彼の浮気を許したいのに・・・

相談者名
S子
はじめまして。
彼の裏切り行為が元で苦しんでいます。

彼とは8年前からつきあっています。
つきあい始めて徐々に、彼の気分屋な所に振り回され、
(優しい時と冷たい時のギャップが激しい)
鬱病のような症状に悩まされるようになりました。
自殺願望もあり、何度か未遂もあります。
そんな私に彼もまた振り回され、疲れ果て、一年前に振られました。

今までにも何度か彼から去っていき、また戻ってくるということがあり、
今回もまた4ヶ月後によりが戻りました。
が、その4ヶ月の間、じつは彼は同僚に告白されつきあっていました。
私にはその事を隠していましたが、二人がラブホテル等へ行っていた決定的な証拠が
続々と見つかったのです。

結局、彼は私を選び、その彼女とは私の目の前でハッキリと別れてくれました。
しかし、私の本当の苦しみはここから始まったのです。
彼が彼女とそういう行為をしている場面などを、リアルに想像してしまい
気が狂いそうになったり、会社に居ても仕事が全く手につかなくなりました。
何処に居ても、何をしていても、嫉妬や憎悪の気持ちから逃げられないのです。

私は、元々潔癖症な方で、彼以外との性体験がなく、それなのに・・・!っていう
気持ちがすごく強いのです。
幼い頃、父の浮気症が原因で両親が離婚しており、
彼に会うまでは、ずっと男性不信でした。
彼に会って、こんなに誠実な男性はいないと思い、好きになりました。
誰よりも信頼していました。
だからこそ、どうしても許せないのです。つらいのです。

心身ともにすっかり疲れ果ててしまった私を見て、
彼もやっと心の底から反省してくれたようで、
「一生この十字架を背負って、お前の為だけに生きたい」とプロポーズされました。
私はとてもこんな状態では・・・と思いつつも、
やはり彼を嫌いになれないという気持ちと、それから
相手の女性への嫌がらせ・見返してやりたいという思い(最低ですね)、
結婚したら、もしかしたら少し状況が変わってラクになれるのではとの考えから、
籍を入れました。昨年の12月のことです。

しかし・・・結婚後、じつはつきあい始めて4年目あたりから、
彼が出会い系サイトなどを利用し、私に隠れて複数の女性と会っていたことが
判明しました。
私の鬱状態がひどい時期は、彼自身も追い詰められ、
つい逃げてしまっていたとのことでした。

私もまた彼を苦しめていたのだと、この時初めて気づかされました。
(大体、死にたいなんて彼女に言われたら普通の人なら引きますよね・・・)
土下座して、涙を流し「別れたくない、やっとお前の大切さがわかったから」
と訴える彼を見て、さんざん悩んだ挙句、
やはりもう一度2人でやり直そうと決意しました。

結婚後の彼は、すっかり人が変わったようになり、
私の気持ちが落ち着いている時は、とても仲良くできるのです。
しかし何故か、日が経つにつれ私の苦しみは増すばかりで・・・。
とうとう彼に対して暴力をふるったり、殺意を抱いたりするようになってしまいました。
彼の首を締めて殺そうとしたこともあります。
でも彼は全く抵抗しません。
それどころか「そんなにまで苦しませてるのか・・・」と言って涙を流します。

そんな風に変わってくれた彼に対して、愛情は持っています。
それなのに、突如襲い掛かる彼の裏切りに対する怒り、
女性達への嫉妬、彼のした行為への嫌悪などが止まないのです。
過去を洗い流せない自分が苦しいです、つらいです。

また、彼がつきあっていた女性を連想させるものに接触すると
パニックを起こしてしまいます。
例えば彼女と行っていた場所や、彼女の住んでいる場所の地名がTVで出て来ただけでも
パニックになってしまうので、TVも観れません。
車でラブホテル街なども通れません。
出会い系と聞くだけで吐き気がします。
このように普通の生活にも支障が出て、
毎日やっとのことで暮らしているといった感じです。

こういった心の傷は、カウンセリングで治せるものなのでしょうか?
お願いです、誰か助けて下さい・・・。

カウンセラー
高野康子
はじめましてS子さん、高野と申します。
よろしくお願いします。

S子さんは今、旦那さんの過去の裏切りによって、感情のコントロールが
出来なくなっているのですね。
彼との8年間の付き合いの中で、もしかしたら今が一番辛い時かもしれま
せん。 けれど逆にそういう時こそ自分を変えられる大きなチャンスです
ので希望を持ち続けてほしいです。

>「一生この十字架を背負って、お前の為だけに生きたい」とプロポーズ
>されました。

これからS子さんが平和な結婚生活を送る為にも、彼の背負った十字架は
降ろしてあげた方が良いかもしれないですね。
それにはまずS子さん自身が背負った十字架から降ろす必要があります。

>突如襲い掛かる彼の裏切りに対する怒り、女性達への嫉妬、彼のした行為
>への嫌悪などが止まないのです。過去を洗い流せない自分が苦しいです、
>つらいです。

どうにも身動きがとれない状況がいつ訪れるか分らないのでは、心から安ら
げなくて、とても辛い毎日を過ごされているのでしょう。

>結婚後の彼は、すっかり人が変わったようになり、
>私の気持ちが落ち着いている時は、とても仲良くできるのです。

過去の裏切りが発覚した後ですが、その後の旦那さんの改心もあり、S子さん
の気持ちが落ち着いている時は旦那さんから”自分がきちんと選ばれている”
という実感が得られているようですね。 S子さんも彼のことをとても愛して
いらっしゃいます。 そういった今があるからこそ、過去を流せない自分を
垣間見た時、もの凄い自己嫌悪に陥ってしまうのでしょうね。

