは人間あるものですけどね。

***

さて、では、どうして自己嫌悪を持つようになるのでしょうか?

実は、人は誰でも心の中に「自己嫌悪」の感覚を生まれながらに持っています。そし
て、育った環境や家族関係などいろいろな事情の中で、自己嫌悪の感覚が強化される
場合があり、そうすると何かしら「問題」だと感じることが出てきます。

自己嫌悪が強化される事情というのは、人によって様々です。中には、はっきり「こ
れ」という理由が見当たらない場合もあります。Isさんの場合ももしかしたらそうで
はないかな、と思いますがどうでしょうか。

自己嫌悪が強化された理由がはっきりしない場合によくあるのは、以下のようなケー
スです。

○親子関係、家族関係のなかで、かわいがられてはきたけれど、「弱くて頼りない存
在」として扱われた

家族の中で「チャーマー」の存在を割り当てられた、と見ることもできます。
「チャーマー」とは、家族の中でマスコットのようにかわいがられるのですが、本来
持っている能力などをあまり認めてもらえず、「あなたはかわいい存在でいてくれれ
ばいい」という家族からの暗黙のプレッシャーを受けます。その結果、「自分はかわ
いがられてはいても、能力のない、価値のない存在だ」と思ってしまい、それが自己
嫌悪につながります。

○母親や父親が実は強い自己嫌悪を持っていて、それを抑圧している

親が持っている自己嫌悪を、幼い子どもは自分の感覚のように感じ、取り込んでしま
います。そして、特に思春期以降、人と親密になることに抵抗を感じ、寂しいと思い
ながらも人から距離をとってしまったり、それではいけないと無理をして人付き合い
をがんばり、しんどくなってしまったりすることがあります。

どうでしょうか?改めて家族関係などを振り返ってみて、思い当たるところはあるで
しょうか?

もし思い当たらないとしても、カウンセラーとじっくり話していただくと、おそらく
自己嫌悪の理由が見えてくると思います。

理由がわかれば、自分が気付かずに抱えてきた事情や、その中で無意識に感じていた
思いなどに丁寧に向き合うことで、自己嫌悪は小さくなっていきますし、人間関係や
異性との関係、セックスなどの問題も解消していくと思います。

Isさんはすでに以前よりは自己嫌悪が小さくなっているようです。無理をせず人と距
離をとり、自分が落ち着ける環境に身を置いたことで自然な自己治癒が進んだのだと
思います。ここから先は、むしろ人と関わることでさらによい流れになっていくだろ
うとは思いますが、そのためにはカウンセリングや、あるいは心理学ワークショップ
などを活用された方がリスクが小さく、課題を解消するスピードも速まるかと思いま
す。

参考になりましたら幸いです。
ご相談ありがとうございました。

三島桃子

この記事を書いたカウンセラー

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