けれど、私はメールを読ませて頂いて、例え様も無い絶望の中でも「S子さん
は既に旦那さんのことは許せているのではないかなぁ」という気がしています。

>彼に会って、こんなに誠実な男性はいないと思い、好きになりました。

S子さんが現在一緒に居る彼は、まさにこの時思った通りの人ですよね。
誠実な彼に心を開いて仲良く出来ている自分は、もぅ彼のことを許している
のではないですか。

彼のことは許しているけど『嫉妬』や『憎悪』という感情をS子さんが無意識
的に”持っていなければならない”としている所に問題があると思うのです。

それらを意識したのが彼の裏切りだったので、この件でパニックを起こすと
「彼を許してない」と思えてくるかもしれませんが、本当のところは、彼は
S子さんのそういった部分を表面化させただけにすぎなくて、パニックを起こ
す原因は別のところにあります。

>とうとう彼に対して暴力をふるったり、殺意を抱いたりするようになってし
>まいました。 彼の首を締めて殺そうとしたこともあります。

そうなると「彼を許しているのならどうして彼に殺意を抱くの?」という疑問
が出てきそうですね。

今感じている彼に対する殺意は『嫉妬』や『憎悪』を手放せないことにより
愛情を愛情として表現できない強烈な葛藤の表れです。 出来るなら愛する彼に
『愛情』として渡したいのに、それがどうしても出来ないとなると彼も辛いですが
S子さんにとってもこれはとても辛く苦しいことになっていきます。

>彼は全く抵抗しません。
>それどころか「そんなにまで苦しませてるのか・・・」と言って涙を流します。

でもS子さんが彼を愛しているってことは、きちんと彼に伝わっているようですよ。

彼が無抵抗に涙を流すのはS子さんが殺意を示したいのではない、そうじゃない
のに出来なくて苦しんでいるってことを分っているからです。
旦那さんはただただS子さんのことを愛しているのです。

こんな時、S子さんに何か求められてるとしたら、それをただ受けとめてあげる
ことなのかな、と私は思います。

それが出来ない理由である嫉妬や憎悪を元の位置に戻したいところですね。
これらを”持っていなければならない”と思っている部分を見ていきましょう。

>幼い頃、父の浮気症が原因で両親が離婚しており、彼に会うまでは、ずっと
>男性不信でした。

もしかしたらS子さんは、このことが原因でお母さんに甘えることを遠慮するよう
になったのではないでしょうか。 離婚してからS子さんがどちらに引き取られた
かは書かれてありませんので分りませんが、どちらにしてもそれ以降、お母さんと
の心理的距離が大きく離れ、男性に対する嫉妬や憎悪(お母さんが持っていた感情)
をお母さんの代わりにS子さんの中に取り入れた可能性があります。 お母さんを
一人きりにさせない為に自分も同じものを持ったのかもしれません。

けれどS子さんがそうした配慮をしても、お母さんを幸せに出来なかったと感じて
いたならどうでしょう。

その時背負った十字架(罪悪感)を外してくれる男性を求めるか、どうすればそこ
から抜け出せるか、お母さんと同じ場所から学ぼうとするかのどちらか(又は両方
同時に持つか)になるのではないでしょうか。

S子さんのプロセスを見ていくと、十字架を外してくれそうな誠実な男性に惹かれて
その後にお母さんの位置に移っていますよね。

S子さんが現在身動きがとれない状態でいるのは、彼の裏切りに対する痛みの下で
「どこにお母さんを楽にする術があるんだろう」とか「私がここで嫉妬や憎悪を
手放したらお母さんを一人にしてしまうかも」という更に大きな痛みと恐れとで
繋がっているからだと思います。

お母さんを助けられなかった・繋がりを得られなかった、という失敗感が大きな
トラウマとなっているので、その傷に触れる現象には彼との間に出来た傷以上の
深い痛みが走るのでは、と思うのです。

この十字架をS子さんが外す為には「お母さんが大好きで助けたかったから
今でも嫉妬や憎悪をお母さんの代わりに持っている」という部分を最初に認めて
しまうことです。

すると、冷静に考えてみると、それらがお母さんの代わりになる事はなく
それらを手放したからといってお母さんを一人にすることもない、という事実が
見えてきます。

S子さんはこういった手段の先に「お母さんに幸せになってほしい」という願いを
持っていることでしょう。 お母さんの幸せそうな顔を見た時、自分の十字架は
外されると心の底では思っている気がします。

だとすると、S子さんは既にお母さんに幸せを与えることに成功していますよ。

何故って、現在S子さんはとても誠実な旦那さんと仲良くいられる時もあるの
ですよね?  その場所には2人の十字架は存在していません。
そこに居る2人の姿こそがお母さんの痛みを消す唯一の光景だからです。

「今では幸せなお母さんと繋がっている」と深く実感すればする程、激しい感情
のうねりはおさまっていくと思います。 仮にパニックになった時には、すぐに
「昔の痛み」と気付いて、欲しいものが手に入っている「今」に意識を戻すように
しましょう。

S子さんの笑顔は旦那さんにとって最高のプレゼントです。
いつでも近くにS子さんの味方が居るってことを思い出して下さいね。

ご相談ありがとうございました。

高野 康子

この記事を書いたカウンセラー

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